今年もまた、酷暑の夏がやってきた。35度を超える猛暑日が全国各地で相次ぎ、総務省消防庁によれば、2024年5月から9月にかけての熱中症による救急搬送者数は9万7578人。2008年の統計開始以来、過去最多となった。

炎天下の中、子どもたちはどこで夏休みを過ごせばいいのか――。外の公園や広場は暑すぎて長くいられず、屋内の商業施設も飲食や交通費などで毎回お金がかかる。無料で安全に時間を潰せる“居場所”の少なさに、頭を悩ませている保護者も少なくない。
さらに、共働き世帯の増加がこの問題に拍車をかけている。日中に家が「無人」となるリスクは高く、夏休み中は学校や給食といった日常のセーフティネットも機能しない。結果、子どもの行動を“信じる”以外に選択肢がないというのが、多くの家庭の現実だ。
しかし、家庭が「無人」であることが、思わぬトラブルの温床になるケースもある。
「SNSやスマートフォンを通じて、今の子どもたちは簡単につながることができます。だからLINEやオンラインゲームだけと親が思っていても、実際にはリアルで会っていることもあるんです」
そう語るのは、子ども相談員の白尾里子氏だ。
「人と直接会いたくなる気持ちは、大人も子どもも変わりません。親の目がない時間にどこで誰と過ごしているのか。その場所が自宅になっていたとしても、おかしくはありませんよね。むしろ親がいない家は都合がいいと考える子どもがいても不思議はない」
近年の子どもたちは情報だけ早熟という現実もある。
「都心の中学生はほぼほぼスマホを持っています。それを使えば、ありとあらゆることを調べられる環境にある。性についても同じです。知識として性を知っていても、行動と責任が伴っていないことは、中学生であればよくあること。親の目がない時間に性的な関係を持つケースは珍しくありません。避妊への認識も低く、『大丈夫だと思った』というあいまいな根拠で行為に及ぶ子も多い。親が全てを管理することは不可能だからこそ、事前の対話と教育が重要です」
今回お話を聞いた女性は、まさに昨年信じていたはずの次男が家に彼女を連れ込んでいたことが発覚したと話す。
「申告をすれば家に友達を連れてきてもいいと話をしてきました。この暑さですから。週に1度くらい友達がきてゲームをしていると聞いていたし、その子たちと会うこともありました。すっかりそれを信じ込んでいて、それ以外には何もないと思ってしまったんです」
洋子さんが予定外に早く帰宅したことで事態が発覚した。
「生々しい現場をみることになってしまいました。10回以上は致したといわれたきには失神しそうでした…」
その後の相手の親とのトラブルは【関連記事「家にあげた息子が悪い!」と詰め寄る少女の両親。無人の家で行われていた中学生の情事】でお読みいただける。
【取材協力】子ども相談員|白尾里子氏 【聞き手・文・編集】常田真悠 PHOTO:Getty Images 【出典】総務省消防庁