大学撤退の地域への影響、初の調査へ 文科省「議論のきっかけに」

島崎周
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 大学の撤退による地域への影響について、文部科学省が初めて実態調査をする。関係者への取材で分かった。

 少子化の加速を受け、文科省は、大学の数や定員の適正化を図りながら、各地に質の高い高等教育機関を確保しようとしている。大学の撤退が与えた影響を調べることで、地域における大学の役割をより明確にするなどの狙いがある。

 過去に地方大学が地域に及ぼす経済効果などの調査例はあるが、撤退した地域の調査はないという。

 対象は3~5事例を想定。教育や研究、社会貢献、立地による効果などについてデータを集めたり、教育委員会などの行政担当者や産業界に聞き取りをしたりする。結果を分析し、特定の地域で大学が撤退した場合の影響予測も予定する。

 経営だけでなく、「地域で必要とされる学び」という視点でも大学の価値を考える参考とする。今年度末には結果をまとめる予定という。

 大学進学者は2040年には約46万人となり、24年から約26%減ると推計されている。定員に対する入学者数の割合を示す入学定員充足率(推計)は、大都市圏は大半が70%台、地方では50%台まで落ち込む地域もあるとみられている。中央教育審議会(文科相の諮問機関)は2月、今後の大学の役割として、自治体や企業など地域社会との連携強化などを求める答申を出した。

 文科省幹部は「調査がこれからの地方大学のあり方を検討する材料になり、地域全体での議論を進めるきっかけになれば」と話す。

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権