本文の先頭へ
LNJ Logo レイバーネット日本
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
Folder labornet
View

会員関連サイト

more...

  • 全新着
  • メイン新着
  • 韓国発新着
 レイバーネットへの情報提供 
〔週刊 本の発見〕ジャック・ヒギンズ『神の最後の土地』  渡部通信(7/9):な ぜ私は毎朝NAS社前に立つのか  小野政美:排外主義の煽動に反対するNGO緊急共同声明の全文紹介  排外主義の煽動に反対し、NGOが緊急共同声明  なかまユニオン:7.24ユン大統領を弾劾した女性パワーに学ぶ集い  参院選大阪選挙区立候補への祝園弾薬庫問題に関する公開質問状回答一覧  【東部労組大久保製壜支部】労働者の命を守れ!重大労災6ヵ年社前集会  参政党の「新日本憲法(構想案)」は、天皇元首・自衛軍保持の国家統治案  山形映画祭ニュース:インターナショナル・コンペティション上映作品決定  7.7盧溝橋事件国会正門前集会を 東京新聞が報じました  ケアワーカーズユニオン山紀会支部:一方的な訪問介護閉鎖に抗議してストライキ  「最高裁判決を受け入れて謝罪し、 一刻も早く違法状態を是正すること」を求めるネット署名  日本の入管問題、仮放免の子どもたちの状況を問う映画「イマジナリーライン」上映会のお知らせ  レイバーネットTV(7/9)案内 : 指宿昭一弁護士の「いま言いたいこと」  アリの一言:「戦後」って何だ?」―日本人に突き付けられた問い  [続→全てのニュース一覧]

〔週刊 本の発見〕危険なアマゾンの熱帯雨林〜ジャック・ヒギンズ『神の最後の土地』
小説である。ジャック・ヒギンズは1929年生まれのイギリス人である。3年前に亡くなった。ヒギンズは戦争を背景とした冒険小説を得意とする小説家で、本作も航空冒険アクションとしての傑作である。また、ペンネームをいくつも持ちその著作数はかなりの数に上る。代表作は『鷲は舞い降りた』『地獄島の要塞』などがある。本作『神の最後の土地』は、第一次世界大戦後から第二次世界大戦前の間の物語である。主人公は若きパイロットのニール・マロニー。学生時代に英国空軍の大学飛行中隊に入り、その後予備空軍の少尉となったが、商業パイロットのライセンスを取り、南米にやってきた。もともと社会に反抗的だったマロニーは、自ら望んで危険なアマゾンの熱帯雨林の上空を飛ぶ事を選んだ。ひょんなことから、第一次世界大戦の撃墜王と称するサム・ハナと出会い彼に雇われることになる。(根岸恵子)続き

「外国人は優遇されている」は全く根拠のないデマ〜NGOが緊急共同声明
参院選で日本社会に外国人などを敵視する排外主義が急速に拡大している状況に危機感を覚えた、外国人などの人権問題に取り組むNGOが7月8日、東京都千代田区内で記者会見を開き、「参議院選挙にあたり排外主義の煽動に反対するNGO緊急共同声明」を発表した。声明は、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」と「人権差別撤廃法」の制定を求める連絡会(外国人人権法連絡会)、外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会、人種差別撤廃NGOネットワーク、全国難民弁護団連絡会議、つくろい東京ファンド、反貧困ネットワーク、フォーラム平和・人権・環境、の8つのNGOが呼びかけ、266団体から賛同があった。会見では、最初に外国人人権法連絡会の師岡康子弁護士が声明の趣旨について説明した。(竪場勝司)続き声明全文

レイバーネットTV(7/9):指宿昭一弁護士の「いま言いたいこと」
●<文系学類の廃止・統合〜筑波大学で起きていること> 指宿弁護士がいま取り組んでいるのが、出身の筑波大学で起きている「文系学類の廃止・統合」問題だ。大学の組織再編・統合化の下で、大学の自治が破壊され、学生の学習権と学生・教員の学問の自由が侵害され、教職員の労働権が破壊されようとしている。これに抵抗する、学生、教職員と市民による取り組みが求められる。レイバーネットTVでは、指宿弁護士と現場の教員・学生を交えて、この問題をじっくり考えたい。●<排外主義の動きをどう見るか> いま参院選では「日本人ファースト」など排外主義の動きが急速に広がっている。入管が「不法滞在ゼロプラン」という排外主義的な方針を打ち出し、自民党が追随して「違法外国人ゼロ」を衆院選公約とし、他の右派政党も排外主義的な方針を打ち出している。そんな状況をどうみたらいいのか、どう対抗していくのか。指宿弁護士がズバリ解説する。(TVプロジェクト)続きアーカイブ録画

ケアワーカーズユニオン山紀会支部:一方的な訪問介護閉鎖に抗議して時限ストを通告
大阪市西成区にある介護施設、やまき介護すてーしょんの労働者は、12年間にわたる労働組合つぶしと闘いながら、地域の高齢者介護をになってきましたが、社会医療法人山紀会は利用者と組合の訴えに耳を貸さず、やまき介護すてーしょんの訪問介護事業の6月末での一方的な廃止を強行しました。地域の医療・介護に対する社会医療法人としての責任を一切顧みない閉鎖強行に組合と支える会は強く抗議しています。その過程で、同じ施設内にあるグループホームで、利用者が受給する生活保護費の横領事件が明らかになりました。組合は大阪市に公益通報するとともに、山紀会には被害にあった利用者さんへの説明・謝罪と、職員への説明を求めましたが、山紀会は組合の要求をすべて拒否しています。こうした事態に対して、ケアワーカーズユニオン山紀会支部は、7月10日に2時間の時限ストライキを行うことを決めました。(久下格)続き

ナチス・ドイツの有機農業と「参政党」の政策は瓜二つ
農業や食の政策がずっと自動車産業を守るために犠牲にされ続けてきた日本で、次の参議院選挙ではその政策を変える候補に投票したいですね。しかも「令和の米騒動」と言われる事態が起きており、離農する農家が続出する状況ですからなおさらです。そんな中「参政党はいいよね」との声も聞こえてきます。確かに有機農業や食料自給率の向上を謳っています。でも、それは本当でしょうか? 実は同じことが歴史では繰り返されました。ナチス・ドイツは「飢餓から子どもたちを守れ」というスローガンで支持を獲得したと京都大学の藤原辰史さんは指摘します。ナチス・ドイツはドイツで生まれたバイオダイナミック農法の指導者を取り込み、有機農業の普及を政策に掲げます。しかし、ナチス・ドイツの本質が実際には障がい者、ユダヤ人、反対勢力を抹殺する人種主義・優生思想にあったことは歴史が語っています。(印鑰 智哉)続き

参院選レポート : 「崖っぷち」社民党に勢いが出てきた〜新宿駅南口で第一声
7月3日、3年ぶりの参議院選挙がスタートした。私はいろいろな選挙でほぼ選対事務局長だったから、内部実務に追われて街頭に出ることはなかったが、今回は社民党の第一声場所、新宿駅南口に行った。これまでの社民党選挙に比べ、メディアの数が多く、3年前に東京選挙区の選対事務局長をした時と比べても雰囲気がいい。もちろんラサール石井さんの出馬効果は大きいが、現職の大椿ゆうこ議員、そしてトラック運転手のかい正康さんの雰囲気がとてもいい。かいさんは、スタッフさながら下仕事もフツーにしている。東京選挙区の西みゆかさんも街頭に馴染んできた。最初に福島みずほ党首と佐高信応援団長が発言、次いで東京選挙区の西みゆかさん、続いて比例候補でラサール石井、かい正康、花岡しげる、大椿ゆうこが発言した。(白石孝)続き動画(14分)

〔週刊 本の発見〕データで次々覆される「通説」と、見えてきた全体像〜『就職氷河期世代』
書店でタイトルを見た瞬間、反射的に手に取り、気づけば購入していた。何よりも氷河期世代の入口世代に当たる私にとって自分たちのことを書いた本だからである。「生きさせろ!」(雨宮処凛、2010年)や「希望は、戦争。」(赤木智弘氏の雑誌寄稿、2007年)のように、この世代の手によりセンセーショナルな刊行物は多く世に出たが、それらの「多くは個別の事例を取材したルポルタージュであり、世代の全体像をとらえたものは意外と少ない」(本書「まえがき」)ことは私もかねてから気になっていた。氷河期世代に関する研究は緒に就いたばかりであり、この世代の実態を明らかにするのに最適なデータなどもとより望むべくもない。そのため本書では労働力調査、賃金基本構造統計調査、就業構造基本調査など、他の目的のために作成された公的統計から得られたデータを、まるでパズルのピースをつなぎ合わせるようにして、断片から全体へ迫っていくという手法が随所で用いられている。(黒鉄好)続き

大阪・関西万博 工事費未払い問題〜GLイベンツ大阪支社に突撃取材
GLevents Japan大阪支社は大阪南港にあるATCという商業施設の5階にある。関西で活躍する記者と、夢洲カジノをとめる大阪府民の会の有志が集まり、GLeventsJapan大阪支社に突撃した。7月1日午後2時。大阪メトロニュートラムのトレードセンター駅前に集合したのは、フリージャーナリスト2人、大阪民主新報の記者、夢洲カジノをとめる大阪府民の会から参加の2人、筆者の計6人。新聞赤旗の記者が密着取材で入っていた。5階のGLevents Japan大阪支社(写真)に着くと、ガラス張りのオフィスは外から従業員の姿が見えた。さまざまな国の人がノートパソコンに向かっていた。従業員は20人ほどだった。オフィスのドアを開け、全員で中に入る。入り口に1番近い席に座っていた日本人の男性は、「アポを取ってますか?」と言った。(かわすみかずみ)続き

新宿駅東南口は自由な解放区〜路上大学に50人
6月28日、18時になってもまだまだ明るい。猛暑の新宿駅は人でごった返していた。友人が「路上大学」なるものを始めたという。ラップ調の音楽を始める若者たちの前をすり抜け、東南口広場に行くと、小さなスクリーンの周りに人が集まっている。「ウクライナ、ガザへの虐殺やめろ」の抗議行動をしているのはすぐにわかった。一人一人がマイクを握り、連日のように報道される虐殺の現実から目をそらさないでと、歩く人たちに声を届ける。パン屋で働く若い女性や、イスラエル大使館の前で毎日スタンディングしているという人も。「警備が強くて、遠くからしか抗議できない。『火炎瓶が投げられるかもしれないから』と警官は言うが、パレスチナでは毎日子どもが爆撃で殺されているんだ」と。その一つ一つの話が<等身大>だった。(堀切さとみ)続き

「もう諦めない、黙っているのはやめる」〜ラサール石井が参院選出馬会見
6月30日午後1時すぎ、参院議員会館101号室は会場いっぱいの報道陣でごった返した。ざっと数えただけで60人以上はいる。大手テレビ局から、ユーチューバーまでカメラやメモ帳を手にした人々が、興奮ぎみに「ラサール石井」の参院選立候補発表会見を待っていた。「社民党がこれほど注目されることはなかったな」と周辺からささやく声が聞こえてきた。午後2時から会見が始まった。福島みずほ党首が挨拶したあと、すぐにラサール石井が語りだした。「少し長くなるかもしれません。でも私の思いを聞いてください」と口火を切った。訥々とした語り口だが、決意にみちた熱い言葉が続いた。「このままではナチズムと同じ社会になってしまう。もう諦めるのはやめた。黙っているのはやめた。発言していくことにした」。(M)続き動画(会見72分)

NPO法人キッズドアが調査結果発表〜子育て困窮家庭の9割「お米が不足」
子どもの貧困の解消などに取り組んでいる認定NPO法人キッズドア(渡辺由美子理事長)は、学校給食がなくなる夏休みを前に「子育て家庭アンケート」を実施し、6月25日、記者会見を開いて調査結果を発表した。物価高の影響が深刻で、昨年より「食費が増えた」と回答した家庭が全体の9割、経済的な理由から、お米が「不足している」と回答した家庭も9割を超えた。キッズドアはコロナ禍の2020年から、困窮子育て家庭を対象に物資や就労などを支援する「ファミリー・サポート事業」に取り組んでいる。今回のアンケートは同事業に登録している家庭を対象に、5月下旬から6月上旬にかけてオンラインで実施し、2033世帯から回答があった。(竪場勝司)続き

米国労働運動 : ニューヨーク市長予備選挙、民主党候補に民主主義的社会主義者が勝利
【解説】6月24日のニューヨーク市長選挙に向けた民主党の予備選挙で、33歳のウガンダ生まれのインド系移民ゾーラン・マムダニ候補が勝利を収めた。イスラム教徒で民主主義的社会主義者でもあるマムダニ候補がニューヨーク市長となる公算が高い。レイバーノーツ誌は6月27日にネットで配信している週間重要ニュースの一つとしてThe Nation誌の下の記事を転載した。一部を省略し、要約して翻訳した。(レイバーネット国際部 山崎精一)・・ニューヨーク市の民主党はゾーラン・マムダニを市長候補に指名した。マムダニ候補のこの勝利は画期的で、歴史的なものだ。ニューヨーク市長候補として初めてイスラム教徒であり、初めての南アジア出身者であり、また、アメリカの主要都市の市長職に就く可能性のある、最初の民主主義的社会主義者だ。続き

非核の世界実現をめざして〜「9条地球憲章の会」創立8周年記念シンポジウム
6月28日(土) 学習院大学で、「9条地球憲章の会」創立8周年記念シンポジウム(第45回公開研究会)が『日本国憲法前文・第9条と核兵器禁止条約をつなぎ、平和の思想・文化・教育の課題を深める』というテーマで行われ、20〜90歳代の研究者や学生や活動家40人+オンライン30人 合計70人が集った。「9条地球憲章の会」は、日本国憲法の前文と第9条の非戦・非武装の理想に加え、非核の理想に加え、非核の世界実現の理想を、内外の広範な市民と共有することをめざして、8年前に結成された。司会は世話人の目良誠二郎さん。 ●堀尾輝久(東京大学名誉教授 9条地球憲章の会代表) 長崎原爆投下の日小倉にいたので田中てるみさんと同い年天候次第では自分が被爆したかもしれない、ノエール・ベーカーは、かつて、日本の広島長崎ではなく人類が被爆したと世界中の人が考えるべきと講演した。(ジョニーH)続き

〔週刊 本の発見〕なぜ、パレスチナ人に対するジェノサイドが止まらないのか?
中東はずっと遠かった。学生時代、『パレスチナのサボテン』(矢代静一作)を観たことがあった。およそ半世紀前のことだ。どんな話だったか覚えていないが、ただ、その頃からパレスチナは、時代を知る上でのひとつのキーテーマではあった。関心がないわけではなかったが、わからないままずっとそのまま来てしまった。ところが、一昨年ガザ10.7が起こり、なぜ、かつてのホロコーストの被害者たちが、今度はパレスチナに対してジェノサイドをする側になるのか、それを知りたいと思った。本書(『イスラエル=アメリカの新植民地主義』)を選んだのは、訳者である早尾貴教さんのいくつかの論考を読み、パレスチナ/イスラエル問題を植民地主義問題として捉える視点が腑に落ちたからだ。本書のタイトルを見て、私が知りたいことはこれだと思った。著者は米国在住のイラン人ハミッド・ダバシ。初めて聞く名だ。(志水博子)続き

「バス運転士の労働改善なしに地域の足は守れない」~参院選を前に弁護士と運転士が共同声明
路線バスの減便や廃止が止まらない。公共交通の崩壊は地方や都市部を問わず、地域住民にとって死活問題だ。6月25日、「運転士不足とバス路線の減便・廃止の中でバス運転士の処遇改善を求める共同アピール」を弁護士と運転士が発表し、厚労記者クラブで会見をひらいた。減便の最大の理由は、2002年の規制緩和以降のバス運転士の待遇の悪化。無理な働かせ方により、人手不足は拡大する一方だ。共同提言の中身は「バス運転士の責任の重さにふさわしい賃金、少なくとも最賃二倍へ」「実働時間8時間 拘束時間10時間」「休日は一週間に2日」「勤務間インターバル(休息時間)は11時間確保を」と一見当たり前のことばかりだが、現場で働く運転士からはそれとはかけ離れた実情が語られた。(堀切さとみ)続き

アリの一言 : 伸長・参政党(神谷代表)の本音は「天皇主権」
22日投開票された東京都議選で、参政党(神谷宗幣代表=写真)が初めて3議席を得ました。しかもいずれも高位当選です(世田谷区=2位、練馬区=3位、大田区=4位)。朝日新聞の世論調査(6月17日付)の政党支持率では、参政党は3%で公明党と同率、共産党(2%)を上回っています。共同通信の世論調査(23日付)でも3・7%で、やはり共産党(3・1%)より上です。昨年10月の衆院選挙でも同党はけっしてあなどれないと書きましたが(24年10月16日のブログ参照)、その危険性はますます強くなっています。今回の都議選での伸長も、SNSのアクセス数の伸びが背景にあり、「SNS選挙」の広がりが同党を後押ししていることは明らかです。同党は都議選で「日本人ファースト」のキャッチフレーズを前面に掲げました。(アリの一言)続き

レイバーネットTV(6/25):道ばたから世直し!〜トラックドライバー、かい正康の挑戦
大軍拡と生活破壊! 7月に迫った参院選は、主権者である私たちの決断と行動が問われるものです。そこでレイバーネットTVは、2回にわたって「社民党系・注目候補」をゲストに一緒に「政治」を考えます。6月11日は大椿ゆうこさんで、大好評でした。今回(6/25)は、かい正康さん(47歳)。かれはトラックドライバーとして22年間ハンドルを握ってきました。そこでは長時間労働・低賃金の不条理を感じてきたといいます。市民運動では「♯みちばた」を主宰し、「水道民営化・PFAS汚染」をはじめ様々な課題に声を上げてきました。いま一番力をいれているのが、「日米合同委員会」の廃止を求める活動です。もうひとりのゲストは、「共同テーブル発起人」のこうけつあつしさん。本年8月には、新著『非武装中立のリアリズム 脱抑止・脱同盟への途』を出版予定です。そんなお二人と一緒に「政治・選挙・世直し」を考えます。(レイバーネットTV)番宣アーカイブ録画(78分)切り抜き「トラック野郎を国会へ」

