温暖化対策、日本の現在地は 化石燃料への政府予算は再エネの9倍超

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編集委員・香取啓介
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 温暖化は進み、猛暑や異常気象のニュースが絶えない。複数の国際世論調査で、世界の5人に4人は、自国の政府により強い気候変動対策を求めているとの結果が出ている。朝日新聞が7月20日投開票の参院選を前に各党に実施したアンケートでも、温室効果ガスの削減を積極的に進めるべきとの回答が大半だった。では、日本は今どんな状況にあるのか。政府はどんな取り組みを掲げているのか。

 日本は、平均気温が100年間に1.4度の速さで上がっている。2018年7月や23年7月の猛暑などは、温暖化による気温の底上げがなければ起こり得なかったとされている。24年の年間の熱中症死者数は2千人を超え、過去最多になった。極端な大雨の頻度も増えている。18年の西日本豪雨では水害による被害額が1兆2150億円に上った。

 世界の科学者や各国政府代表で作る国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、人間の活動が温暖化の原因であることは「疑う余地がない」としている。

 石炭や石油、ガスなどを燃やして、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが大気中に増えると、気温が上昇する。大気中のCO2濃度は、18世紀の産業革命前は約280ppmと安定していたが、現在は420ppmを超え、1.5倍になっている。世界の平均気温は産業革命前から約1.1度上昇しており、24年単年では1.55度上昇と観測史上最高を記録した。

 地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」では、すべての国が参加して、温室効果ガスを減らし、今世紀後半に脱炭素を目指すことになった。世界は産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えようとしている。日本はエネルギー起源のCO2で世界全体の2.9%を排出しており、中国、米国、インド、ロシアに次ぎ、5番目だ。

基本計画では「原子力は最大限活用」

 日本は20年10月、菅義偉政権が、50年までに温室効果ガスの排出を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言し、脱炭素社会にかじを切った。

 これを達成するためには23…

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この記事を書いた人
香取啓介
編集委員
専門・関心分野
環境・エネルギー、テクノロジー、科学政策、国際関係