【参院選 ファクトチェック】「外国人の犯罪が多い」「医療を不正受診」ほとんどの噂は実態反映せず 参院選で広まる「外国人排斥論」に注意 日本人の権利抑制につながる恐れも 専門家とともに検証
外国人留学生に「1000万円+毎月15万円」の噂 実態は日本の研究支える公的制度
「国は外国人留学生に返済不要の1000万円を渡し、さらに毎月15万円を渡している」という噂もSNSで広まりました。 これも外国人全員を特別扱いするという性質のものではありませんでした。 「1000万円」というのは、博士課程後期の学生向けに文部科学省が用意している支援制度(SPRING)のことです。これは外国人留学生だけでなく日本人も対象で、約6割は日本人が支援を受けています。 しかも、この1000万円には生活費と研究費が含まれているのですが、文科省は、生活費については今後、日本の学生のみを対象とするよう見直す方針です。 「毎月15万円」は、国費留学制度のことで、あくまで優秀な学生限定です。留学生33万人のうち、この国費留学制度の対象はわずか2.8%です。 田辺教授:日本が研究や技術立国に力を注ぐなら、優秀な学生に来てもらわないといけません。 SPRINGについては、博士課程まで来る外国の優秀な方が日本に残ってくれれば、日本の技術立国の足元を固めることにつながると思います。 国費留学生も特に優秀な学生を対象とした制度で、自国に戻ればある程度の地位に就く人々です。そういう人が日本で学位を取って、日本語もできるようになって、ある種日本のファンになってくれるというのは、投資としてはものすごく効率が良いといえます。 実際、世界の多くの国々で同様の制度があります。なので、日本がそれをやめてしまうと日本に優秀な学生が来なくなる恐れがあり、日本の”仲間”を減らしてしまって将来にわたり禍根を残すことにつながりかねません。
健康保険制度に‟タダ乗り”の主張 実は損しているのは外国人の方かも
3つめの噂はこのようなものです。 「外国人は日本滞在3カ月を超えると日本の国民健康保険の対象になる。病気とわかってから就労名目などで来日し、日本の医療を受ける不正が横行している」 しかし、実情は違います。 国民健康保険の被保険者数に外国人が占める割合は、全体の4%(約97万人)です。 そして、国の総医療費のうち、外国人の医療費は1.39%(1240億円)でした。 つまり、被保険者の割合からすると、かかっている医療費は安く、外国人全体ではむしろ損をしているといえます。 ただ、外国人は納付率が63%と低いといえます。 田辺教授:日本に来る人というのは若くて働ける人が多いです。なので、保険料を納めるものの、それを使わないことが多く、むしろ今の日本の健康保険制度などを支えてくれる存在といえます。制度の支え手になっているというのが実態です。 納付率が63%とやや低いのは、健康で若い人が多い分、病気にならないから平気だと考える人が多いためだといえるでしょう。