人権を取り戻したい!〜宝地戸さん「あるくラジオ」でJAL争議の思い
6月14日の「あるくラジオ」は、JALを不当解雇され、その撤回を求めて15年間闘い続けている、JHU(JAL被解雇者労働組合)の宝地戸百合子(ほうちどゆりこ)さんをゲストにお迎えしました。打ち合わせ時刻の午後1時ジャストにあらわれた宝地戸さんは、笑顔がステキな方でした。宝地戸さんは1977年にJALに入社し、2010年に解雇されるまで33年間客室乗務員として勤務しました。入社当時は、キツイ仕事、厳しい先輩に、やめようと思ったこともあったそうです。仕事にも慣れたころ、1982年に24名の犠牲者を出した羽田沖事故、1985年には520名の犠牲者を出した御巣鷹山事故が起こりました。宝地戸さんは、組合の役員として現地にとび、遺体が次々に運び込まれる体育館で乗務員の家族のケアにあたりました。この二つの事故を経験して、宝地戸さんは、自分たち客室乗務員が「保安要員」であることをつくづく自覚したそうです。(佐々木有美)続き放送アーカイブ(60分)

美術館めぐり:どこまでも自由を求めて―ジョアン・ミロの世界(東京都美術館)
「ミロ展」を見るため、東京都美術館に行った時は、上野の山には桜が咲く気配もなかった。ところが、今は熱中症を心配している。会期は3月1日から7月6日までと長く、私は、ジョアン・ミロ(1893-1983)を愛している1人で、展覧会が始まるとすぐに訪れた。 展覧会のチラシに、〈夜空に描かれた希望――「星座」が織りなす詩〉と書かれている。「星座」シリーズは、代表作とされる。23点あり、第2次世界大戦下の生活の中で、持ち運び可能なように制作された長辺50㎝たらずの小品である。今回は「明けの明星」「カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち」「女と鳥」の3点が展示されている。展覧会は、章立てがなされている。第1章は「若きミロ 芸術への決意」。ミロは、父親の意向で一旦は会計の仕事につくものの画家の道をあきらめきれず美術の道に進んだ。(志真斗美恵)続き

米軍のイラン核関連施設への爆撃に抗議する!〜横須賀で緊急行動
イランへのアメリカの爆撃攻撃に抗議して、6月22日午後6時から横須賀米軍基地ゲート前で抗議行動と申入書を手渡す行動が行われました。緊急の呼びかけでしたが、50人ほどが集まり、代表者が当直将校に下記申入書を手渡しました。SNSによればサンディエゴでも抗議行動が行われました。以下は、申し入れ書です。・・・日本時間の6月22日午前9時30分ごろ、米軍がイランの核関連施設3か所に爆撃を加えたとの報道に接しました。6月13日にイスラエルが突然イランを空爆した際も衝撃を受けましたが、今回の米軍の参戦は、絶対にしてはいけないことで、その選択に強い怒りを覚えました。第2次大戦以降、国際紛争を平和的に解決するために国際連合が組織され、他国への武力行使、領土侵攻が禁止されたことは、だれもが認めることです。しかし、「自衛権の行使」を口実に、これまでも他国への攻撃が繰り返されていることも周知のとおりです。(Oidon)続き行動報告(那須研一)

太田昌国のコラム : トランプとオバマは、それほど異物なのか
次には何が起こるのか――いくつもの国家の最高政治指導者が揃いも揃って、真の民意を汲み取る努力をせずに、自己本位な「KING」(王)のようにふるまう狂気の時代にあっては、日日刻刻(というより)時時刻刻に変化を遂げてゆく国際問題について、月一回の連載コラムで触れるのは難しい。そのことを知りつつも、今回のイスラエル軍によるイラン攻撃を見過ごすことはできない。去る6月13日、イスラエル軍は200機以上の戦闘機によって、イラン全土の100以上の標的を攻撃したと発表した。中部ナタンズのウラン濃縮施設、弾道ミサイル拠点などに加え、革命防衛隊のサラミ総司令官などの軍高官と(イランの通信社の発表によれば)アバシ元原子力庁長官を含む6人の核科学者も殺害された。個人を狙い撃ちする場合は、執務室の場合もあろうが、多くは自宅で家族もろとも狙われたと推測されている。(太田昌国)続き

日東電工は韓国オプティカル労働者の雇用を継続せよ!〜当該が来日し株主総会行動
6月19日(木)、日東電工株主総会に参加するため大阪に行きました。12時ちょっと前 に大阪駅に着くと、おおさかユニオンネットの仲間たちが横断幕を拡げ、目の前のグラン フロントビルの33階にある日東電工大阪本社に対する情宣の準備をしていました。韓国の民衆歌謡や「少女時代」が歌う歌を流しながら準備。韓国から来日した日東電工の子会社 韓国オプティカルハイテック労組の仲間たちと再会しました。「私たちは闘士ではありません。ただ普通に仕事がしたいのです」と訴える組合員。一生懸命働いてきたのに、一方的に首を切られた悔しさと、親会社日東電工の横暴に対する怒りを感じました。来日したのは、韓国オプティカルハイテック労組の支会長と組合員ふたり、韓国民主労総慶北支部のぺ・テソンさん、学生活動家のイ・フンさん。(尾澤邦子)続き白血病問題

ガザの子どもを守りたい、切実な思いから〜『平和のための日本民衆外交団』イラン大使と面会
いま、ガザやパレスチナの惨状に心を痛める「地球人」は多いだろう。日本各地のそんな市民が集い何かできないか議論し、試行錯誤のように動き出した。そのひとつの形が『平和のための日本民衆外交団』だ。まずは、今春実験的にさまざまな在日大使館に文書で主旨を伝え、アポイントを取り、上京した瀬尾氏と首都圏の仲間が実験的に大使館を訪問した。その流れで、6月19日、イラン・イスラム共和国のペイマン・サアダト大使との面談が実現。急きょ筆者も仲間に加わり、大使の話に耳を傾け質疑応答や対話に16時から2時間近く貴重な時間を持つことができた。日々報じられるとおりイランは現在戦時下にあり、予断を許さない状況である。大使は開口一番、6月13日以来のイランの戦争被害について250人が命を落とし1000人以上の負傷者が出ていること、イスラエルはイランの核関連施設に攻撃をしかけていることを沈痛な面もちで話された。(知多 歩)続き

〔週刊 本の発見〕私は騙されない?―選挙イヤーに考える〜秦 正樹『陰謀論』
本書は、「誰が、なぜ陰謀論を信じるのか」という問いから始まる。オレオレ詐欺の話でも、なぜあんなものに騙されるのか、被害者は不用意な人たちで、自分は絶対に騙されないと思っている人が大半であろう。しかし、そんな人たちほど危ないとの指摘もある。本題に戻ろう。陰謀論と言えばすぐに思い出されるのが、熱狂的なトランプ支持者らが起こしたアメリカ連邦議会襲撃事件(2021年)である。選挙に不正があったと妄信した人々が、選挙結果を覆そうと起こした事件で、世界を震撼させた。また、今年話題になったのは、ルーマニア大統領選挙のやり直しである。一回目の投票では極右政党の候補が首位となったが、SNS戦略でのロシアの関与が指摘され、憲法裁判所が選挙を無効と判断し、異例のやり直しとなった。(内藤洋子)続き

参院選に向け、長野県で野党候補一本化実現〜「市民連合」の奮闘みのる
参院選が1か月後に迫る中、市民と野党の共闘による野党候補の一本化は大きな困難を伴いながら各選挙区、特に1人区で市民連合を中心に奮闘が続いている。長野県では6月14日野党候補一本化が、実現した。6月14日、午前10時。市民連合主催の「信州市民連合と3野党との『共同のテーブル』」が開催された。ここには3野党(立憲民主党、日本共産党、社会民主党)の県を代表する人たちと信州市民連合が集まり、市民連合から3野党への政策要望書が手渡され、3野党ともこの要望書を尊重するという回答があった。また共産党、社民党から野党候補を立憲民主党の羽田次郎氏にすることへの賛意が述べられ、野党統一候補が実現した。このあと行われた「羽田次郎氏との対話集会」には、参議院選挙長野県選挙区予定候補の羽田次郎さんも参加し、市民連合から政策要望書が羽田さんに手渡された。(湯本雅典)続き動画(9分32秒)6.15県民集会

現地レポート:大阪・関西万博 マルタ館でも未払い発覚〜「万博工事未払い問題被害者の会」会見
6月6日、大阪府庁で、「万博工事未払い問題被害者の会」は2回目の記者会見を開いた。新たに加わったマルタ館、中国館の未払い被害者が実態を暴露。報道関係者10社以上が参加し、その日のうちに報道に載せた。マルタ館の建設工事に関わった内装工事のI社は、約1億2千万円の未払いを抱えた。元請けのG社は世界的なイベントで多くの実績があった。I社の社長Aさんは「こんな大きな会社と仕事ができるなんてすごい」と喜んでいた。マルタ館は2024年12月から着工。1番最後に着工したパビリオンとして報道された。G社は仮設物建築のスペシャリストで、世界中で万博やスポーツ大会の仮設物を作ってきた。12月にはG社、一次下請けのS建設、I社で協議の上で工事が始まったが、協議の場でも平面図2枚しか渡されず、内装もほとんど指示がなかった。(かわすみかずみ)続き中国館の工事問題6/23要望書提出

「人命よりも国策優先」を許さない!〜1100人以上で最高裁包囲行動
6月16日、最高裁に向かった。原発事故被害者が実行委員会を形成する「最高裁包囲行動」には昨年を上回る1100名以上が集まっていた。実行委員会の水戸喜世子共同代表は開会宣言で「人命よりも国策が大事で、原発事故は不可抗力の自然災害によるから誰にも責任がないという。これ憲法違反です。人権を第一に考えていない。この不正な最高裁判決をコピペした判決が無責任に量産されています。法治国家は危機に瀕しているのが実態です」と訴えた。私も避難の協同センターを代表してスピーチさせて頂いた。2017年3月の住宅無償提供打ち切りの際に「誰も路頭に迷わせない」と誓い活動していた。原発事故から14年、誓いと全く違う結果となっている。国際人権法や居住権、原発事故子ども被災者支援法も無視され続けている。生存権否定の現状を絶対に認める訳にいかない。(瀬戸大作)全文

「民主主義を信じるすべての人々に行動を呼びかける」〜400人の国際的知識人が発表
ちょうど100年前、ムッソリーニのファシズムに対して研究者や作家が立ち上がった。現在、極右の新たな波に直面する中、ティモシー・スナイダー、キャロル・ギリガン、ドミニク・シュナッパー、アクセル・ホネットらを含む知識人グループが警鐘を鳴らす。「服従を拒み、事実と証拠を擁護し、批判精神を育まねばならない」と。---「民主主義を信じるすべての人々に行動を呼びかける」。1925年5月1日、ムッソリーニ(1883–1945)がすでに政権を掌握していた時期に、イタリアの知識人たちが公開書簡でファシズム体制を非難した。署名者には科学者、哲学者、作家、芸術家が名を連ね、法の支配、個人の自由、独立した思考、文化、芸術、科学といった自由社会の根本原則を擁護した。彼らは、個人の安全を危険にさらしてまでファシズムという暴力的なイデオロギーに公然と異を唱え、「抵抗は可能であるばかりでなく、必要である」と証明した。全文

「あるくラジオ」案内(6/14):15年目に入ったJAL解雇争議〜宝地戸百合子さんに聞く
あるくラジオ第31回放送が、今週末(6月14日)に迫りました。ゲストは、JAL被解雇者労働組合(JHL)の宝地戸百合子さんです。2010年の大晦日、日本航空(JAL)のパイロットと客室乗務員併せて165名が整理解雇されました。客室乗務員は、これからの貢献度がないという理由で53歳以上の者が、またこれまで貢献度がなかったとして病気欠勤歴のある者が解雇されました。それから15年、整理解雇とは名ばかりの不当解雇の撤回を求める闘いは続いています。宝地戸さんは、1977年に入社、その後出産・子育てをしながら仕事を続けました。在職中には、乗客、乗務員併せて520名が死亡した大事故、御巣鷹山事故もありました。組合の役員をしていた宝地戸さんも現地にかけつけました。「安全なくして利益なし」は、宝地戸さんたち組合員が訴え続けてきたことです。番組案内アーカイブ録画(60分)

日本学術会議「特殊法人化」法案の強行成立に抗議する!〜何度も名古屋から上京
6月11日午後0時21分、参議院本会議で採決が行われ、日本学術会議の実質的解体・政府による管理統制する法案が、自民、公明、維新などの賛成157、立憲・社民、国民民主、共産、れいわなどの反対76で可決、成立しました。参議院議員会館前に集まった市民150名は、国会議事堂に向かって採決強行に抗議するシュプレヒコールを繰り返しました。私は、6月9日10日11日3日間の国会前座り込みを終えて、昨夜名古屋に戻りました。3日間連続の国会前座り込みに参加された皆さん、そして、日本学術会議「特殊法人化」法案に反対する短くも長い闘いに参加された研究者。市民・労働者の皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。私は、「わだつみ会」などとして、弱冠77歳の老体?!に鞭打って、3月以来名古屋と東京を往復しながらの闘い参加でした。(小野政美)続き *写真=筆者(右から二番目)

レイバーネットTV(6/11):政治は私たちの手で変えられる〜ゲスト 大椿ゆうこさん
大軍拡と生活破壊が一挙に押しよせている今の日本。なんとかこの流れを止め、政治を変えたいですね。7月に迫った参院選は、主権者である私たちの決断と行動が問われるでしょう。そこで6月のレイバーネットTVは、2回にわたって「社民党系・注目候補」をゲストに一緒に「政治」を考えます。6月11日のゲストは大椿ゆうこさん。大椿さんは、非正規労働者で雇い止め解雇とたたかってきた人です。2023年4月に繰り上げ当選して以来、「労働者を使い捨てにするな」の声を上げ、質問回数はじつに42回に及んでいます。そんな大活躍の「二年生議員」大椿さんに、国会のオモテとウラの現実を伺いながら、どう「政治」を変えていけるのかを一緒に考えていきます。また東京選挙区予定候補・西みゆかさんはオンラインで出演します。司会は企画を担当した後呂良子さんです。(レイバーネットTVプロジェクト)続き放送アーカイブ(74分)

アイヌの遺骨を盗掘してきた東大の実態を知る〜「悪人銅像めぐり」報告
6月1日日曜日。天気予報は雨でしたが、日頃行いの良いレイバーネットは天候に恵まれ、雨が降ることもなく、東大の悪人銅像を回ることができた。参加者は17人。ガイドには詳しく説明してくださったAさん。東大は明治期以降、人類学の研究と称し、アイヌの遺骨を盗掘してきた。葬式があると埋葬したての墓からも、人体を発掘し、研究対象として扱った。特にその中心だったのが人類学者で解剖学者の小金井良精。東大には約200体のアイヌ遺骨が保管されてきた。当日は日曜日で館内に入れなかったので、小金井の銅像は見られなかったが、そのほか悪人がらみの銅像を巡った。レイバーネットフィールドワーククラブでは、アイヌの人骨がそれぞれのコタンに帰れるよう、問題意識を持ち続け、引き続きこの問題に取り組んでいきたい。(根岸恵子)続きフィールドワーククラブHP

関生大津2次コンプライアンス事件、控訴棄却の不当判決!〜法違反摘発が「犯罪」?
大津2次事件は、昨年2月6日大津地裁1審判決で、コンプライアンスビラを配布した7人が無罪(確定)になる一方、現場活動に従事した2人は、恐喝未遂・威力業務妨害で懲役2年6月と懲役1年6月(共に執行猶予6月)の判決が出ていました。この日の大阪高裁・坪井祐子裁判長は、控訴した2人について一審判決をただただ追認、関西生コン支部の産業政策運動を全否定してこれを「犯罪」と決めつけたのです。許すことができない不当判決です。大阪高裁前の公園には正午を期して関西圏と東海の支援が続々と結集、12:40には裁判所を周回するデモを敢行、その後、公園に戻って前段集会が行われました。大阪全労協の南さんの司会、反弾圧大阪実行委員会・全港湾大阪の小林委員長の挨拶で始まり、京滋実行委員会の服部さん、「東海の会」の石田さん、教育合同の高田さん、(愛知連帯ユニオン)続き弾圧事件ニュース

「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」対政府集会に200人
6月6日、衆議院第1議員会館で、「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク東京行動政府交渉」が行われ、西日本からの参加者に加え首都圏の参加者で200人が集まった。「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」は、急速に進む日本の軍備拡張、特に顕著な西日本を中心にした自衛隊基地建設に対して連帯してたたかいをすすめていくことを目的に今年2月22日結成され、35団体が加盟している(5月6日現在)。今日の上京行動は、同団体の初の取り組みである。政府交渉は、午後1時30分から4時まで、交渉の内容はすでに5月19日に政府あてに提出している8項目の質問に対する政府から出された回答についての再質問を行うという形で行われた。結果は大変おそまつなものであった。例えば、住民説明会の開催の要請に対しては、「自治体に対してていねいに説明を行っていきます」。弾薬庫の壁の厚さについては、「建築基準法に則っています」。(湯本雅典)続き動画(10分)6.7交流集会報告(湯本)動画(7分)参加報告(小泉雅英)6.6全記録(政府交渉、会見)6.7全記録(交流集会)

限界、限界、ガマン限界!〜大椿ゆうこさん応援集会開かれる
6月5日(木)午後6時半からお茶の水の連合会館で、大椿ゆうこさんを応援する集会「 政治は変えられる!大椿ゆうこと一緒に」が開催されました。ガマン限界!椿にまかせろ! 限界、限界、ガマン限界! ラップのリズムに熱気のある集会でした。応援メッセージで竹信三恵子さんは「『職場の仲間と手をつなごう』とか『闘う労働組合』について国会でスパっと言ってしまえるのは、首を切られた経験のある大椿さんだからこそ。労働者を軽視するようなことがないよう、国会に残ってもらわないと困る」と訴えました。安田浩一さんは「大椿さんは、日本の民主主義の命綱だ」「合意形成の過程で取りこぼされる人の声に耳を傾ける。だれかが苦しい声を上げている時、必ず立ち止まる。現場にいつもいる。だれもが生きることができる、大切なことだ」と話しました。(尾澤邦子)続き6.11レイバーネットTV

