中盤を迎えた参院選岩手選挙区(改選数1)を巡り、自民党が「失地回復」に向けギアを上げている。直近の国政選挙では相次ぐ不祥事で逆風が吹き、野党に事実上敗北。夏の政治決戦は報道各社の情勢調査で全国的に苦戦が目立ち、11日は石破茂首相(党総裁)が党公認候補の元職平野達男氏(71)の応援で就任後初めて来県し、てこ入れ。追い風を期待する陣営は、徹底した「草の根」戦術と組織力で反転攻勢を期す。
「最も岩手のことを知り、最も岩手から日本を変えられるのは平野氏だ。厳しい状況だが、力を貸してほしい」。石破首相は同日、奥州市入り。約900人の聴衆を前に、横に立つ平野氏への支持を訴えた。演説後、支持者と握手を交わした。
長く「野党優位」の政治風土が続いた県政界にあって、自民は2021年の衆院選岩手3区、22年の参院選岩手選挙区でそれぞれ立憲民主党現職を破った。
その原動力となったのが、旧町村単位まで細かく活動を展開する草の根戦術だ。今夏も元国会議員や県議らと集会や街頭演説を重ね、公示後は党総務会長の鈴木俊一氏(衆院岩手2区)も連日のように歩調を合わせ遊説する。
一方で昨年は自民の元参院議員による詐欺事件など不祥事が続き、秋の参院岩手選挙区補欠選挙は「不戦敗」を選択。議席奪還を狙う今夏も苦戦ムードが漂う。
そんな中、数日前に首相来県が決まった。過去に地方創生担当相も務め、何度も本県に入り地方で人気の石破氏。公示前は森山裕党幹事長、7日に細野豪志政調会長代理も駆け付けるなど、近年は極力抑えてきた「空中戦」も鮮明にした。県連幹部は「ここで勢いを付け、流れを変える」と形勢逆転の戦略を描く。
野党各党も応援弁士が来県し、中盤に入った選挙戦は熱を帯びる。立民県連幹部は「発言にブレが多い首相が入って、果たして効果があるのか」と冷静に受け止める。
このほか、岩手選挙区には政治団体「NHK党」新人の吉田博信氏(59)、立民現職の横沢高徳氏(53)、参政党新人の及川泰輔氏(46)も立候補している。