第3回国民民主との連立、自民候補者の63%「ありうる」 朝日・東大調査

小木雄太 古賀大己

 参院選の情勢調査では自民党と公明党による非改選を含めた定数の過半数(125議席)の獲得が微妙な情勢になっている。参院選後に連立を組む場合の相手について、自民候補のうち63%が国民民主党と、53%が日本維新の会と「ありうる」と考えていることが、朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室の共同調査でわかった。野党第1党の立憲民主党との「大連立」は、「ありえない」が84%だったが、「ありうる」も16%いた。

 衆院では与党の自公(計220議席)が過半数(233議席)割れの状態で、今回参院選は「事実上の政権選択選挙」との見方もある。参院選の結果次第では政権の枠組みが焦点となり、自公に国民民主(27議席)や維新(38議席)が加わる「連立拡大」や、自民・立憲の「大連立」などの可能性が指摘されている。

野党候補は与党との連立をどう考えているのか。記事の後半では、各党候補490人から得た回答のグラフを掲載しています。

 調査では、他党との連立の考えについて「選挙結果にかかわらず連立を組むべきだ」「選挙結果次第では連立もありうる」「選挙結果にかかわらず連立はありえない」の3択で質問した。

 野党では立憲の候補は、国民民主と「組むべきだ」が18%、「ありうる」も72%いた。自民との「大連立」は、「ありえない」95%、「ありうる」5%だった。

 国民民主の候補は、自民と「組むべきだ」が3%、「ありうる」は66%だった。立憲とも「ありうる」が66%だった。

 これに対し、維新の候補は、いずれの党とも「ありえない」が最多だった。

 伸長の勢いの参政党も、いずれの党とも「ありえない」が最多。自民と「ありうる」は22%、立憲と「ありうる」は13%だった。

     ◇

 調査は5月末から実施。候補者522人のうち、7月7日午前までに回答した490人を分析した。回答率は93.9%。

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この記事を書いた人
小木雄太
政治部
専門・関心分野
国内政治、外交
古賀大己
政治部|総務省、朝日・東大調査
専門・関心分野
エネルギー、労働問題、web3、総務省
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    秦正樹
    (大阪経済大学准教授=政治心理学)
    2025年7月10日10時32分 投稿
    【視点】

    この結果の中で,私は特に公明党の位置づけが非常に興味深いなと感じました. その1つは,もう20年以上連立パートナーとなっているにもかかわらず,自民党候補の1割(9%)が選挙後の連立継続に疑問を覚えているところです.さらに,ごく少数とはいえ,候補者の中には連立解消まで考えている人(2%)がいるというのは衝撃的です.公明党は,ここ最近の選挙でずっと不振が続いていおり,昨年の総選挙では,ついに比例600万票を割り込む過去最小となりました.凋落の大きな原因として,しばしば,有力な支持組織である創価学会員の高齢化が指摘されています.また,公明党に限らず共産党も同じような悩みを抱えており,これらは共通して組織政党です.そうであるがゆえに,政党規模は組織力に大きく依存することになりますから,今後,こうした政党は細っていく一方であると考えられます.そうすると,学会票欲しさで連立している自民党としても,パートナーとしての重要性も低下するはずです.こうした感覚が,自民党の一部の中ですでに芽生えていると考えると今後の日本政治を考えるうえで非常に興味深い変化だと感じます. 2つ目は,維新と公明の関係です.今回の調査結果だと,公明党側は71%が維新と連立もありうると考えている一方,維新側では14%しかそうと考えていません.このギャップの背景には,昨年の総選挙から,維新の地盤である大阪で公明党との選挙協力を解消して対立構図となったことがあるのでしょう.しかも大阪の公明候補全員を負かすことができた維新としては,公明党と連立してしまうと,重要な大阪の選挙区で候補者調整の必要に迫られ,みすみす重要な大阪の議席を失いかないことを懸念しているのかもしれません.一方で公明党側は「常勝関西」で負けてしまったからこそ,維新と連立してでも大阪で議席を回復したいという思いが滲んでいるようにも見えます. 3つ目は,立憲・国民とも,5~7割の候補が公明党との連立可能性を視野に入れているという点です.こちらは,自民党から公明党を引き剥がして,細っているとは言え,それでも600万票を持つ公明党は魅力的なのでしょう.さらに7〜8割以上の公明党候補者も立憲・国民とも連立入りの可能性を拒否していませんから,こちらは潜在的に「相思相愛」である点で興味深いです. 今回の参院選でも,すでに多く報道されているように,自公過半数を維持できない可能性が低くないわけですが,そうなると,政権側は真剣に新たな連立パートナーを探す必要があります.基本的には自民党+公明党にプラスアルファの政党を模索することになるとは思いますが,そのとき,公明党がどういうアプローチをするのかにも注意しておくと面白いと思います.

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  • commentatorHeader
    馬渕磨理子
    (日本金融経済研究所 代表理事)
    2025年7月10日10時32分 投稿
    【解説】

    現段階での候補者の「連立の可能性の声」は参考になると思います。連立について、自民党の候補者は国民民主党と「ありうる」63%、日本維新の会と「ありうる」53%/国民民主の候補は自民と「ありうる」は66%/維新の候補はいずれの党とも「ありえない」が最多/もちろん、各政党の陣営が必死に闘っているなかで「連立の可能性」はどの政党も選挙が終わるまでは言及しないし、票数によって組み方も変わります。金融視点で申し上げますと、自公+立民=株安(財政緊縮)、自公+維新=株高(積極財政)、自公+国民民主=株高(積極財政)のシナリオです。

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