〔週刊 本の発見〕警鐘を鳴らしつづける〜益川敏英『科学者は戦争で何をしたか』
電子レンジは、家庭電化製品の中でも極めて高い普及率を誇る。1971年には僅か2%だったものの年ごとに上昇し、現在では90%台も後半、ほぼ100%に近い数字に達しており、〝チンする〟との表現も定着している。しかし、この道具に対して大西は昔から偏見を抱いていたため、かなり近年に至るまで電子レンジは家になかった。外部から熱を加えることなく、マイクロ波によって食品自体の水分子を振動させて摩擦熱を発生させるという仕組みが胡散臭かった(笑)ことと、そもそもが軍事目的の研究の副産物だったという話に抵抗を感じたからでもある。「1945年に、アメリカ合衆国のレイセオン社で働いていたレーダー設置担当の技師、パーシー・スペンサーによって発明された」(Wikipedia)「大日本帝国海軍は1944年(昭和19年)頃、海軍技術研究所と島田実験所(現在の島田理化工業の前身)にて、マイクロ波を照射して航空機などを遠隔攻撃するためのZ兵器の研究を行っていた」(同前)(大西赤人)続き

パリの窓から:「自由の船」ーパレスチナ人民のジェノサイドを止めよ
ようやく風向きが少し変わった。欧米でもイスラエルのネタニヤフ政権と軍が行うパレスチナ人民の民族浄化、パレスチナの植民地化、ガザ市民ジェノサイドの実態を認識し、抗議する人が増えた。主要メディアの多くがそれを報道し始め、現地に赴いて体験した実態を語る人道支援の医師や歴史学者、以前はラジオやテレビから発言を求められなかったイスラエル・パレスチナ問題の専門家や識者の声が頻繁に報道されるようになって、政府の言説も変わってきた。フランスでは、イスラエルの絶対的支持だったユダヤ系の有名人(ラビの女性、イラストレーターなど)が5月8日、立場を変えてガザの悲惨な状況に対してもう沈黙できないとガザの封鎖解除を訴える声明を出してから、またカンヌ映画祭で主にアメリカの有名俳優がパレスチナ支援を表明して以降、これまで口をつぐんでいたアーティスト、文化人、政治家たちもガザ市民の惨状を訴え、停戦と人道援助を求めるようになった。(飛幡祐規)続き関連記事

日本学術会議の法人化法案に反対し、任命拒否当事者が座り込み
日本学術会議を法人化して政府の管理を強める法案の国会審議が大詰めを迎える中、2020年に任命拒否された当事者の学者らが6月4日、国会前で座り込みを行ない、法案の様々な問題点を指摘し、廃案を強く訴えた。法人化問題は、20年秋に菅義偉首相(当時)が会員候補として学術会議が推薦した研究者6人の任命を拒否したことに端を発する。会員は学術会議からの推薦通りに任命するという、長年続いてきた人事の慣行を覆す異例の事態で、国内外で批判の声が上がった。国会でも拒否の理由を説明するように、追及があったが、現在にいたるまで、政府は明確な拒否の理由を示していない。任命拒否の発覚直後、自民党内にプロジェクトチームが立ち上がり、焦点は「学術会議の在り方」問題にすり替わる様相を見せた。(竪場勝司)続き

現地レポート:万博工事費未払い問題・被害者の会結成
5月30日(金)、万博のパビリオン建設工事費未払いによって倒産の危機に瀕する業者のAさんが、大阪府庁で記者会見を行った。Aさんとともに名を連ねた業者は3社。急遽行われた会見にも関わらず、記者クラブから20社以上が参加した。Aさんはアンゴラ館の建設を請け負った5次下請け業者で、4次下請け業者からの未払いで、倒産寸前の状態に追い込まれた。Aさんの下にも電気工事の業者や塗装業者が下請け業者として入っており、連鎖倒産の可能性や資金繰りが悪化して自殺する業者も出かねない。アンゴラ館の建設は(株)NOEJAPAN,吉拓株式会社、株式会社大鵬、一六八建設、Aさんという多重下請け構造になっている。実際に工事を行ったのはAさんらで、他の業者は時々見に来て指示を出すだけだったという。Aさんは一六八建設からの未払いで工事を中断し、現在アンゴラ館は開館できない状態になっている。(かわすみかずみ)続き

米国労働運動 : 全米1000の都市でメーデー行動〜反トランプ、反マスクの声上げる
【解説】今年のメーデーは全米1000の都市で集会、デモ、ストライキなど反トランプ、反マスクの行動が取り組まれた。いうまでもなくメーデーはアメリカ発祥の労働者の日であるが、アメリカでは9月のレイバーデーが労働者の日として祝われてきており、5月1日には大きな行事は取り組まれてこなかった。しかし、近年ではメーデーを復活しようという動きが広まっている。2006年には資格外移民労働者のゼネラル・ストライキや支援活動が全国で取り組まれ、それ以降一部の労働組合でもメーデー復活の動きが続いていた。 今年のメーデーはトランプ二期政権による移民労働者、連邦公務員労働者への攻撃に抗議する全国統一行動として呼び掛けられていた。その中でロッキード・マーティン社やカリフォルニア大学などで6万人の労働者がストライキを敢行したことが注目される。(レイバーネット国際部 山崎精一)続き

「不当解雇に悔しさがいっぱい」〜スリーエス非正規労働者がストライキで立ち上がる
5月29日、スリーエスコーポレーション(建設業)で働く人たちがストライキをするというので、私は「東京支社」のある新宿御苑前に向かった。なじみの場所だった。というのは、2年半前の2022年9月にかれらのストライキを取材したからだ。その記事のタイトルは、<声を上げなければ変わらない!〜スリーエス非正規労働者が「正社員化求め」ストライキ> だった。かれらは一人でも入れる労働組合「日本労働評議会」のスリーエス分会として、差別是正に取り組み、非正規労働者の「無期転換」も実現している。メンバーはロスジェネ世代で、若いエネルギーに溢れていた。しかし今回、厳しい攻撃にさらされている。会社は一方的に4月末の宇都宮事業所閉鎖を決め、そこで働く非正規労働者3人に対して解雇通告をしてきた。それに対して組合は、5月29日ストライキで立ち上がった。(松原明)続き動画(11分)弁護士JPニュース

女性が「ホッとできる」空間〜「女性による女性のための相談会@かながわ」
「女性による女性のための相談会@かながわ」は5月25日、神奈川県大和市で4回目の相談会を開催しました。来場者は中高年女性が多く、8050問題で子ども世代が生活苦の上に、自分の親だけでなく義理の親の介護や病気の兄弟などの世話といった家庭内の責任を担わなくてはならず、将来の不安を抱えていました。そのため女性が精神的・経済的に余裕がなく自由も奪われている一方で、身体的・経済的・精神的DVや介護の負担をめぐって夫婦間では意見の不一致を経験し、離婚を検討している女性も多く見られました。賃金格差や雇用差別によって常に不安定な生活を強いられる女性は、賃金労働だけでなく家庭内でも親や子どもや夫、親族のケアを担い、社会生活の中でも本来は安全なはずの家庭内でも、暴力の被害に遭う女性は後を絶ちません。(松元ちえ)続き

暴かれた新聞「押し紙」の深いヤミ〜レイバーネットTV、黒薮さん実態語る
5月28日のレイバーネットTV放送では、新聞「押し紙」の深いヤミが暴かれた。番組のきっかけは、レイバーネットに届いた新聞店主からの一枚の告発ファクスだった。番組のゲストは、この問題の第一人者であるジャーナリスト黒薮哲哉さんで、具体的なデータを駆使して隠された実態を語った。「押し紙」とは、新聞社が販売店に本来必要な部数以上の新聞を無理やり押し付け、販売店が売れ残った新聞の代金を支払い、廃棄せざるを得ない状況のことだ。その数字がすごい。毎日新聞の内部資料(2002年度)によれば「押し紙」は36%に達していて、その不正収入は年間で約259億円になる。日本の新聞全体では、年間932億円の不正収入が発生すると黒薮さんは試算している。これが販売店を苦しめていて、数年前には日経本社のトイレで販売店主が抗議の焼身自殺した事件も起きている。(M)続きアーカイブ録画(77分)

〔週刊 本の発見〕いまも身近に生きる人たち〜夏目漱石『坊っちゃん』
もし聞かれれば好きな小説のいの一番に『坊っちゃん』をあげる。駆け抜けていくような文体、そして落語を思わせる語りが以下のように実に魅力的だ。「冗談も度を過ごせばいたずらだ。焼餅の黒焦のようなもので誰も賞め手はない。田舎者はこの呼吸がわからないからどこまで押して行っても構わないという了見だろう。一時間歩くと見物する町もない様な狭い都に住んで、外に何にも芸がないから、天麩羅事件を日露戦争の様に触れちらかすんだろう。憐れな奴等だ。小供の時から、こんなに教育されるから、いやにひねっこびた、植木鉢の楓見た様な小人が出来るんだ。」 小説が発表されたのは明治39年(1906年)夏目漱石39歳の時である。徳川方が薩長連合に敗れて江戸城を追われ、大政奉還がされてまだ40年経っていない。日清戦争からは10年少し、そして日露戦争は終わったばかりである。(志真秀弘)続き *写真=愛媛県尋常中学校教師の漱石(1896年3月)

レイバーネットTV(5/28)メディア黒書:新聞「押し紙」問題のヤミ
昨年末にレイバーネット宛てに一枚のFAXが届いた。送り主は「読売新聞東京本社管内 読売新聞販売店 店主有志一同」。「34店を代表してやむにやまれずお伝えします」の書き出しで、「読売新聞の予備紙(押し紙)率が40%を超えていて、その負担に耐えきれず倒産、破産とともに一家離散などの悲劇が各所で生まれている。事実を知らせ世論喚起をしてほしい」という内容だった。これを受けて「押し紙」番組が具体化した。ゲストは、フリージャーナリストの黒薮哲哉さん。2023年には『新聞と公権力の暗部』を著し、巨大メディアによる水増しのトリック、政界、世論を支配する権力メディアの恥部を暴露した。黒薮さんによれば、「押し紙」による不正収入は年間で、少なくとも932億円にも達するという。28日放送のレイバーネットTVは「メディア黒書」と題して、新聞界のタブーに挑戦する。(レイバーネットTVプロジェクト)番宣

「今の社会問題をスコップで掘り起こしている作品ばかり」~大盛況だった三多摩レイバー映画祭
5月25日、東京・国立市で第三回「三多摩レイバー映画祭2025」が行われ、労働をテーマにした七作品を上映しました。会場は映像居酒屋キノキュッヘ。40人も入れば一杯の店内に50人を超える参加者が集まり、ものすごい熱気に包まれました。パワハラによる精神疾患や自死者の増加、分断と格差の拡大・・・それらを観る者に突き付けながら、体制側に飲み込まれるのでなく、非人道や差別に抗い、連携して闘う人たちがスクリーンに映し出されていきます。『Amazon配達員~送料無料の裏で』『バスドライバーにあこがれて』『令和の百姓一揆』『ここから~関西生コン事件と私たち』に加え、急遽、『組合づくり~リストラへの回答』(ビデオプレス・1999年)を上映しました。下町の運送会社のドライバーたちが労組を立ち上げ、会社と対等にやりあう姿に、「これが組合というものか」と新鮮に感じた人も多かったのではないでしょうか。(映画祭スタッフ)続き

美術館めぐり:熊谷守一美術館40周年展「めぐるいのち」
熊谷守一(1880-1977)が亡くなるまで住んでいた80坪ほどの敷地に熊谷守一美術館は、ある。母が亡くなり、次女榧が、1985年に建てたこの私立美術館は、2007年、作品も含め寄贈し豊島区立となった。池袋から近く、地下鉄有楽町線要町駅から、そして隣りの千川駅からも徒歩9分の住宅街にある。空襲にはあわなかったが、まわりは焼け野原になり池袋まで見渡せたという。熊谷守一は、明治維新から十数年後、岐阜県付知町で裕福な実業家の家に生まれた。父は後に初代岐阜市長になった。守一が東京美術学校西洋画専科在学中に父は死去。莫大な借金を残し、実家は破産。守一は苦労して卒業し、樺太漁業調査隊に記録係として雇用され風物や地形を描く。母の死を契機に一時岐阜で暮らすが、1915年35歳の時上京、唯一の在野団体であった二科展の会員になり油絵の小品を出品する。(志真斗美恵)続き

第3次世界大戦を起こすのは誰だ?〜フランス発・グローバルニュース
この春、欧州は新たな戦争に向けて大きく舵を切った。欧州委員会(EU)のフォン・デアライエン委員長は欧州の防衛力強化のため総額8000ユーロ(約130兆円)を動員する「欧州再軍備計画」を打ち上げ、フランスのマクロン大統領は、自国の核抑止力をEU全体の防衛戦略に統合することを提案。さらに英国のスターマー首相とマクロン大統領はウクライナへの派兵をEU各国に呼びかけている(現実にはイタリアやスペインなど反対する国があることから「欧州軍」から「有志連合」へとトーンダウンしている)。背景には、米国のトランプ大統領の再登板によって、米国が欧州の安全保障から手を引くかもしれないという、フォン・デアライエン氏、スターマー氏、マクロン氏に共通した危機意識がある。これまで米国頼みだった欧州が米国抜きの独自防衛を構想しなくてはならなくなった。(土田修)続き

ガザでの虐殺に使用した武器(模型)まで展示~武器見本市に猛抗議!
5月21日に始まった幕張メッセでの武器見本市「DSEI Japan」において、4月にガザで避難民テントへの爆撃に使われ、1週間に子ども14人を含む30人を虐殺した自爆型ドローン「SkyStriker」の模型が、エルビット・システムズのブースに公然と展示されていることが判明しました。21日には「イスラエルの出展は問題ない」と答弁した中谷防衛相が視察し、22日には石破首相までもが講演と視察に訪れました。日本はイスラエルの側に立つと宣言したに等しく、「死の商人国家」への堕落そのものではないでしょうか。21日の大抗議アピールには千葉県内外から約350人が集まり、ダイ・インや「人間の鎖」、連帯発言やパレスチナ、韓国、イギリスからの連帯メッセージの紹介などで抗議の意志を表しました。(杉原浩司)続き写真紹介

現地レポート:大阪・関西万博の現場で起きていること〜パビリオン建設業者を見殺し
5月11日、E社(大阪府外の建設業者)を紹介された。E社は大阪・関西万博でアフリカの某国のパビリオンの建築を請け負った5次下請けの業者だった。当該国からA社、B社、C社、D社へ発注され、E社が実際の工事を行った。E社の下にも4つの会社が下請けとして参加している。建築業界の典型的な下請構造である。E社の社長であるKさんは、D社からの支払いが滞り、会社が持たないかもしれないと訴える。D社とは2025年2月からの約束で、400人の工事労働者を派遣。工事に必要な機械なども持ち込んだ。2月分の材料費と人件費は支払われたものの、3、4月分の4300万円は未払いとなっている。Kさんは持ち込んだ機材のリース代や従業員への給与支払いができず、このままでは倒産しかないと不安を大きくしている。(かわすみかずみ)続きレポート2(5/26)

〔週刊 本の発見〕子供を餓死させる大人に救いはない〜『戦争童話集』
1970年の「万博」という「賑やかし」と「高度成長まっ盛り」の日本において、野坂昭如は一人、違和感を覚えていた。「舗装道路のヒビ割れに育つ草を眼にして、これは『食える』、頑丈な庇の下にいると、『ここなら焼夷弾の直撃はない』」と想像し、「時代にぴったり身を合わせ、その風潮の中で気ままに生きながら、気持ちの底には、こんなのが続くはずない」と「戦争をひきずって」(本書の「改版のためのあとがき」より)生きていた。そんな彼が「十代前半だった自分の眼」にうつった戦争を、全て「昭和二十年、八月十五日」で始まる童話として形にしたのが本書である。現在、残念ながら私たちは平和を維持することが出来ず、というよりも高度成長の結果として、彼の予感を現実にするような事態に立ち到っている。(大場ひろみ)続き

「三多摩レイバー映画祭」5月25日に開催〜「ここから 『関西生コン事件』と私たち」上映
今回三回目となった「三多摩レイバー映画祭」を、東京・国立の5月25日「キノ・キュッヘ」にて開催します。映画鑑賞だけでなく、参加者同士の交流も楽しめます。ぜひご来場ください。予約限定40人です。残席僅少になりましたので、お早めにご予約ください。プログラムは、「Amazon配達員~送料無料の裏で」「バスドライバーにあこがれて」 「大根の千切りを教える」「女たちのメーデー前夜祭PRコント集」「マリアとサリーその後」「令和の百姓一揆」「ここからー『関西生コン事件』と私たち」です。「ここから」(土屋トカチ監督)は、2018年から始まった空前の労働組合弾圧事件の真相に迫ります。関西地区生コン支部の組合員、松尾聖子さんの姿を通して「関西生コン事件」とは何か? そして労働組合とは何かを今改めて問う作品です。(映画祭事務局)続き予約メール

アリの一言 : 減税財源に軍事費削減を主張する政党がない翼賛体制
朝日新聞の世論調査で、「政党や政治家が消費減税を訴える際、代わりの財源を示すべきか尋ねたところ、「示すべきだ」が72%で「示す必要はない」の21%を大きく上回った」(18日付朝日新聞デジタル)といいます。当然でしょう。問題は、その「減税財源」として「軍事費(防衛費)削減」を主張している政党が1つもないことです。日米軍事同盟・軍拡を積極的に擁護する自民・公明、立憲民主、維新、国民民主の各党が軍事費削減を口にしないのはいわば当然の帰結ですが、不可解(問題)なのは、日本共産党です。共産党は来年度予算が成立した翌日のしんぶん赤旗の「主張」(社説)で、「軍事費は前年度比9・4%増の8・7兆円と突出」と批判し、「暮らし優先の予算にするためには、「日米軍事同盟絶対」「財界・大企業中心」の二つのゆがみにメスを入れることが必要です」と主張していました。(アリの一言)続き

