パナソニックHD1万人削減が他人事ではない理由 #エキスパートトピ
23日に開かれたパナソニックの定時株主総会において、一部の株主から「黒字下での従業員1万人リストラ計画」に対して疑問の声が出されました。
創業者の松下幸之助は従業員を一人もクビにしないとの理念を掲げ、日本型雇用の始祖とも言われている人物であるだけに、同社の対応には注目が集まっています。
ココがポイント
楠見社長は「創業者のエピソードは非常に重い意味があるが、当時と事業環境が大きく異なるのも事実だ」と説明した。
出典:読売新聞オンライン 2025/6/24(火)
総務や人事などの間接部門の肥大化が業績の伸び悩みの一因となっており、スリム化を図る。
出典:読売新聞オンライン 2025/5/9(金)
余ったら、首を切る。赤字になったら、社員の首を切る。そういう経営者は経営者たる資格はありませんわ。
出典:東洋経済オンライン 2014/11/20(木)
エキスパートの補足・見解
パナソニックが黒字に関わらず一万人規模のリストラを急ぐ背景には2つの事情があります。
・70歳雇用の努力義務化
2021年に施行された改正高年齢者雇用安定法により、企業には従業員を70歳まで雇用できるよう努力することが義務付けられています。
百歩譲って65歳までは我慢しても70歳まではとても雇う余裕がないという企業は多いはずです。
・AIによる業務プロセスの効率化
ただ、個人的にはもう一つの事情の方が大きいと感じています。それはAIによる業務プロセスの見直しですね。
それは早期退職募集の対象が人事総務や経理といった間接部門を想定していることからも明らかでしょう。
社内中心に数字を集めた上で前例に従って処理する間接部門は、置き換えのハードルが低い傾向があります。
このことは、業種や経営状況に関わらず、同種のリストラが今後すべての日本企業に広がる可能性を示しています。間接部門は業種問わず存在しますから。
間接部門のスリム化で手ごたえを得た後は、営業等の文系事務職全般が次の置き換えの対象となることが予想されます。
同社の動向は日本企業で働く多くのビジネスパーソンにとっても他人事ではないでしょう。
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