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#新サイバー犯罪条約 出版業界や小説家に向けた「新サイバー犯罪条約」の勉強会(講師:堀新先生 )に、うぐいすリボンの荻野さんが好意で入れてくださったので参加いたしました。かいつまんだ内容ですがレポートします。 昨年夏に内容が決まり、ハノイで調印される予定の同条約(なので最終的にはハノイ条約みたいな名前になりそう)は、 第14条にて下記のようなコンテンツの提供、購入、管理(電子書籍での所持は管理に当たる)を締結国にて法規制するように定めており、これらには「架空のキャラクターを使った創作物」も含まれます。 (a) 実際の性行為、または性行為の模倣に従事している18歳未満の者; (b) 性行為に従事している他人の面前にいる18歳未満の者; (c) 主として性的な目的のためにその性器が陳列されている18歳未満の者;または (d) 拷問または残酷、非人間的もしくは屈辱的な扱いもしくは処罰を科されている18歳未満の者。但しそれらが性的な性質の資料であること。 つまり、既存の漫画や小説、古典にもひっかかるものが出てくるわけですが、「留保規定」を使うことで、締結国はフィクションを除外できるという説明がありました。 (私注釈:これは某参議院議員の暗躍の成果でもありますね) 基礎的な部分は私にとっては既知の内容が多かったのですが、質疑応答に興味深いやりとりがあったので紹介します。 参加者1「条文では「18歳未満」となっているが、「18歳未満に見える」キャラクターも規制されると言われている。実際にはどうなのか?」 シンホリ先生「条文上は厳密に定められていないが、リスクは相当に高い。今後とも注視する。」 ※他の参加者に向けて、18歳未満に見えるキャラクターというのはファンタジーに出てくるエルフとか。見た目は子どもだけど実際は数十歳のおじさんおばさんとかね、という補足もいただき、大変に「わかってる感」を感じました。 参加者2「憲法には表現の自由が定められているが、これは違憲になりうる可能性はあるのか?」 シンホリ先生「違憲は裁判で争う。国会でも議論にはなるだろうが、多数決で罰則付きの法律が通ってしまえば施行される。つまり処罰される段階になって違憲を裁判で争うことになるわけだが、合憲になるのか違憲になるのかわかないし、その時点ですでに相当の実害が出ていることになる。つまり最初から留保規定を使って(フィクションに支障が出ないように)法律を作ることが望ましい」 他には、留保規定がある国で作ったコンテンツが、留保なしの国で購入された場合に処罰の可能性があるなど、興味深い、けれど笑えない状況なども説明がございました。 いずれにしましても、国内法は「留保規定あり」で進めないと相当まずいことになるのはよくわかりました。 シンホリ先生、誠にありがとうございました。 ポスト拡散、補足の引用等大歓迎でございます。 ぜひ条約の危険性と留保規定の必要性を広めてください。