歴史の事実を検証していこう!〜5.17追悼集会、アクション80結成総会
昨年1月29日、群馬県高崎市の群馬の森にあった朝鮮人追悼碑が、群馬県によって破壊・撤去されました。1943年~45年、朝鮮半島から多くの人々が強制的に日本に連れてこられ、群馬の地でも働かされました。戦地に送られた日本の若者の代わりに働く人が必要だったのです。兵器をつくるための群馬鉄山の発掘、輸送するための鉄道建設など、突貫工事で多くの犠牲者を出しながら工事が行われました。吾妻線の建設工事にも多くの朝鮮人労働者が関わりました。岩山を走る線路の敷設工事は、とても大変だったと思いますし、犠牲者も多かったと思います。その犠牲者を追悼する碑を、県が壊してしまった。許されないことです。碑は壊されても、追悼集会は継続したいと、新たな組織が準備されてきました。(尾澤邦子)続き

レイバーネットTVで「大軍拡」特集〜長距離ミサイル配備の危険性
平和主義の日本はどこに行ったのか? 5月14日のレイバーネットTV「大軍拡特集」では、のっけから事態の深刻さに圧倒された。番組タイトルは「なんで軍事費2倍なの?ー 臨戦態勢に向かう日本を問う」。ゲストの杉原浩司さんはこう話しはじめた。「2022年12月の安保三文書による大軍拡方針から三年目になるが、軍事費増強だけでなく、ミサイル配備が現実化している。敵基地攻撃をもった長距離ミサイルが、来年3月までに大分・熊本に先行配備される。この長距離ミサイルは、中国の一部・朝鮮半島を丸ごとカバーするもので、逆にいえば配備地はすべて標的になる。2月には“戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク”が結成され、反対運動が動き始めたが、今年の最大のテーマはこの長距離ミサイル配備を許さないことだ」(M)続き放送アーカイブ(68分)感想(堀切)

〔週刊 本の発見〕酪農家・野崎兄弟の「生きるための闘争」〜『憲法を武器として』
1962年12月、北海道千歳郡恵庭(えにわ)町(現恵庭市)の陸上自衛隊島松演習場で155ミリカノン砲を使った実弾射撃訓練が実施されるさなか、近くの牧場で酪農を営む野崎健美・美晴(たてよし・よしはる)兄弟(当時ともに20代半ば)は、発射点と着弾地を結ぶ通信線をペンチで切断した。「私はどうして被告という名でここに立たされなければならないのでしょう。自衛隊は演習で私たちの生活がどんなに困ろうと、私や父が難聴になろうと、母が病気になろうと、牛が死のうと、酪農経営が困難になろうと、近くで大砲を打たないと約束しようと、私たちの抗議を受けようと、すぐそばでどんどん大砲を撃ち続けたではありませんか。私は通信線を切りました。あたりまえじゃありませんか…」(那須研一)続き

「能動的サイバー防御」参議院委員会採決に抗議〜ネット常時監視を許さない!
「能動的サイバー防御」法案が、5月15日夕方、参議院内閣委員会で採決され、16日の本会議で成立する状況になった。この法律は「防御」でなく、他国に対するサイバーによる先制攻撃であり、インターネットを常時監視する危険なものである。この間「共謀罪NO!実行委員会」「許すな!憲法改悪・市民連絡会」など17団体が粘りつよく反対してきた。この日も参議院議員会館前に約70人が集まり「採決反対!廃案!」の声を上げた。国会内の内閣委員会採決では、共産党とれいわ新選組が反対した。当初から「能動的サイバー防御」に警鐘を鳴らしてきたネット活動家の「としまる(小倉利丸)」さんは、「監視社会が定着している中で、この問題が現実の戦争とつながっていることを十分説明できず、運動の広がりを作れなかったことが残念だ。サイバーの問題ということで取っつきにくい面もあった」と悔しさをにじませた。(M)続き動画(9分40秒)JCA-NET声明

レイバーネットTV(5/14) : なんで軍事費2倍なの?-臨戦態勢に向かう日本を問う
レイバーネットTV第215号は、5月14日(水)に生放送します。ゲストは杉原浩司さんです。「日本は平和憲法があるから大丈夫」「専守防衛だから戦争にはならない」とまだ思っていませんか? 残念ながらそういう時代は終わりました。2022年12月の「安保三文書」 の閣議決定から、次から次へと「戦争する国」づくりが進んできました。軍事予算は約2倍、国産に加え爆買いしたトマホークという「敵基地攻撃ミサイル」の保有、司令部の地下化や弾薬庫の増強、殺傷武器の輸出など留まるところを知りません。「専守防衛」を捨て「隣国を攻撃できる国」に変わりつつあるのです。なにより怖いのは、こうした動きへの反対の声がとても小さいことです。ロシアのウクライナ侵攻や「台湾有事」の扇動により、社会の雰囲気がガラッと変わりました。(レイバーネットTVプロジェクト)番宣

「命の危険を感じ、運転しながら涙があふれた」~国際興業バス・槙野さんが意見陳述
5月12日、パワハラによって精神障害を発症した国際興業バスの運転士・槙野圭さんの第三回期日が、東京地裁で行われた。回を重ねるごとに傍聴者は増え、530号法廷は槙野さんが所属する西武バスユニオンだけでなく、他のバス会社の運転士や他業種の労働者で埋まった。バス運転士にあこがれて入社した槙野さんに、国際興業は暴力的な指導や嫌がらせを繰り返し、精神的に追い詰めた果てに解雇通告を送りつけてきた。苦しさ、悔しさに呻きながら、昨年8月に提訴した裁判。三回目のこの日、はじめて原告・槙野さんの意見陳述が行われた。2015年に国際興業に正社員として採用されたが、研修が始まると大声で怒鳴られたり、頭を叩かれたり、まるで昭和を思い出させる異様な雰囲気に驚いたこと。指導運転士は乗客が乗っている車内で怒鳴りつけ、客が降りた後に胸ぐらを掴んだりしたが、独り立ちするまでの辛抱だと言い聞かせて耐えてきた。(堀切さとみ)続き

太田昌国のコラム : 日韓条約反対闘争60周年の年に
今年に入って2回ほど、60年前の1965年、私が学生時代に関わった活動に関して、苦い記憶を人前で話さなければならない機会があった。日韓条約締結反対闘争を回顧して、である。日本帝国の敗戦から6年後の1951年9月、第二次世界大戦の戦勝国側である連合国側と、敗戦国である日本との講和条約が調印された。翌年52年4月、この条約は発効した。連合国と日本の戦争状態は終結した。だが、日本の植民地支配から解放された朝鮮半島は、その3年後に南北に分断され、50年6月には朝鮮戦争が勃発していた。その戦火が止まぬさなかでの対日講和条約の発効であった。連合国の主軸たる米国は戦勝国の有利な立場を十分に活用し、講話条約と同時に日本との間に安全保障条約を締結した。(太田昌国)続き *写真=日韓条約調印式(1965年)

「不当判決に負けず光になる!」〜原発事故・避難住宅追い出し訴訟
5月8日、「避難住宅追い出し訴訟」控訴審の判決が、東京高裁101号法廷であった。「主文。控訴を棄却する。訴訟費用は被告が負担する。」一瞬のできごとだった。そそくさと退室する裁判長の背中に向かって、傍聴人が叩きつける声。「何なの!ふざけるな」「司法は死んだね!」「恥ずかしいと思わないの?」「裁判長を訴えなくちゃね!」その後、鴨下祐也さんへの拍手が惜しみなく送られた。訴えられていたのは、福島原発事故で東京都の国家公務員宿舎に避難した鴨下祐也さん。避難住宅を貸した東京都は、一度たりとも国から賃料を請求されたことはない。つまり損害など被っていない。それなのに、避難者である鴨下さんに損害賠償請求するという不可解な訴訟だった。控訴審では昨年一月のいわき市の自宅の放射線量(4万ベクレル/㎡)を証拠として提出したばかりだった。いぜん放射線管理区域レベルの汚染状態だ。(堀切さとみ)続き

「手に負えない東海第2原発 それでも動かしますか?」〜樋口英明元裁判長の講演会
5月10日(土)グループ「ひろば葛飾から」の主催で、樋口英明元裁判長の講演会が葛 飾区亀有で開催され参加しました。「手に負えない東海第2原発 それでも動かしますか ?」と題した講演は、原発の運転は許されないことが、とてもよくわかりました。樋口英明さんは、2014年5月に大飯原発3,4号機の運転差し止め判決、2015年4月に高浜原発3,4号機の運転差し止め仮処分決定を出した元裁判長です。どんなお話が聞けるのか 楽しみでした。「原発の本質はただ二つです」「人が管理し続けないといけない」ということと「人が管理できなくなったときの事故の被害は想像を絶するほど大きい」と何度も強調しました。トラブルがあったとき、火力発電は止めれば安全になる。しかし原発は止めただけでは 安全ではない。(尾澤邦子)続き

〔週刊 本の発見〕出会うべき人にたどり着く〜『ボリビア・ウカマウ映画伴走50年』
今、東京・新宿のK’s cinema(ケイズシネマ)で、ウカマウ集団60年の全軌跡という特集上映が行われている。ウカマウ集団というのは、ボリビアで人口の過半数以上を占める先住民の社会的な背景や文化的な重要性を映画によって訴えようとして集まった映画製作者のグループで、1962年に短編『革命』を、66年には長編『ウカマウ』を製作し、以後先住民や鉱山労働者など社会的弱者を主体に映画を撮り続けている。『ウカマウ』はカンヌ国際映画祭で受賞し、内容的にも興行的な成功を収め、彼らは「ウカマウ」と呼ばれ、自ら「ウカマウ集団」を名乗ることになる。ウカマウとはアイマラ語で「そんなふうなことだ」という意味だそうだ。監督はホルヘ・サンヒネスという白人で、スタッフは白人とメスティーソ(先住民と白人の混血)で構成されている。(根岸恵子)続き

日本学術会議の法人化法案に反対、国会前で人間の鎖〜学者や市民でつくる団体
国会で審議中の日本学術会議を特殊法人化する法案に反対する市民グループが5月7日、国会前で集会を開き、約400人の参加者が「人間の鎖」をつくるなどの行動を展開。政府による管理を強め、学術会議の独立性、自主性を脅かす法案の廃案を求めた。日本学術会議は科学者が戦争に動員された反省に立って、1949年に発足した学者組織で、政府に対する「科学的助言」などの役割を担ってきた。法人化問題は、2020年秋に当時の菅義偉首相が、学術会議が推薦した会員候補6人の研究者の任命を拒否したことに端を発する。これは、任命権者の首相は学術会議の推薦した通りに任命するという長年続いて来た実務を覆す、前代未聞の事態だった。(竪場勝司)続き5.13ヒューマンチェーン

泊原発を再稼働させるな!核ごみを北海道に持ち込ませるな!〜北海道大行進に200人
「泊原発を再稼働させるな!核ごみを北海道に持ち込ませるな!北海道大行進」が5月5日、札幌市内で開催され、約200人が参加。五月晴れの青空の下、元気にデモ行進した。この大行進は、道内約70の市民団体でつくる「泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会」(札幌)が主催し、毎年、こどもの日に合わせて5月5日に行われている。福島第1原発事故翌年の2012年5月5日、最後まで稼働を続けていた泊原発3号機が「定期点検」を理由に停止し、画期的な原発ゼロが実現した。将来を担う子どもたちに「原発のない日本」という最高のプレゼントができた13年前、上京していた私は、会津に伝わる庶民の踊り「かんしょ踊り」を参加者一同で踊り、経産省を包囲した。あのときの感動は今なお忘れない。(黒鉄好)続き

パレスチナ連帯フラッグデモ!〜休日の銀座にパレスチナ旗が林立
5月大型連休のさなかの4日(日)、黒羊ルナさんの呼びかけによるホコ天フラッグデモ。持っていくチラシとプラカードを作っていたら集合時間に遅刻。デモ隊の姿なし。新橋の駅員さんに「歩行者天国はどっちですか?」と訊き、追いかける。200メートル程前方に天を突くパレスチナ旗が林立。小走りで追いつく。30分遅れで50人程のデモ隊に参加。沿道を歩く数万の群衆の9割はインバウンドの人たちか。基本サイレントで進む私たちだけれど、私の掲げるボードは日本語=「パレスチナの子どもたちを殺すな」「日本政府は虐殺支援をやめろ」「年金積立金をイスラエルの軍需企業に投資するな」なので、注目してくれる異国の人たちのために、英語でもアピール。観光客の皆さんにとって、ニホンに来て初めて出会うデモ隊なのだろう。(那須研一)続き

パリの窓から : 極右化、イスラモフォビアと闘うとき
アメリカではトランプ政権が乱暴なアメリカ帝国主義と白人優位の差別主義、大学や反対者に対するマッカーシズム(赤狩り)以来の激しい弾圧を始めた。ヨーロッパの各地でも極右化が進んでいるが、フランスではマクロン陣営と保守の連立内閣で、とりわけルタイヨー内務大臣とダルマナン法務大臣が極右の主張を取り入れた政策を打ち出す中、南仏のモスクでマリ人のイスラム教徒が殺害された。モスクの火災やイスラム系フランス人に対する暴力(言葉に限らず身体的にも)が増えていたが、ついに殺人まで起きたのだ。4月25日金曜の朝、南仏ガール県の町グラン・コムブのモスクで22歳のマリ人、アブバカール・シセが57回もナイフで切りつけられ殺された。犯人はその様子を自分の携帯で撮影し、逃亡した。28日の夜遅く、彼(21歳のフランス人)はイタリアで警察署に自ら出頭して逮捕され、まもなくフランスに送還される。(飛幡祐規)続き

戦争を止める力がここにある!〜5.3憲法大集会に3万8千人
「2025憲法大集会」が、東京・有明防災公園で開催された。前日の悪天候がうそのように晴れわたった5月3日の東京。人びとの表情も明るい。最寄りの駅から会場の「防災公園」までは5分程度だが、人びとの流れは途切れることなく波のようだった。「九条の会」のノボリを手にした高齢者の姿が目立つ。憲法80年の歴史をささえ、ともに歩んできた人たちだ。巨大な公園には、出店・出展スペースがあり、4つのテーマのミニステージもあった。午後1時からメインステージで集会が始まった。スピーチしたのは、植野妙実子、田中煕巳、古賀茂明の各氏。そして国会議員は、辻元清美、田村智子、くしぶち万里、大椿ゆうこ、伊波洋一で、野党の中心メンバーが顔をそろえた。集会冒頭に、実行委員会を代表して菱山南帆子さんが登壇した。5分強の短い挨拶だったが、エキスが凝縮された内容で、力強いものだった。(M)続き動画(11分)全記録(川島ch)湯本レポート

〔週刊 本の発見〕34年前に書かれた農村の「予言書」〜『いま、米について。』
3月30日、都内はじめ全国各地で「令和の百姓一揆」があった。実行責任者である山形の農家・菅野芳秀さんはみずからステージに立ち、あいさつした。「山下惣一さんが言ったように、(農家は)農業をやめて、別の職業に就けばいい。困るのは消費者、国民の方です。」 菅野さんにとって、本書の著者・山下惣一さんは、やや大げさに言えば「師」と呼ぶべき存在だろう。山下さんは本書の中で、農業で食べていくことの難しさを考えれば、農家をやめるのなんて簡単にできると述べている。食べていけない、休みも取れない、後継者がいない、未来もない。多くの農家がそれでも農村に踏みとどまる理由を、山下さんは、海外から視察に訪れた学生を前に「墓」と「血縁」だと答えた。先祖代々、受け継いできた農地を自分の代で潰してはならないという意地だけが農家を支えている。(黒鉄好)続き

第96回 日比谷メーデーに3000人〜韓国民主労総からメッセージ届く
5月の強い日差しの中、日比谷公園野外音楽堂で第96回日比谷メーデーが開催されました。「働く者の団結で生活と権利、平和と民主主義を守ろう」と約3,000人が集まりました。主催者あいさつで、中小民間労組懇談会代表の中島由美子さんは「平和と民主主義を守るため、世界の労働者と共に闘っていこう」と話しました。連帯あいさつでは、統一メーデーに向けて努力しようというお話の中で、北海道で23歳の看護師さんが厳しい労働環境により過労自死したという実態が話されました。来賓あいさつで大椿ゆうこ参議院議員は、「有期雇用という働き方はおかしい」と非正規職で首を切られ、労組で闘った経験を話し、「今の働き方を変えていきたい」と訴えました。一緒に登壇した山城博治さんは「戦争を止めるため沖縄もがんばる。団結しよう」と訴えました。(尾澤邦子)報告動画(7分半)反戦メーデー

米国労働運動:航空管制官労組(PATCO)ストの教訓とトランプの連邦労組破壊攻撃
ドナルド・トランプが3月27日に出した大統領令は、70万人以上の連邦労働者の団体交渉権を剥奪するもので、米国史上最大の組合つぶし行為である。最も近い歴史的類似は、ロナルド・レーガン大統領による航空管制官労組PATCO潰しと組合認証取り消しである。12,000人の航空管制官が1981年8月3日に違法なストライキを開始し、レーガンの最後通告に反抗してストライキを継続し、連邦政府は総力を挙げて労働組合を破壊した。PATCOの指導者の多くが逮捕され、組合は破産して認証を取り消され、ストライキ参加者は永久に解雇され、連邦航空局への復帰が生涯禁止された。この公然たる敗北は、労働組合運動に壊滅的な打撃を与えた。1980年代当時は自動車工場ではすでに譲歩交渉が始まっており、スト破り産業が爆発的に成長していた。(レイバーネット国際部翻訳)続き

