周囲に響き渡る重低音…オスプレイ佐賀配備 水陸機動団と連携、長崎県への飛来増へ【ルポ】
周囲に響き渡る重低音。プロペラを上に向けた回転翼モードで灰色の機体が滑走路に近づく。9日午前10時22分。「基地化反対」などと書かれたのぼりを持って集まった住民の目の前で、陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイはゆっくりと佐賀空港に降り立った。 佐賀駐屯地の開設に合わせて到着した機体は式典の後、報道陣に公開された。機体内部は天井が低く、むき出しの配線がびっしりと並ぶ。「普通の航空機より安全です」。オスプレイを運用する輸送航空隊の青山佳史隊長は胸を張った。 政府が佐賀県に受け入れを要請して11年。オスプレイの正式配備は、佐世保市の相浦駐屯地に本部を置く水陸機動団との一体運用が主な目的だ。これから連携が強化され、長崎県へのオスプレイ飛来は当然増えることになる。 オスプレイを暫定配備していた木更津駐屯地(千葉県)と相浦駐屯地の距離は約千キロ。一方、佐賀駐屯地と相浦駐屯地の距離は約60キロとなり、20分の1ほどに縮まる。 会見で青山隊長は「島しょ防衛能力が強化される」と移駐の意義を強調。「九州の海上自衛隊や航空自衛隊の部隊と平素から連携する必要がある」と語った。ただ訓練の詳細や具体的な連携の方法などは明かさなかった。 安全性については過去の事故に対応した予防や対処をしていることを挙げ「安全対策の徹底や騒音など最大限配慮する」と述べた。 駐屯地開設やオスプレイ移駐に関して、陸自が繰り返すのは「戦後もっとも厳しい安全保障環境」と「九州沖縄の防衛の重要性の高まり」。空港周辺で配備反対の声を上げた隈本裕之さん(32)=佐賀市=はこうした陸自の主張に「全然説明になっていない。軍事力拡大は許せない」と憤った。