2025年7月8日(火)
分断・排除の参政党
参院選で問題発言次々
参政党の神谷宗幣代表が3日の参院選の公示後も、外国人を敵視する排外主義や女性蔑視の発言を繰り返しています。同党の主張は個人の尊厳を傷つけるだけでなく、社会に分断と排除を持ち込むことで、批判の矛先を自民党政治の害悪からそらす役割があります。
神谷氏は「仕事に就けなかった外国人が万引きとかして大きな犯罪が生まれている」などと主張。「出稼ぎに来ている外国人のいろんな社会保障まで日本が全部丸抱えする」などと、根拠も示さずに排外主義をあおっています。
一方、少子化の原因についても「若い女性を働け、働けといって仕事をやらせて、子どもを産めない環境を意図的につくってきた」などと発言。「保育園無償化とか、保育園たくさん造るとかではなくて、お母さんに現金を渡すのが一番いい」などと述べています。そこには、女性の社会進出を広げ、ジェンダー平等を実現するという発想はありません。
日本の過去の侵略戦争については、「アジアをすべて侵略して自分たちの領土にしようという領土的な野心で起こした戦争ではない」と真っ向否定。「日本のプロゲーマーを集めてドローン部隊をつくって、人を乗せずに戦う」などと、ゲーム感覚で戦争を行うような主張も展開しています。
生活苦や政治への不満をあおりながら、社会に分断と排除を持ち込む参政党の主張には、根拠が不明なものが少なくありません。虚偽と偏見にもとづいて攻撃をすることで、人権や民主主義を根底から覆す異質の危険があります。
参政党・神谷代表の発言(3日以降)
排外主義
仕事に就けなかった外国人が、万引きとかして大きな犯罪が生まれている。日本の治安が悪くなる(3日)
出稼ぎに来ている外国人のいろんな社会保障まで日本が全部丸抱えするのは、明らかに過剰だ(4日)
ジェンダー
子どもを産めるのは若い女性しかいない。高齢の女性は子どもが産めない(3日)
選択的夫婦別姓やLGBTなどイデオロギーが絡んだ共産党や立憲民主党の政策にもノーだ(3日)
世界のジェンダー指数が日本は低いらしい。そんなこと知ったことか(4日)
(子どもを産み育てることは)国家に対するある意味貢献でもある(4日)
専業主婦はダメだという刷り込みをここ20~30年、男女共同参画推進でやってきた。そんなものつぶしてしまえ(4日)
社会保障
(子ども)医療費無償化や教育無償化、大学無償化をなくして、その代わり(子ども1人当たり給付金)毎月10万(4日)
人権
経済合理性や個人の自由だけを求めていたら、社会が持たない(3日)
歴史観
(日本が)アジアをすべて侵略して自分たちの領土にしようという領土的な野心で起こした戦争ではない(3日、日本外国特派員協会)
安全保障
日本のプロゲーマーを集めてドローン部隊をつくって、人を乗せずに戦う(6日、ネット討論)
※場所の明示のない発言のうち、3日は東京都内での、4日は山口市内での演説