三多摩レイバー映画祭2025:5月25日(日)キノ・キュッヘで開催、予約受付開始!
今回三回目となった「三多摩レイバー映画祭」は、メーデーに合わせて、5月25日に開催します。場所はいつもの東京・国立の「キノ・キュッヘ」。映画鑑賞だけでなく、制作者・参加者を交えた大交流会があり、毎年好評でした。今回の上映作品は以下の7作品です。●「Amazon配達員~送料無料の裏で」(土屋トカチ)●「バスドライバーにあこがれて」(堀切さとみ)●「大根の千切りを教える」(佐々木健)●「女たちのメーデー前夜祭PRコント集」●「マリアとサリーその後」(鈴木敏明)●「令和の百姓一揆」(堀切さとみ)●「ここからー『関西生コン事件』と私たち」(土屋トカチ)。新作も多数ありますが、何といっても目玉作品は「ここから」です。関西生コン事件とは何だったのか? これを観ればわかります。空前の規模の労働組合弾圧をはね返して、歩み続ける生コン労働者の姿は感動的です。40人限定開催ですので、お早めにご予約ください。詳細映画祭サイトメール予約(佐々木)

美術館めぐり:作品の変容が告げるもの〜「生誕100年 中村正義―その熱と渦―」展
中村正義(1924~77)の生誕100年展が、彼の生まれ育った地である豊橋市美術館に続いて、いま平塚市美術館で開かれている。〈異端・鬼才・風雲児〉と言われた日本画家の中村正義は、日本画壇の閉鎖性と闘いつづけ、52歳で病没した。日本画とは思えないような原色、そしてデフォルメされた舞妓像や自画像は知っていた。この展覧会を訪れ、彼が生涯に制作したさらに多様な作品にふれることができた。その後、何冊か本を読み、DVD『父をめぐる旅』を見て、彼の全貌を知り、日展と闘い続け、病に倒れた彼の生涯を知ることができた。中村は、同郷で生涯の友となった星野眞吾に続き京都市立絵画専門学校に進もうとするが、受験資格がなく断念。以後学校での教育は受けなかった。1946年、22歳の時、中村岳陵の画塾〈蒼野社〉に入門し、その年の内に「斜陽」で第2回日展に初入選する。(志真斗美恵)続き

川柳句会報告 : 「あっそうと加害の歴史スルーする」「聖戦を呪うアジアの二千万」
レイバーネット川柳班4月句会が、4月26日(土)に開かれました。計14人が参加しました。今回の兼題は、ふつうの句会ではやりそうもない兼題「天皇」でしたが、句会では19人50句が集まりました。天皇制に反対する句が多く、歴史的戦争責任を問うものが目立ちました。いっぽう不自由を強いられる天皇家への「同情」の句もありました。圧倒的支持を得たのは「あっそうと加害の歴史スルーする」(為子)で6点句でした。昭和天皇は、様々な質問に対して、首を傾けながら「あ、そう」と答えることが多かったと言われています。戦争責任を記者から問われたときには「戦争責任というような言葉のあやについては、私は文学方面についてはきちんと研究していないので、答えかねます」と逃げました。合評では「昭和天皇の傲慢さにあきれた」「スルーするのがうまい」「アジアの加害の歴史を忘れてはならない」などの声がありました。(一志)続き川柳班サイト

レイバーネットTV報告:「大西学園争議」とボリビア「ウカマウ集団」映画を伝える
4月23日のレイバーネットTVのスタジオはとてもカラフルだった。背景には「ウカマウ集団60年の全軌跡」の大きなポスターが貼られ、サブ企画の「大西学園用務員事件」では、イラスト付きの大プラカードが登場した。賑やかな雰囲気のなかで進行したこの日の放送。最初に出演したのは、大西学園でたたかっている用務員のM.Oさんだ。M.Oさんの給料は、時給換算で948円だが東京の最低賃金1163円を大きく下回っていた。そこでM.Oさんら2人は、その差額を払ってほしいとプレカリアートユニオンに加入して学園に支払いを要求した。ところが学園側は逆にぶち切れて、さまざまな嫌がらせが始まった。挙げ句の果てに、M.Oさんら2人は用務員室からの退去を求められ、停職処分にされてしまった。番組ではその経緯と実態を、写真や動画を使って生々しく伝えた。(M)続きアーカイブ録画(84分)プレカリ通信ウカマウを観てプレカリ組合員の手記

大成功した「4.25JAL争議支援大集会・勝利へのトランジットコンサート」
4月25日18時半に「4.25JAL争議支援大集会/勝利へのトランジットコンサート」の開幕ベルが鳴り、歌とナレーションによる創作劇が始まりました。130人が参加してくださった合唱は圧巻でした。解雇予告がされた時から今日まで、14年と4ヶ月のできごとがテンポ良く再現されました。弁護団から闘いの現状が紹介され、国会議員4人(川田龍平さん、西川将人さん、たつみコータローさん、大椿ゆうこさん)からの激励がありました。現役CA、パイロット(代読)からの訴え、争議団紹介と挨拶、山口JHU委員長が決意表明、鈴木客乗争議団長が閉会挨拶を行いました。フィナーレでは北とぴあさくらホールの客席を埋め尽くした参加者のみなさんと、63本の幟と共に壇上に立った闘う仲間が一つになりました。(JAL不当解雇撤回争議団)続き全動画(2時間)

〔週刊 本の発見〕お国の戦争準備に地域から抗う〜『ルポ 軍事優先社会』
海が美しいことで知られている沖縄の宮古島、80年前の沖縄戦では宮古島には約3万人の日本軍が駐屯し、地上戦こそなかったものの空襲や艦砲射撃の被害を島民も受けたという。それだけに平和を希求する思いは強い。その宮古島にいま陸上自衛隊宮古島駐屯地が置かれミサイル基地となっている。そこに暮らす下地茜さんのことば。「宮古島は山がなく平らで風が強く、地球を巡る大気がそのまま家の庭に届く感じなんです。子どもの頃から住んでいて、自分の感性を育んでくれた島を、どこか自分そのものと感じたりもします。そういう思いの人がいっぱいいると思うんです。それぞれ表現が違っても。父母も、集落の人も同じように感じていると思う。だから、国がここを基地として使うから出て行ってくださいと言われても出ていけない。島にみんなが暮らし続け、次の世代へ、また次の世代へ引き継いでゆけるよう、島々を戦場にさせないと、訴えて行きたい」(志水博子)続き

レイバーネットTV(4/23):生きていく逞しさ! ボリビアの映画集団「ウカマウ」の衝撃
4月26日から東京・新宿で「ウカマウ集団60年の軌跡 ボリビア独立200周年 日本との協働50周年記念」の特集上映があります。その後、全国展開の予定です。日本に「ウカマウ集団」を紹介したのは、太田昌国さんです。レイバーネットTVでは、劇場公開を前に太田さんをゲストに「ウカマウ集団」の特集を組むことになりました。太田さんは1975年にエクアドルで行われた『コンドルの血』の上映会をきっかけに、監督ホルへ・サンヒネスとプロデューサーのベアトリス・パラシオスと出会い、以来日本での自主上映、共同製作などを通して彼等と密接に協働してきました。今回のTVでは動画を含めて、製作秘話や上映会の意義とボリビアの現状など、太田さんならではの話を聞きたいと思います。(レイバーネットTVプロジェクト)番宣

やまき介護すてーしょん訪問介護閉鎖反対闘争〜4.16「おおさか総行動」が申入れ
大阪市西成区で20年前から介護事業を運営してきた、やまき介護すてーしょんでは、2013年に組合が結成されて以来、労働組合法を無視した組合つぶしが続いてきましたが、本年4月4日、施設を経営する社会医療法人山紀会は、組合との事前協議約款や団交の経過をすべて無視して、訪問介護の閉鎖を決定したと通告してきました。4月14日から山紀会は、利用者、家族、現場管理者、職員には一切通知しないまま、担当しているケアマネージャーに連絡して、約半数の利用者を他の事業所の担当に変更する暴挙に出ています。これに対して、4月16日、おおさかユニオンネットワーク総行動の中で、山紀会本部に対する閉鎖反対の申入れ行動が行われました。(久下格)続きオンライン署名始まる

「ETV特集を応援する声を上げてください!」〜NHKクルド番組「再放送中止」をめぐって
NHKで4月5日に放送されたドキュメンタリー番組「フェイクとリアル~川口 クルド人 真相~」は、反響が大きかった。「渾身の調査報道で非常に良い内容でした」など支持する声が多い。期待されていた再放送だったが、突然中止になった。いったい何があったのだろうか? 元NHKチーフ・プロデューサーである長井暁さんは、産経新聞による報道を批判し、「ETV特集を応援する声を上げてください!」と呼びかけている。以下、紹介する。(編集部)・・4月16日、産経新聞が4月5日に放送されたETV特集「フェイクとリアル~川口 クルド人 真相~」を誹謗中傷するような記事を配信しました。NHKの執行部は、番組に登場する団体の弁護士からの「裁判で係争中であるにもかかわらず、番組で一方的な主張をされた」という抗議を受けて、この番組の再放送を延期したとされています。(長井暁)続き

学術会議法人化・解体法案反対!〜国会議員会館前でスタンディング
学術会議法人化法案が衆議院で審議入りした4月18日午後、国会議員会館前でのスタンディング行動に行った。およそ40〜50人が参加し、断固反対、撤回の声を上げた。この問題の発端は2020年10月、菅首相(当時)により6人の学者が学術会議会員の任命を拒否された事件である。これは学問の自由・独立に反するとして世論の大きな批判を浴びた。しかし菅、岸田、石破の歴代首相はその理由を一切明らかにしていない(当事者が情報開示請求訴訟を東京地裁で係争中)。それどころか責任逃れのために、学術会議法に問題があるかのように論点をすり替えて今回の「法人化法案」を出してきたのだ。まさに学問の自由・独立を踏みにじる学術会議「解体」法案だ。この日の集会では、参加した市民が次々と発言、アピールをした。(近藤徹)続き

4.17 霞が関共同行動:国交省前で「JAL解雇争議の解決なくして安全なし」訴える
4月17日(木)午後1時から、コミュニティユニオン首都圏ネットワークと、けんり総行動実行委員会が共催となって霞が関共同行動が行われました。厚生労働省に対しては、最低賃金の引き上げ、労働基準法改悪反対などのアピールがありました。また、「労働災害を認めようとしない企業主の態度を容認する厚労省は、現場の労働者の声を聞け!」という、強い訴えがありました。次の国土交通省では(写真)、安全トラブルが続く日本航空の現状に対し、その責任を問う発言がありました。JAL被解雇者労働組合争議団からは、2010年大みそかに解雇された165名の客室乗務員・パイロットの訴えがありました。「国交省に毎年提出されている安全報告書の中で、日本航空は必要のない解雇を行ったことが明らかになった。15年前に解雇された問題を解決せずに放置しているのは許されない」と話しました。(尾澤邦子)続き

関西生コン弾圧:加茂生コン事件差し戻し審で勝利判決と不当判決
最高裁からの差し戻しを受けて行われたこの日(4/17)の判決では、関西生コン支部のYD組合員が再び無罪となる勝利をかち取る一方、YI執行委員は懲役6月執行猶予3年の不当判決を受けました。大阪高裁前の公園には正午を記して関西圏の支援が続々と結集、12:20には裁判所を周回するデモを敢行(写真)、その後、公園に戻って前段集会が行われ、反弾圧大阪実行委員会、京滋実行委員会、兵庫の会、東海の会、教育合同、なかまユニオン、関合労大阪、京都ユニオン、兵庫ユニオン、大阪全労協、全港湾大阪、反原発若狭の会、Xバンドレーダー基地反対連絡会、全交、朝鮮総連大阪府と、支援から無罪判決を求める発言が続き、最後に当該2名の組合員が判決に臨む決意を語りました。13:30からの84名の傍聴抽選に並ぶ列は200人弱に増え、14:30から201大法廷で1時間弱に渡る判決の言い渡しがありました。(愛知連帯ユニオン)続きTansaレポート弾圧ニュース

冤罪とたたかった「狭山事件」石川一雄さん〜追悼集会に約千名が集う
4月15日午後、東京・千代田区一ツ橋の日本教育会館で、「狭山事件」の犯人とされ、以後62年にわたって無実を訴えてきた石川一雄さんの急逝を悼む集会があった。 同館大ホールに支援者ら千名近い人々が集まり、ステージに映し出された遺影の前で、それぞれの思いを語った。1963年5月。埼玉県狭山市で女子高校生が何者かに誘拐され、身代金を要求される事件が起きた。警察は脅迫状で指示された金の受け渡し場所で犯人を取り逃がし、被害者は無残な遺体で見つかった。当時、ひと月前に東京・台東区で起きた「村越吉展 ちゃん誘拐殺人事件」に続く捜査陣の大失態に、世論の怒りと非難が沸騰した。警察の威信は地に落ち、回復できないほどに追いつめられた。国家公安委員長篠田弘作は「なんとしても生きた犯人を捕まえる」と語り、警察の連日の執拗な聞き込みに辟易した地元住民は、刑事を被差別部落へと誘導した。(Y)続き

わかりやすく伝えたい!〜先制サイバー攻撃法案で質問形式の学習会
4月15日、緊急集会「サイバー安全保障(能動的サイバー防御等)関連法案廃案に向けた討論集会-質問、疑問に答えます」が開かれました。以下、報告です。・・今回は、質問形式の学習会を参議院議員会館で行いました。4月8日に、インターネット監視・先制サイバー攻撃法案の衆議院採決が行われ、れいわ新選組と日本共産党が 反対する中で同法案は衆議院を通過しました。なぜ、他の野党各党は、軽微な修正で、この法案に賛成したのでしょ うか。与党による危機意識の拡散が行われたことや、サイバー空間で の問題の理解が多くの有権者や議員に「難しい」と受け取られて、反対の世論が十分に作れなかった側面もあったのではないかと思います。そこで、防衛問題に詳しい池田五律さん(左)と、ネット監視からの防衛に詳しい「としまる」さん(右)をお招きして、参加者の質問に答えていただく勉強会を持つことにしました。(林立彦)続き動画(2時間17分)

〔週刊 本の発見〕まっくらの中に明るい輝きを見た〜森崎和江『まっくら』
森崎和江のデビュー作『まっくら』(1961年、三一書房)が、岩波文庫として再版された。森崎(1927-2022)は旧植民地の朝鮮で生まれ育ち、戦争末期に単身福岡に渡った。1958年以降20年間、筑豊の炭鉱町に移り住む。谷川雁や石牟礼道子らと文芸誌「サークル村」を刊行した。本作品は、そこに連載したかつて坑内労働を担った女たちの聞き書きをまとめたものである。「坑内はひどかとこですけんな。話をしたくらいじゃ、なんにもわかりはせんたい。わたしがはじめておりた炭抗は、そりゃもう、じゃあじゃあ降りじゃった。坑道を雨のように地下水が落ちつづけるとばい。カッパ着て帽子かぶって、まっくらな地面のなかを腰まで水につかってな。」明治から昭和初期まで、抗夫は男女一組で一つの切羽(採炭現場)を請け負った。(内藤洋子)続き

子どもたちに侵略の銃を持たせるな!〜練馬駐屯地祭抗議行動レポート
4月13日(日)、雨。午前11時、「戦争に協力するな!させるな!練馬アクション」他2グループ主催の陸上自衛隊練馬駐屯地祭抗議行動に参加しました。雨天の中、正門前の横断歩道の向こうから、父母と共に会場に向かう子どもたちの行列に向かって私は「NO BASE NO WAR 世界のどこにも軍事基地はいらない」と書いたプラカードを掲げながら「戦争反対!」と叫ぶ(写真)。仲間が代わる代わるマイクを握ってアピール。「今、この中の式典に小池都知事が参列していますが、2000年、当時の石原慎太郎都知事はここで『大規模震災の際には“三国人”が騒擾を引き起こす』と差別発言をしました 。この駐屯地は災害時の治安出動の拠点。『不逞の輩が暴動を起こす』との予断をもとに民衆に銃口を向ける。関東大震災時の朝鮮人虐殺と同じ発想です」(那須研一)報告

西成での訪問介護施設閉鎖との闘いが緊迫〜山紀会が5月末閉鎖を一方的に通告
大阪市西成区にある社会医療法人山紀会が経営するやまき介護すてーしょんは、単身高齢者の多い西成区の中で、20年前から地域に密着した介護事業を運営してきましたが、2013年に労働組合が結成され以来、労働組合法を無視した法人による組合つぶしが続いてきました。コロナ禍の中で組合からの労使紛争停止の提案を拒否した法人は、組合活動を理由に懲戒処分、組合員3名への330万円の損害賠償訴訟などを乱発、組合は大阪府労働委員会に10件の救済申し立てを行い8件で命令が出され、損害賠償訴訟も取り下げられました。しかし法人は態度を改めず、2023年からは管理者の一時金・定期昇給を不当に下げ続け、昨年には、本年5月末での訪問介護部門の閉鎖を一方的に打ち出していました。(久下格)続き

国会に居なくてはならない人〜大椿ゆうこ下町応援団が結成される
「なんでこの国の政治は働く人を大切にしないのか」と大椿ゆうこさん(写真)は訴えました。4月13日午後4時から、東京荒川区の町屋文化センターで開催された大椿ゆうこ下町応援団結成集会。大椿さんの決意と、大椿さんへの熱いメッセージが語られました。最初のビデオ上映では、国会で、最低賃金でも生きていけない厳しい現状について厚生労働大臣に厳しく迫り、質問で追及する場面や、長生炭鉱調査への援助の問題等について質問する様子が紹介されました。スジの通った迫力ある質問は爽快でした。弁護士の杉浦ひとみさんは、「大椿さんは現場を知っている。人間としての存在感、貧しさを知っている。そのうえで全力投球でチャレンジしている。私たちにとっては、役に立つ議員がほしいのだ」と話していました。(尾澤邦子)続き

アーケードはやっぱりハッピーロードの命! 〜大山で第5回目の再開発反対デモ開催
4月13日、あいにくの小雨がぱらつく中、再開発問題で揺れる板橋区・大山で、第5回目となる「再開発反対!アーケード解体反対」の住民デモが開催された。既にクロス・ポイント周辺地区の2棟は完成し、その存在感が屋根を取り外されたアーケードの70m部分を覆っている。たまたま遊びに来たらしい数人の少女達が、「なあに、これ?」と驚きの声を上げている。雨がたまたま降っていたせいで、屋根のない不便さが私にも実感できた。デモ出発前に声を上げたコモディイイダの飯田社長は、「マスコミの注目が集まっている。朝日新聞、日刊ゲンダイも特集記事で取り上げる予定。都道補助26号線道路は今年完成の予定が5年先に延びるそうだ。じゃあ何故道路が出来ないのに壊したのか。都から解体を理由に補助金をもらっている振興組合の執行部に責任を取ってもらおう。そうしてもう一度アーケードを架けよう!」と力強く呼びかけた。(大場ひろみ)続き動画(9分)

武器よりメシを! 貧困・格差の是正と社会保障に税金を使え!〜反貧困全国集会開かれる
2025反貧困全国集会「武器よりメシを! 貧困・格差の是正と社会保障に税金を使え!」を開催しました。会場の文京区民センターには200名を超える皆さんが集まりました。貧困は、人間の尊厳を奪い去りときには命さえも奪い去る。貧困の広がりは、人々や社会を排除や分裂させる危険性をはらんでいる。先の衆院選では、「手取を増やす」をキャッチフレーズにした「減税」政策に若年層などからの支持が集まった。今回は事態の緊急性から基調報告をお願いした竹信三恵子さんは「今こそ格差の是正と社会保障に税金使え」と明確に問題提起!「若者や作られた働き盛りを中心した減税と優遇政策の背後で進む公共社会サービス削減、税収を増やすために働け、と言われるばかり、所得再分配機能の低下→税を返せだけではより貧しくなる。」(瀬戸大作)続き反貧困ネットワークHP

新時代アジアピースアカデミー:「出会い・学びの場」2025年春学期がスタート
コロナ禍のなかで始まったNPAは、お蔭様で今年、6年目を迎えました。戦後80年、日韓国交正常化60年という歴史的な転換期に、市民社会の役割は何を目指していくべきなのか。NPAの2025年春学期(第15期)の出会い・学びの場で、一緒に模索していきたいと思います。改めて15期14コース(90講座)の募集開始をご案内させていただきます。今年度から春・秋の2期制へと変更しましたが、基本的なコース構成は従来と同じ、1コース6回講座となっており、単発回のお申込みもコース6回でのお申込みも可能、料金体系にも変更はございません。唯一の違いとしては、2期制への変更に伴い、1期の修了時期が延びて、前半の3回が終わると小休止、講座のないお休み期間が入ることです。が、このお休みは、通常講座とは異なる特別企画や、コース独自の交流会やイベントなどを行うための期間として考えておりますので、どうかご期待ください。(NPA事務局)詳細

映画紹介『うしろから撮るな』〜老いの苦しさを演じきった名脇役のドキュメンタリー
知り合いからチケットをもらったので、何の気なしに観に行った『うしろから撮るな~俳優織本順吉の人生』。2千本の映画やドラマに出た俳優の、最後の四年間を追ったドキュメンタリーである。映画をみてこんなに笑い、泣かされたのは久しぶりだ。織本順吉という名前は知らなかったが、『やすらぎの郷』や『押入れのピアノ』など、彼が出演した作品のいくつかを私も観ていた。「役者っていうのは覚えた台詞を忘れていかないと、次が覚えられないんだ。医者にはわかんないだろう!」、90歳に近い俳優は、老いへのやるせなさをぶつける。その感情の吐露は、俳優ならではのプライドと頑固さを通り越している。幼稚で正直すぎておかしくて。失礼ながら何度も吹き出して笑ってしまった。(堀切さとみ)続き映画公式サイト

太田昌国のコラム : 我ら世に在るいま、襲い来る「クソのような」情報の洪水
先月の当欄で触れた、論理も倫理も歴史的な展望も欠いた大量の情報と付き合うことで、私たちが感じる「疲れ」について、なんと「敵」の策謀家がそんな情報洪水の「有効性」を公言していたようだ。移民・難民問題をテーマにしているライターの望月雄大氏が、朝日新聞デジタル版Re : Ron 2025年4月9日に寄せた「米大学で相次ぐ留学生たちの拘束 情報「洪水」戦略に溺れないために」という文章で紹介しているスティーブン・バノン(第一期トランプ政権の首席戦略官)の言葉を知って、そう思った。引用する。ーーー第1次政権の初期にホワイトハウスに入ったスティーブン・バノンは、2018年に作家のマイケル・ルイスに対してこう語ったと言われる。「民主党は重要ではない。本当の敵(opponent)はメディアだ。そして彼らに対処する方法はクソでその場をいっぱいにすることだ(flood the zone with shit)」続き

アリの一言 : 尹大統領罷免の底流―民族研・金室長に聴く
「12・3非常戒厳」から尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領罷免(4月4日)に至る4カ月の韓国政治・社会の激動。その底流に流れているものは何なのか。植民地歴史博物館(ソウル市龍山区)内にある民族問題研究所の金英丸(キム・ヨンファン)対外協力室長(写真)を訪ね、お話をうかがった。金氏とは6年ぶりの再会だ。――「尹弾劾・罷免」をどう評価する? 根強い保守の政権を市民が倒した市民連帯の大きな勝利だ。とりわけ注目されるのは、組織されていない20代から30代の女性を中心とした若者が、既存の組合や団体と結合して闘ったことだ。内乱(12・3非常戒厳)以来、のべ約1000万人が行動に参加し、約1000回の発言、145回の行進が行われてきた。キーワードは連帯と歓待だ。既存の組織が新しい参加者を喜んで受け入れた。(アリの一言)続き

生き生きとこぶしを上げた!〜レイバーネットTV、菅野芳秀さん熱く語る
4月9日のレイバーネットTVは、「令和の百姓一揆」を特集した。メインゲストは、「令和の百姓一揆」実行委員会代表の菅野芳秀さん(写真)。山形県からわざわざ上京しての出演で、いつもより放送時間を延ばして、たっぷり思いを語ってもらった。開口一番、菅野さんは「私は75歳だが若手のホープです。80台の現役農家も多い。これが現実です。農家は絶滅危惧種といわれ、経済的に抑圧されてきた。もう、怒りを通り越して悲しみが増大していたが、ぶつけるところがなかった。今回の百姓一揆でやっと怒りをぶつけ、声を上げることができた。だから、やるぞ!という感じで、みんな喜びをもってこぶしを上げた。とても生き生きとしていた。農民も消費者も手作りのプラカードを掲げ、自己表現をしていた。一番うれしかったのは、私たち農民が孤立していないことを確認できたこと。本当にみんなから勇気と力をいただいた」と熱く語った。(M)続きアーカイブ録画出演感想(瀬戸大作)農業協同組合新聞視聴コメント(黒鉄好)「毎日新聞」報道(東海林智)視聴者の感想

レイバーネットTV(4/9):むらの貧困とまちの貧困をつなぐ〜「令和の百姓一揆」特集
4月9日のレイバーネットTVは、「令和の百姓一揆」を取り上げます。農業を諦め、離農脱農する農民がまるで雪崩のように増えています。農地は放棄され、むらには空き家が目立ちます。原因は農業では暮らしがたたないから。農の危機はそのまま食の危機と重なります。3月30日日曜日、首都東京をはじめ全国15ヶ所でトラクターを先頭に立てたデモが出現しました。名付けて「令和の百姓一揆」。4200人が参加した東京では、全国から駆けつけた農民だけでなく、消費者グループ、貧困問題に取り組む人たち、アジアからの外国人労働者も。沿道からは拍手が。デモが通過するまちでは、文字通り三食食べられない人の群れがしみわたるように拡がっています。底が抜け、支えがない世界がむらにもまちにも拡がっているのです。この世界を何とかしなければ。(レイバーネットTVプロジェクト)番宣

サイバー先制攻撃法案が衆議院委員会採決!〜戦争への道を許さない
4月4日午後、「能動的サイバー防御法案」=ネット監視・サイバー先制攻撃2法案が衆議院内閣委員会で可決されました。委員会での審議時間は合計でわずか23時間でした。来週8日(火)13時からの衆議院本会議で、立憲・維新・国民の賛成討論(10分ずつ)、れいわ・共産の反対討論(5分ずつ)を経て採決される予定です。2日、3日に続いて4日も取り組まれた緊急国会行動には約30人が参加し、抗議の声を上げました。小手先の「修正」で賛成に回ったことを批判する「立憲民主党はやる気あるのか?!」のプラカードも。経済安保法に異議ありキャンペーンと秘密保護法対策弁護団で緊急の抗議声明を出しました。ぜひご一読、ご拡散ください。また、以下の当面の行動へのご参加も呼びかけます。(杉原浩司)続き4.4行動の動画

ソウルからの現地レポート:ユン大統領弾劾支持の大集会に参加して
いま、ユン大統領弾劾支持の集会の場で、憲法裁判所の審判のテレビ中継を見ました。3万人くらいと思いますが、喜んでいます。でも、意外と冷静に受けとめていて、涙を流していたのが、不肖私も含めて、若い女性3人グループくらい。皆さんは勝利を確信していた感じです。現場に来て分かったことがいくつか。まずは、「動員」らしき団体はほとんど見当たらなく、せいぜい労組くらいか。あとは、個人、2人、数名のグループ。こういう「個人」が自らの意思で来ているのがすごくよく分かる。礼儀正しいこと。会場整理のスタッフが、通路の確保に何人も動いていたが、真ん中エリアはみな、きちんと座り、周囲も通行の邪魔にならないようにしている。ゴミも数か所の集積ポイントにきれいに捨てられている。みな「やさしい」。(白石孝・4/4午後)報告NHK速報日韓プラットフォームの声明続報(4/5)

〔週刊 本の発見〕人間の生と死を考える〜『透析を止めた日』
大西は、血友病という生まれつきの体質を持っている。血が止まらない、固まらない病気として昔から知られているが、子供の頃に安物の辞書を引くと、〝六歳までに亡くなることが多い〟というような記述がされていて、他人事のように〝へー……〟と思いながら読んでいた。現在では薬剤が進歩し、完治こそしないものの、若い世代の中には〝どこが悪いの?〟と思わせるくらい元気に飛び回る者も少なくない(それでも世界的に見れば、そういう恵まれた境遇にある患者は25パーセント程度と言われている)。大西の幼少期は薬もほとんどなく、土俵上で力士が変な倒れ方をして「✕✕錦、左膝関節内出血のため今日から休場」と伝えられるような症状が膝や肘、足首などに簡単に起き、激しい痛みでウンウン唸っているという日々が珍しくなかった。(大西赤人)続き

「ネット監視・サイバー先制攻撃法案」の廃案を求める署名
政府は国会に、「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律」(「ネット監視・サイバー先制攻撃法)案と、「同法律の施行にともなう関係法律の整備等に関する法律(同整備法)」案の二つの法律案を提出しています。3月18日には衆議院で法案の審議が開始され、わずかな審議で成立を強行する動きが強まっています。政府は、インターネット上のサイバー攻撃から国や企業などを守る目的の法律だと説明しています。しかし、市民のメールやSNSを警察などの監視下において通信の自由を制約するおそれなど、見過ごせない問題があります。問題の一つは、令状など裁判所の関与もなしに、警察などが電気通信にかかわる多くの事業者から、個人の同意なしに、インターネット上の情報を収集することができることです。(署名よびかけより)続き

川柳句会報告 : 「赤紙とマイナンバーが紐づく日」「自民飴どこを切っても金と出る」
レイバーネット川柳班3月句会が、3月31日に開かれました。リアル8人、オンライン4人、メール参加2人、計14人でした。兼題は、「戦争」。大軍拡がすすむいま、危機感にあふれる句が多く寄せられました。最高点の9点句は「赤紙とマイナンバーが紐づく日」(一志)。「マイナの本質を衝いている・奥行きがある」などの感想とともに「若い人に赤紙がわかるかな?」という声も出ました。「戦争に銃後などないみな戦地」(笑い茸)には、「ミサイルの撃ちあいでは、前線も銃後もない」とのコメントも。川柳班では、7月に「反戦川柳句集」(仮題)を出版予定です。ご期待ください。自由吟では、世相を反映して、裏金問題・コメ問題・物価高騰など、身につまされる句が多かったです。次回は4月26日(土)兼題は「天皇」です。投句歓迎です。(なずな)続き

市民団体が発表 : ガザの恒久的停戦とパレスチナの和平を求める声明
パレスチナで人道支援活動に取り組んでいる日本の市民団体が3月28日、東京都千代田区で記者会見を開き、「ガザの恒久的停戦とパレスチナの和平を求める」声明を発表した。各団体から、現地の状況の報告もあり、ヨルダン川西岸地区で入植者による攻撃が激化している実態なども明らかにされた。会見は日本国際ボランティアセンター(JVC)など、パレスチナで医薬品や農業の支援などを行なっている市民団体でつくる「パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会」が主催した。発表された声明は「パレスチナの平和と人道支援に関わり続けてきた日本の団体として、人質・被収容者の無条件の解放と、イスラエル軍のガザからの完全撤退、そして恒久的停戦を実現するよう、両者に強く訴えます」としたうえで、ガザだけでなく「ヨルダン川西岸地区でのイスラエル軍や入植者による攻撃が激化している事実も看過できません」と指摘。(竪場勝司)続き

米国労働運動 : トランプ、連邦公務員の団交権はく奪の大統領令
【解説】トランプ大統領は、ほとんどの連邦公務員の団体交渉権を奪う大統領令に3月27日に署名した。トランプとマスクにより強行されていた連邦政府の人員削減、省庁解体攻撃はこの大統領令により新たな段階を迎えた、全米の労働組合員の半数を占める公務員労組への直接攻撃である。レイバーノーツ誌は翌日、これを1981年の航空管制官全組合員11,000人の解雇の再来として批判する記事を掲載した。(レイバーネット国際部 山崎精一)・・ドナルド・トランプ大統領は3月27日、連邦政府公務員とその労働組合に対するこれまでで最も広範な攻撃として、連邦公務員ほぼ全員から団体交渉権を奪う大統領令を発表した。初期の予想では、退役軍人省、国防総省、エネルギー省、国務省、内務省、司法省、財務省、保健福祉省、さらには農務省を含む70万人から100万人の連邦政府公務員に影響が及ぶとされている。続き

写真速報 : 百姓は国の宝、本気で守れ!〜「令和の百姓一揆」に3200人
3月30日の「令和の百姓一揆」トラクター&デモ行進は、好天にも恵まれ、大変な盛り上がりを見せた。会場の東京・青山公園には、トラクター30台が集結し、全国から農民や消費者・市民など3200人が集まった。「この日を待っていた」という感じで、人びとの表情は上気し明るかった。実行委員会代表の山形の農民・菅野芳秀さんは挨拶に立ちこう強調した。「日本の農業が崩壊局面に入ってきた。村から農民が消え、作物が消え、村自体が消えようとしている。多くの国民はこのことを知らない。よそ事として感じているのではないか。しかし間違いなく農業は滅びつつある。それで一番影響は受けて、困るのは消費者です。まだ農民が残っている今こそ、共同で力を合わせて、農業を滅ぼす政治を変えて行きましょう。きょうはその長い闘いの始まりの日です」。(M)続き動画(7分)動画(5本)東京新聞朝日新聞日経新聞解説(黒鉄好)報告(瀬戸大作)小谷あゆみブログ

尾澤裁判報告集会:キム・ウニョンさん「尾澤裁判と尹錫悦弾劾闘争」テーマに講演
3月28日、東京の文京区民センターで、「最高裁の上告棄却弾劾!未来へ!サンケン弾圧ー尾澤裁判報告集会」が開催され、112名が参加しました。昨年12月4日に最高裁に上告した尾澤裁判は、12月23日に棄却されました。わずか3週間 足らずでの棄却は、最初から棄却ありきの予断と偏見に満ちた判断だと言わざるを得ません。第1次サンケン闘争は2016年~17年、日本遠征闘争で埼玉県新座市のサンケン本社前で闘い、支援の協力もあり解雇を撤回させ、職場復帰しました。しかし2020年サンケン本社 は会社を廃業にすることで、組合もろともつぶそうとしました。コロナで遠征闘争ができない中での闘いでした。そして支援の中心メンバーであった尾澤孝司さんの逮捕・起訴がありました。勾留は232日間に及ぶ不当なものでした。(尾澤邦子)続き

生活保護基準引き下げめぐる裁判〜画期的!行政の敗訴ラッシュ
厚生労働省が物価下落を主な理由として生活保護基準を過去に例のないほど引き下げた2013年から、既に12年が過ぎた。生活保護支給費の減額についてその違法性を問う「いのちのとりで」裁判は、全国29の地裁で31件が争われている。3月27日、東京高裁初の東京1次(はっさく訴訟)判決は、一審判決維持の原告勝訴(写真右)。翌日、同じく東京高裁での埼玉控訴審も原告勝訴(写真左)。これで高裁判決は、違法を訴えた原告側の6勝4敗に。初期に続いた地裁での原告敗訴は一転しており、もはや高裁でも行政敗訴ラッシュの様相を呈してきた。傍聴には、東京1次控訴審105人、埼玉控訴審は133人と、いずれも90席ほどの大法廷に入りきれないほど希望者が集まり、大詰めを迎えた裁判への関心の高さが感じられた。(知多 歩)続き

〔週刊 本の発見〕ひとりの兵士から始まる戦場への想像力〜『続・日本軍兵士』
『日本軍兵士』の続編として、前著で書かれた日本軍兵士の体験した劣悪な環境と待遇について、時系列ごとに整理しながら、帝国陸海軍の軍事思想や戦略の責任をさらに追及した内容になっている。まず、前著でも驚いたことだが、歴史学と軍事史が乖離していて、別々に研究されていたこと。その理由の一つとして、軍事史は戦争の過程として軍隊、兵備の運営、戦略などを対象とし、戦争自体に対してはよしあしを考えない学問と捉えられ、戦後の歴史学者が戦争への嫌悪感のため避けていたという。そのため、逆に、戦争の際に使われた兵器や兵站などを通して、兵士のおかれた状況を分析する視点が抜け落ちてしまった。その穴を埋める作業はつい1990年代に入ってからだというのである。その大きな成果の一つが、誰でも手に取れ、読みやすい内容の中公新書として吉田裕が発表した二冊の『日本軍兵士』だ。(大場ひろみ)続き

レイバーネットTV(3/26):いま世界で何が起こっているのか?〜トランプ時代を考える
トランプ大統領の再登板によって世界は大混乱に陥っています。メディアに登場する識者らはトランプ氏を「悪玉」に仕立て上げ「民主主義の危機」を叫んでいますが、西谷氏は「トランプ氏を暴君と呼ぶのはあまりに無知だ」と指摘。西谷氏によると、米国の「自由」とは歴史的に「私的所有」に基づき「他者」を軽んじるものであり、トランプ氏は「アメリカの地金」そのものなのです。現在、欧米は分裂し米国の覇権は終焉を迎えようとしています。この時代に我々はどう対処すればよいのでしょうか? もう一人のゲストの中野真紀子さんは、アメリカのNY独立報道番組「デモクラシー・ナウ!」の日本語サイトの運営者です。中野さんからは、「抵抗メディア」の視点からお話いただきます。(レイバーネットTVプロジェクト)番宣アーカイブ録画(76分)

ケアワーカーズユニオン山紀会支部:閉鎖する前に理事長は現場を見てほしい!
大阪市西成区にある社会医療法人山紀会が経営するやまき介護すてーしょんの訪問介護事業3月末閉鎖決定(5月末閉鎖)との闘いが山場を迎えています。3月24日の団交には、当該支部から7名、支援の組合や支える会から11名が参加しました。団交では、山紀会支部を支える関東集会でいただいたトトロのメッセージを掲げました。今回、組合からは詳細な経営分析と具体的な経営改善案を提出して、法人は組合を敵視する一方的な閉鎖決定をする前に、訪問介護事業の存続にむけた経営改善案について、組合が山本副理事長や経理部長らに対して説明する場を設定することを求めました。法人としては持ち帰り検討すると約束しました。(久下格)続き

賛同募集中!〜声明「戦争と植民地支配で傷つけられた人間の尊厳の回復」
今年は、戦後(敗戦)80年、日韓条約60年の節目の年です。日韓は60年前に国交を正常化しましたが、いまだに過去の植民地支配時代の問題-強制連行・強制労働、「慰安婦」等-については、解決しないまま問題を引きずっています。被害者は人権侵害を受けながら、その回復がなされないままにいます。このような状況は克服されねばなりません。ということで、強制動員問題解決と過去清算のための共同行動は、弁護士、研究者、小説家など23名の方がたに連名で、声明「戦争と植民地支配で傷つけられた人間の尊厳の回復を求めて~ 戦後80年・日韓基本条約締結から60年を迎えて~」を出していただきました。今後は、この声明への賛同人を募り、広げていくことによって、強制動員問題の解決、被害者の人権、尊厳の回復が必要であるとの世論を形成していきたいと考えています。(矢野秀喜)詳細賛同フォーム

関西生コン弾圧・京都事件無罪判決の意義を語る〜3.23名古屋で集会
3月23日名古屋市熱田区労働会館本館で『関西生コン弾圧を許さない東海の会』主催の「判決報告&支部組合員との交流集会」があり、この地で様々な運動に携わる約60名が集いました。開会を告げた植木事務局長は「2月20日東京で、東芝のリストラに反対するビラまきをJRの敷地で行っていた労組員が警察に身柄を拘束されるということがあった。30年間問題がなかった場所だ。関生問題をそのままにしていることがこのような状況を生んでいると思う」と警鐘を鳴らしました。続いて石田共同代表は自らも駆けつけた2・26判決の喜びを語り、「イギリスで労働組合が認められてから200年、関生問題は一組合の問題ではなく、社会的な問題だ」と指摘しました。(愛知連帯ユニオン)続き

美術館めぐり:厳しい時代をすすむ作品群〜日本アンデパンダン展「時代の表現・生きる証」
日本アンデパンダン展が3月19日から国立新美術館で開かれている。552人による741点の絵画・彫刻・工芸・インスタレーション(空間を使った造形表現)などが展示された。主催の日本美術会は、敗戦の翌年・1946年4月、「創立宣言」を発した。「永い間、美術の自由で民主的な生長をはばんでいた軍国主義は、外からの力によって打倒された。しかし美術をとりかこむ封建的な考え方や制度は、今後も、われわれの美術をゆがめ、美術家を苦しめるであろう。」そして翌年から年に1回、無審査のアンデパンダン展を開催した。3回展には、丸木位里・俊が「8月6日」(後に「原爆の図」第1部と改題)を、第4回展には、山下菊二が「オト・テム」、鶴岡政男が「黒い手」を出品した。その後も、新海覚雄、本郷新、井上長三郎、池田龍雄、滝平二郎等の専門作家が参加している。(志真斗美恵)続き

阿波根昌鴻、その魅力と沖縄の歴史〜シネクラブ『教えられなかった戦争』を上映
3月22日、新しい会場(向原ホール)で『教えられなかった戦争・沖縄編~伊江島・阿波根昌鴻のたたかい』を上映した。18名が参加。そのうち4~5名は初めての参加者で、レイバーネットのwebサイトFacebookで知ったという人たちだった。現在の辺野古新基地建設に至る沖縄の戦後を記録した、素晴らしい映画だった。阿波根さんを軸に、アレンネルソンさんや新崎盛暉さんら、懐かしい人たちが登場する。そして、ネーネーズによる沖縄らしいゆったりした歌。私は30年前に伊江島を訪れ、阿波根さんの話を聴いたことがある。その独特な語り口に、ついウトウト・・・。時を経てスクリーンに映し出される阿波根さんの語りは当時の記憶のままだったが、どの言葉も重く、丁寧で、心にまっすぐに届いた。(堀切さとみ)続き

大山再開発問題で住民対話シンポジウム開かれる~有効なデモクラシーを求めて
何度も報告してきた通り、再開発問題に揺れる板橋区・ハッピーロード大山商店街は、去る3月18日に、現在進められている再開発について、現状報告と問題提起、そして地域の方や関心のある方との対話の場として、「大山再開発シンポジウム」が開かれ、73名の参加者が集まった。まず現状だが、大山商店街を挟んでクロスポイント周辺地区に2棟、ピッコロ・スクエア周辺地区に2棟建設される予定のうち、クロス地区のタワマン2棟は完成。そしてその付近の、都道補助26号線が貫通する予定の場所の一部に当たる商店街アーケードが、第1期工事分として70m解体された状態である。しかし、アーケード解体の第2期工事は未定、補助26号線も延伸工事は未定。道路計画の方は土地取得率が50%ほどのままである。やはり一部アーケード解体の影響は大きく、特に高齢者・子供連れ・障碍者の方に皺寄せがきているという声が上がっている。(大場ひろみ)続き

〔週刊 本の発見〕息苦しい時代への共感〜写真集『Underrated vol.2』
本書のタイトルUnderratedは「過小評価」の意味。誰が誰をそうしているのか? 写真集はその問いを問うている。これは TOMOKO BABAの二冊目の写真集。昨年12月に刊行された。第一作『Underrated2022-2023』(A4)と異なり、今回はA4の2分の1サイズになっている。判型はコンパクトになった。内容は、しかしいっそう緊迫感がましている。人物に接近したクローズアップ写真が前作よりも多く、撮影者は大丈夫だったのだろうかと心配になるくらいだ。望遠レンズを使ったのではなさそうで、被写体の眼が撮影者に向かっているものがいくつもあることでそれとわかる。作者の視点は鋭い感じであるより、柔らかで対象を包みこむような感じさえある。この時代に働いて生きることはけしてたやすくはない。(志真秀弘)続き

「ネタニヤフを逮捕しろ!」〜大虐殺再開に対してイスラエル大使館に緊急抗議
3月18日夕方、イスラエル大使館そばで、国際指名手配犯の戦争犯罪人ネタニヤフによるガザへの大規模空爆=大虐殺への緊急抗議が行われました。飢餓によるジェノサイドに加えて、既に今回の空爆で400人以上が虐殺されたと報じられています。集まった65人ほどの参加者は、麹町署による不当警備にも抗議しつつ、約2時間にわたり声を上げました。スマホをかざして、通行人にガザの惨状を伝える人々も。私は、「警察が、入国したら逮捕しなければならない首相(ネタニヤフ容疑者)のいる国の大使館を守り、市民を弾圧するのは許されない。トランプは大虐殺を許可し、AIでパレスチナに連帯する学生を弾圧している。何が"日米同盟"だ。石破首相や大臣、国会議員はイスラエル大使館を訪れ、強く抗議すべきだ」と訴えました。(杉原浩司)続き

阿波根昌鴻さんと映画で会おう!〜シネクラブで『教えられなかった戦争・沖縄編』
レイバーシネクラブの3月定例会は東京・板橋区の向原ホールで3月22日に開催します。髙岩仁監督の『教えられなかった戦争 沖縄編~阿波根昌鴻・伊江島の闘い』を上映します。大平洋戦争の激戦地となり、民間人にも多くの死者を出した沖縄の近・現代史についての長篇記録映画。1903年に沖縄本島北部の本部(もとぶ)に生まれた平和運動家・阿波根昌鴻さんを語り部として、近代から、江戸幕府、日本政府、太平洋戦争後はアメリカに搾取されてきた沖縄の虐げられた歴史が語られる。内村鑑三に師事した阿波根さんの歩んだ道は、そのまま日本の運動思想の発展と重なる。映画は阿波根さんのほかに多くの人々の証言や当時の写真などで知られざる沖縄の姿を浮きぼりにする。ぜひ一緒に観て、ディスカッションしましょう。続き

日本学術会議の法人化に反対する署名2万2792筆を提出
日本学術会議の法人化に反対する学者らが3月13日、反対署名2万2792筆分を内閣府に提出し、参議院議員会館で記者会見と集会を開いた。法人化法案は3月7日に閣議決定され、政府は今国会での成立を目指しているが、政府の管理を強め、罰則を設けるなどさまざまな問題点が指摘されている。オンライン署名は2月5日から取り組みが始まり、「大学の危機をのりこえ、明日を拓くフォーラム」「学術会議会員の任命拒否理由の情報公開を求める弁護団」「立憲デモクラシーの会」「軍学共同反対連絡会」「日本戦没者学生記念会(わだつみ会)」「日本科学者会議」など16団体が呼びかけ団体となっている。記者会見で、元日本学術会議会長の広渡清吾氏は「この署名は大きな歴史的な意味を持っている。(竪場勝司)続き報告(小野政美)

〔週刊 本の発見〕悠久の時のなかの一瞬の記憶〜石川直樹『極北へ』
『ツンドラブック』(「The Tundra Book: A Tale of Vukvukai, The Little Rock」2011年ロシア 監督Aleksei Vakhrushev)という映画を数年前に日比谷図書館で上映した。私の極北への情熱がこの企画を実現させた。この映画はシベリア極北の厳寒の隔絶された世界で暮らすチュクチ族の人々の暮らしを1年間に渡って追ったドキュメンタリー映画である。雄大な極北の景色を背景に過酷な環境で、トナカイの放牧によって生きる遊牧の民。純白に覆われた大地。私が魅了されるのはその圧倒される絶景と風の音。聳え立つ白い威容のある山々を目にして感動しない者はいないだろう。極北とはそういう土地だ。人々を魅了し、拒絶する。この『極北へ』は一人の冒険家石川直樹さんが歩いた極北の記録である。(根岸恵子)続き

レイバーネットTV(3/12) : あれから14年〜原発避難者の苦しみとフクシマの現実
レイバーネットTV(2025年前期 3月~7月)が3月12日の原発特集からスタートする。福島第一原発事故から14年がたっ たが、緊急事態宣言は続いたまま。今も放射線管理区域の基準を超えたままの地域は多い。しかし国は次々と避難指示を解除し、原発周辺地帯に住民を住まわせている。この2月東京高裁で、ある裁判の控訴審が行われた。被 告は、東京都の国家公務員住宅に、家族4人で避難していた鴨下祐也さん。いわき市にある自宅の放射能汚染は依然として4万ベクレル/㎡を上回る危険な状態だ。しかし国と福島県は、区域外避難者への住宅提供を打ち切 り、避難住宅で避難を続ける鴨下さんを、なぜか東京都を使って提訴させたのだ。(レイバーネットTVプロジェクト)番宣放送アーカイブ 速報詳細報告

太田昌国のコラム : 新しい「帝国」の時代の只中で
今年一月の当コラムで、第2期目のトランプ政権の発足を前に、「トランプが得意になって見せつけるであろう『帝国主義者然』とした貌」という表現を使った。こう表現した人間の予感を遥かに上回る「質と量で」、「帝国」は突っ走り始めている。「質と量」は、ほんとうは、「悪質さと物量とで」と表現すべき水準だろうが、それらをここで逐一論じることはしない。小泉純一郎や安倍晋三がこの国の首相であった時代のなかで常に感じたように、歴史的真理も論理も倫理も欠いた議論を、平然と言い募って恥じない連中を相手にすることは、けっこう疲れることなのだ。暖簾に腕押し、糠に釘――だからだ。疲れてもやらなければならない時はもちろんあるが、今回は別な角度から考えたい。(太田昌国)続き

「闘っている同世代がいることが衝撃だった」~311子ども甲状腺がん裁判13回口頭弁論
3月5日、東京地裁103号法廷で、311子ども甲状腺がん第13回口頭弁論が行なわれた。冷たい雨にもかかわらず、前回を上回る200名が傍聴の列に並んだ。この日は愛知県立大学の学生4人が、この裁判のことを知って駆けつけた。東日本大震災の時は保育園児で、何の記憶もなかったという彼ら。甲状腺がんの若者が多数いることも知らなかったが、今回はじめて福島に行き、報道とあまりに違うことに驚いたという。「がんになっただけでもつらいのに、闘っている人がいることを知って衝撃的だった」と、自分達より少しだけ年上の原告たちにエールを贈った。黒い雨訴訟で全面勝訴した84歳の高東征二さんも広島から駆けつけ、報告集会で、27歳で亡くなったお姉さんのことを話した。当時小学校六年生だった姉は、その後、被爆者の救護に関わっていた。「内部被ばくしたのでは」。そう確信するようになったのは、征二さんが2000年に黒い雨訴訟に関わるようになってからだと言う。(堀切さとみ)続き

〔週刊 本の発見〕無視された警告〜 『3.11 大津波の対策を邪魔した男たち』
私は、本書の著者・島崎邦彦さんの講演を、福島原発刑事訴訟支援団の集会で一度、聞いたことがある。穏やかな学究肌で組織内政治や権謀術数とはお よそ無縁の人である。その穏やかな人柄を象徴するような優しい筆致で書かれているが、内容は辛辣だ。自身が再三にわたって発してきた警告を無視した者に対する告発の書である。島崎さんは福島第1原発事故後、原発政策 立案と規制の分離を目的として発足した原子力規制委員会の委員長代理を務めた人物として知られる。一方、1995年から2012年まで17年もの長きにわたり、政府の地震調査研究推進本部(地震本部)長期評価部会長の任にあっ たことはあまり知られていないかもしれない。(黒鉄好)続き

米国労働運動 : 移民に関する神話が労働者を分断する
【解説】レイバーノーツ3月号はトランプ政権が推し進めている移民排除政策を批判するアビバ・チョムスキーの投稿記事を掲載している。執筆者はノーム・ チョムスキーの長女で、移民に関する六つの神話を暴いている。移民を巡る対立を理解する上で有益な記事と考え、翻訳した。(レイバーネット国際部 山崎精一) 神話①:移民がアメリカの仕事を奪う。移民が殺到してい ると言われているが、失業率は依然として過去最低に近い。これは、移民がアメリカ生まれの労働者から仕事を奪っていないことを示している。左派、右派、中道の評論家も同意見だ、移民は地域的にも全国的にも雇用の増加 に貢献している。経済に新たな労働者が加われば雇用をめぐる競争が激化すると、論理的には思えるかもしれない。続き

「被爆者はもっと語らなければ」~江古田映画祭で被団協・田中煕巳さんが訴える
今年で14回目の「3・11福島をわすれない~江古田映画祭」が連日大盛況だ。3月1日、武蔵大学で『歴史-核狂 乱の時代』が上映された。制作は原爆投下から38年後の1983年。監督は羽仁進。映画の冒頭、日本軍に悪辣非道の限りを尽くされた中国の人達が出てくる。その彼らが、広島の被爆者の映像を真剣なまなざしで観ている。「原 爆の苦しみから、日本人民は貴重な反省をしたと信じます」「核戦争だけでなく、普通の戦争にも反対です」。次の場面は、アメリカの兵器売り込みの見本市。そして、日本を無条件降伏させた勝利にわくパレード。アメリカ は日本人が原爆被害を語ることについて、箝口令をひいた。日本のカメラマンが撮影したフィルムを没収し、海外の人はおろか日本人にも、原爆の何たるかを知らせないようにした。(堀切さとみ)続き

第30回「あるくラジオ」:織田忍さんが語る「山谷が持つ柔らかな磁場」
第30回の「あるくラジオ」(2月23日放送)は、訪問看護師でルポライターの織田忍さんをゲストに迎え、記念 すべき回にふさわしい興味深い内容になりました。織田さんは、東京の山谷で地域医療に従事する傍ら、そこに生きる人びとと急速に変わる街を見つめたルポルタージュ『山谷をめぐる旅』(新評論)を昨年11月に上梓しまし た。寄せ場の歴史を辿りながら、時代と山谷に暮らす人の移り変わりをあざやかにとらえて、本は注目されています。では織田さんは、どうして山谷に関心を持ったのか。話はそのきっかけを問うことから始まります。織田さ んは、アフガニスタンで地雷を踏んで亡くなった報道カメラマン南條直子に惹かれて調べているうちに山谷に行きあたります。(志真秀弘)続き放送アーカイブ

レイバーネット川柳句会報告:「トランプが足で地球儀けりはじめ」
2月28日にレイバーネット川柳班の句会が行われました。出席者はリアルが9名、オンラインが4名でした。トランプを題材にした句、ガザに思いを寄せる句が 多くみられました。兼題「足」については、足という言葉を使わずに作られた方も多くみられました。5点句の「トランプが足で地球儀けりはじめ」は映画『チャップリンの独裁者』の1シーン(写真)を彷彿とさせ、「手と 足をもいで奪ってリゾートに」は鶴彬の「手と足をもいだ丸太にしてかへし」を元にしています。1点句の「うらめしやごはん食べたしお足なし」は幽霊に足が無いこと、うらめしや=ごはん、お金=お足と3つくらいかかっ ていて面白いとの感想がありました。自由吟では1月に続き物価高やコメ不足と言った世相を反映した句が多くみられました。(芒野)続き川柳班HP

ケアワーカーズユニオン山紀会支部:大阪・西成の介護事業所をつぶすな!
大阪市西成区で10年以上にわたる組合つぶしの攻撃をはねかえして、独居の高齢者が多い西成ではかかすことのできない訪問介護事業を守ってきた「や まき介護すてーしょん」の労働者たちが、組合つぶしのために事業所じたいを閉鎖する攻撃にさらされています。・・・2月25日、社会医療法人山紀会に対して、訪問介護閉鎖に反対する緊急申入行動と、山紀会と組合の団体 交渉がありました。大阪市西成区・社会医療法人山紀会本部前には、閉鎖を迫られている訪問介護ヘルパー、介護職員、組合員15名が集まりました。現場職員や組合員が1人づつ、法人へマイクで訴えました。最後は、組合や 職員との話し合いもなく、訪問介護事業閉鎖は応じることはできないとする申入書を読み上げ、法人へ提出しました。(情報提供・久下格)詳細

土田修のグローバルニュース〜「トランプ革命」に翻弄される世界
米国は2月24日、国連安全保障理事会に「ロシアとウクライナの紛争の迅速な終結」を求める決議案を提案し、ロシアと中国がこれを支持した。この決議 案に対し英仏など5カ国が棄権したが、賛成10票で採択された。日刊紙ル・モンド(2月27日付)によると、棄権した英仏が拒否権を発動しなかったのは「(この決議案が)将来の安全保障を排除するものではなく、国際法に反 するものでもない」という理由からだった。結果として、英仏は米国に忖度し「ウクライナ抜き」の和平交渉を承認したに等しい。実は同じ日にウクライナと欧州連合(EU)は、国連総会に「ロシア軍のウクライナからの即時 撤退」を求める決議案を提案していた。こちらはハンガリーを除く欧州各国に支持され、93票の賛成で採択された。(土田修)続き

〔週刊 本の発見〕答えは自分の中にある〜『崩壊する日本の公教育』
タイトルを見てドキっとした。いよいよここまで来たか、と。 2016年8月『崩壊するアメリカの公教育 日本への警告』が出版された時、大阪の教育関係の市 民運動や労組に携わっている者たちの間でちょっとした話題になった。それと言うのも2008年橋下徹氏が府知事として登壇以来、大阪は維新勢力を中心にまるで新自由主義改革の実験場と言われるほど、大阪の教育は競争(そ れはしばしば「切磋琢磨」という言葉で表現されるが)を中心に格差を肯定、拡散する方向に向かっていたことによる。それゆえ『崩壊するアメリカの公教育 日本への警告』はそういった新自由主義的教育改革に対抗してい くうえでのバイブル(必読書)のように思えたからだった。あれから8年余りが経ち新刊のタイトルは『崩壊する日本の公教育』だ。後がない・・(志水博子)続き

関生支部・湯川裕司委員長に完全無罪判決!〜懲役10年の求刑を打ち破る
2月26日、京都地裁には、ベストライナー・近畿生コン・加茂生コンの京都3事件の判決があり、全国の支援300名、韓国オプティカルハイテクの仲間が駆けつ けて早朝より集会を行いました。経営側(大阪生コン広域協組)も250名が傍聴抽選に並びました。10時に開廷した法廷では、懲役10年の求刑を受けていた湯川裕司委員長に3事件すべてに無罪の判決があり、2時間に渡って判 決が読み上げられました。関生支部は京都事件について、京都、名古屋、東京、沖縄などでシンポジウムを開催、大手メディアが沈黙する中、良心的なジャーナリストたちの力を借りつつ地道な発信を続けて来ました。これか らも困難な闘いの日々が続きますが、この日は大勝利の1日となりました。全国の支援の皆さん、本当にありがとうございました。(愛知連帯ユニオン)続きNHK報道京都新聞

ロシアのウクライナ侵攻から3年、日比谷集会デモに600人が集う
「ウクライナに平和を! 核兵器を使うな、原発に手を出すな」と訴える集会が2月24日午後、都内であった。会場の千代田区・日比谷野外音楽堂に市民、労組 ら600人が集まった。「さようなら原発1000万人アクション」「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」らの共催。ウクライナへのロシアの侵攻開始から24日で丸3年のこの日に合わせた。ノンフィクション作家 の加藤直樹さんは開催にあたって「『侵略反対』の横断幕を掲げた私たちの隊列に合流してください。大国の権力者でもない、ただの市民である 私たちには、声を上げることしかできませんが、それでも今、声を上げること が大事です。ウクライナに関わることについて、これまで迷ってきた人も、ぜひ一歩の勇気を出してください」と呼びかけた。(Y)続き 動画(5分)東京新聞コラム「アリの一言」

美術館めぐり:やわらかなこころを描く世界への希求〜在日朝鮮学生展覧会・ウクライナの絵画展
今回は、美術館ではない場所で開かれている児童・生徒の作品の展示を紹介したい。ひとつは在日朝鮮人の生徒によ る作品、もう一つはウクライナの子どもたちの作品である。専門家のものではない。が、私たちは、それらを見て考えることが大切だと思う。高麗博物館は、新宿区大久保・第2韓国広場ビル7階の「市民がつくる 日本・コリ ア交流の歴史博物館」。そこで「あなたに真向(まむ)かってほしい 朝鮮学校の若きアーティスト達」GAKUBI選抜展が開かれている。GAKUBI(=学美)とは、在日朝鮮学生展覧会の略称で、日本全国にあるウリハッキョ(朝鮮学 校)に通う在日朝鮮人3世・4世の生徒たちの美術作品発表の場所である。毎年行われているが高麗博物館では3年ぶりに開かれた。前期・後期で展示替えがある。私が見たのは前期で、中・高生の平面・立体・映像作品は合計21 点だった。(志真斗美恵)続き

「なぜ私は東京都と争わなければならないのか」~疑問だらけの避難住宅追い出し訴訟
2月20日、東京高裁で「避難住宅追い出し訴訟」の控訴審が行われた。福島第一原発事故は、原発周辺だけでなく、膨 大な量の放射能をまき散らした。14年経った今も、放射線管理区域の基準を大きく超えたままの区域は多い。避難指示が出されず自力で避難した人たちに、唯一保障されていた住宅の無償提供。それさえも2017年3月に打ち切 られた。いわき市から東京都の国家公務員住宅に身を寄せていた鴨下祐也さん。実家の放射線量は依然として4万ベクレル/㎡で、帰ることなどできない。「避難住宅から追い出さないでほしい」と訴えてきたが、2022年2月東 京都は鴨下さんを提訴。2024年10月7日の東京地裁の判決は「損害金の全額支払い」「訴訟費用は被告が負担」「仮執行を認める」という都の担当者の請求通りの内容だった。避難者いじめ以外の何物でもない判決を不服とし て、鴨下さんは控訴した。(堀切さとみ)続き

集会報告 : 日本政府は女性差別撤廃委員会に真摯に向き合ってください
2月19日(水)午後1時から参議院議員会館講堂で「CEDAW拠出金除外問題を外務省に聴く 外務省決定の速やかな撤回 を!集会」が開催されました。外務省は、2025年1月29日の記者会見で、日本が毎年国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に拠出している資金を、国連のCEDAW(女性差別撤廃委員会)には使わせないよう求めたことを明らかに しました。このことに対し、女性差別撤廃条約実現アクションと日本女性差別撤廃条約NGOネットワークは、岩屋毅外務大臣あてに「質問および要望書」を2月5日に提出しました。そのなかで「外務省のこの決定は、日本が国 連機関との建設的対話によって相互理解を増進する方法ではなく、意に沿わない決定に対しては金銭的報復をするという、国連中心主義に反する外交姿勢を取ることを内外に明らかにすることです。(尾澤邦子)続き

フソー化成との闘い:不当労働行為(パワハラ)に対する損賠裁判が始まる
裁判の第1回口頭弁論が2月20日、東京地裁で行われました。法廷には東部労組各支部・組合員をはじめ、全国一般・全労働者組合、東部全労協、 江戸川地区労センターなど地域・友好労組の仲間が支援傍聴。このような中、小林社長・役員3名の被告は法廷に姿を現しませんでした。口頭弁論では北澤組合員が意見陳述を行いました。その中で北澤さんは、フソー化成で 横行していた一方的な賃金カットなど小林社長による労働者抑圧の実態を暴露するとともに、自身が被った数々の人権侵害的不当労働行為の実態について怒りとともに訴えました。その上で北澤組合員は、「なぜ私がこのよう な仕打ちを受けなければならないのか。社長であれば労働者に何をしてもいいとでもいうのか」と小林社長を強く糾弾しました。(菅野存)報告

浪花の歌う巨人・パギやんのドキュメンタリー映画「だぁほ!」完成
(3/6訂正)クラウドファンディングで製作資金を募っていた浪花の歌う巨人・パギやん(趙博)氏のドキュメンタリー映画「だぁほ!」(監督・大須賀博)がついに完成し、東京・台東区の 「泪橋ホール」と国立市の「キノ・キュッヘ」で試写会が行われた。記者は、2/16の国立市の上映会に参加。映画は、パギやんの日々の活動を追いかけながら、彼のまわりに集まる人、いっしょに作品を作る人、歌 を聴く人、迎える人、それぞれの営みにも迫っていく。舞台は大阪、東京、長崎、韓国、沖縄、北海道、滋賀県の琵琶湖の中にある沖島(日本唯一の湖の有人島)、と縦横無尽に駆け回っていく。パギやんの表現の 世界も、音楽、役者、高座、作家とどんどん広がっていく、その中でもパギやんはブレない、反体制、反差別を変えない。今後3月8日に大阪市生野区のYosuga、9日=京都市中京区のアトラス518で試写会が行われる とのこと。(にわゆきお)続き

パリの窓から:マクロン陣営と極右の融合(2)バイルー新政府
マクロン仏大統領は独断で国民議会を解散し、7月の総選挙の結果を否認して、首位の左翼連合、新人民戦線(NFP)政府の組閣を拒んだ。9月、野党 で得票率が最も低かった(6%)共和党(LR)のバルニエを首相に任命し、保守とマクロン与党連合の連立政府ができたが、12月4日にNFPの不信任決議が可決されて総辞職した。続いて12月13日、与党連合に属する モデム党(中道保守)のフランソワ・バイルーが首相に任命され、クリスマス直前の23日に再び保守とマクロン与党連合の新連立政府が組閣された。極右の国民連合(RN)と同様に反移民・反イスラム発言を重ねる ルタイヨー内務大臣(LR)、ボルヌ元首相、ダルマナン元内相(今度は法務大臣)など、大多数がこれまでの政府の閣僚をリサイクルした政府だ。(飛幡祐規)続き

「ガザは売り物ではない」〜トランプの暴言撤回求めて緊急デモ
トランプ大統領が米国によるガザ所有の可能性を語ったのは、2月4日のネタニヤフ首相と開いた共同記者会見の時だった。「米国がパレス チナ自治区ガザを長期的に保有し、再開発する」というトンデモ発言に、世界で反発が起きているが、2月16日、日本でも怒りの緊急デモが行われた。デモを呼びかけたのは、日本にいる諸国市民で構成する「パレ スチナに平和を!緊急行動」で、トランプの暴言撤回と日本政府の虐殺加担中止を訴えた。参加者は約350人で外国人の姿が目立った。「フリーパレスチナ」のコールが新宿の繁華街に響く。パレスチナ国旗を掲げ たり、「STOP! GENOCIDE」など英語のプラカードも多く国際色豊かな行進だった。手作りプラカードで記者の眼を引いたのは、「Gaza is not for sale ガザは売り物ではない」そして、(M)続き動画(3分半)

「ここで私が泣き寝入りをすれば今後も犠牲者を出し続ける」オンライン署名のお願い
高松市在住の寳田都子と申します。私は約38年間、看護師として働き、定年退職を1年余りのちに 控えた時期に、100床を有する介護老人保健施設を持つ医療法人福生会から頻回の要請を受け、2012年1月、59才で看護師長として転職をしました。長年父親の介護を行った経験から、ケアマネジャー資格を取得した 際の学びを生かし、看護師人生の集大成としたいという覚悟を持っての転職でした。しかし、待ち受けていたのは、入社時の条件とは全く異なる過酷な働き方でした。常態化した看護師不足による日々の残業・休日 出勤に加え、携帯電話に24時間・365日休みなく入る連絡により必要時は昼夜を問わず出勤するという異常な長時間労働、入社時から課せられた95%の入所者確保の厳しいノルマ、上司らからのパワーハラスメン ト、古参の職員達からの陰湿な嫌がらせによる孤立状態、そこに多くの雑務対応が加わりました。長い看護師人生で経験のない過酷を極める日々の連続でした。続き

〔週刊 本の発見〕「ポスト真実」の時代をさまよう私たち〜『情報戦争を生き抜く』
「情報戦争」という言葉が、どこか遠い国の、例えば米中、米ロなど国家間での問題と考えてきた感があ ったが、昨年初めて身近な問題として考え始めた。7月の東京都知事選の結果が衝撃だった。都民にはほとんど名も知られていなかった石丸伸二氏が無所属で出馬し、165万票も得て第2位に躍り出たのである。愚直 に政策をアピールする従来型の選挙戦とは異なり、政策は全く語らず、もっぱらSNSを駆使したネット戦略で、既成政党やマスメディアを批判、政治家を政治屋と揶揄するなどで目立った。投票率も前回比で約5ポイ ント増加したのにどう影響したかはわからないが、かれが若年層や無党派層の支持を広げたことは確かだ。(付言すれば、石丸氏は今年1月に新党「再生の道」を立ち上げたが、(内藤洋子)続き

渋谷に「天皇制は、いらない!」の声響く〜2.11反「紀元節」デモに参加して
デモ出発地点の神宮通り公園に近づくと、路上に何台もの警察装甲車と、歩道・車道に溢れる程の警官 隊…デモ前の見慣れた光景とはいえ、警官の数が尋常でない。デモの隊列は、およそ80人ーー「天皇制はいらない」「虚構の神話を押しつけるな」「建国記念日反対」…シュプレヒコールを上げながら、渋谷の繁華 街を進む。隊列が隠れてしまうほどの警察の大群が、我々の声を掻き消そうとするように「間を開けないでください! 進んでください!」と間断なく叫ぶ。時々、強面の男性が沿道から突撃してくるのを警察が止 めるのは、気脈の通じたパフォーマンスか? 唇にいくつもピアスをつけたおねえさんも、同様に制止されながら縁石に上がってガードレールから身を乗り出して何やら叫んでいる。(那須研一)報告アリの一言 *写真=ムキンポさん

あるくラジオ第30回(2/23) : 「山谷をめぐる旅-織田忍さんに聞く」
「生きることはたいへん、生きることはうれしい、希望を探して」。2018年10月に始まったインターネ ットを使ったラジオ「あるくラジオ」も7年目に入りました。今年初めての放送は2月23日、「山谷をめぐる旅-織田忍さんに聞く」をお送りします。日雇い労働者の街であり、「日本の三大寄せ場」の一つであっ た東京の「山谷」。今回のゲストは、その「山谷」の歴史と今を描く『山谷をめぐる旅』を、昨年秋上梓した織田忍さんです。織田さんは、この街で訪問看護師として働いています。かつてのドヤ街は、マンション などに姿を変えていますが、人々の営みは続いています。「労働」の街から「福祉」の街への変遷、織田さんが出会った人々、そして何よりも人々を惹きつけてやまないこの街の魅力についてお聞きしたいと思いま す。ご期待ください。(佐々木有美)続きあるくラジオHP

魂の絶唱と鮮烈なドキュメンタリー〜「阿呆の匙」ライブ&「狼をさがして」上映会
土曜日(2/8)の午後、谷保駅(国立市)近くのアングラ交流スペース・かけこみ亭へ。故・ぺぺ 長谷川 氏ゆかりの店。40名程が客席を埋める中、上映会のプレイベント=フォークデュオ 「阿呆の匙」(写真)のライブ開演…「♪山の上ではいつもの馬鹿が僕の大事な橅を切り倒す」… 魂の叫びに心が震える。続く 「浪江」「腰まで泥まみれ」も、感動のプロテストソング。 私が最も衝撃を受けたのは「名前を書いて」。わたしの足に名前を書いて、ママ/黒い油性のマーカーペンで/濡れても血みたいに/流れてしまわない ように/熱にさらされて/溶けて消えないように/わたしの足に名前を書いて、ママ/きょうだいみんなの足にも/こうすればみんな一緒/こうすればみんなママの子だって分かる/わたしの足に名前を書いて、マ マ(那須研一)続き

「東電はベントする時、ためらわなかったのか」~双葉町前町長が最終陳述で語ったこと
10年に及ぶ福島被ばく訴訟(井戸川裁判)が、2月5日に結審した。東京地裁103号法廷は満席。11名 の被告側(国・東電)代理人を前に、井戸川克隆さんは代理人も立てず、たった一人で原告席に立つ。福島第一原発5,6号機が立地する双葉町。事故を起こす前から「町長、大丈夫です。事故は起こしません」と 東電は言い続けてきた。双葉町民なら誰もが知っている「止める、冷やす、閉じこめる」。しかし、地震と津波で原発は壊れ、何一つ約束通りにはならなかった。そして、事故の半年前に佐藤雄平福島知事(当時) 主導で行われた避難訓練マニュアルは、まったくもって反故にされた。あふれだす悔しさを、どうにか60分でおさめた最終陳述だった。井戸川さんは町民を福島県外に避難させた、ただ一人の首長だ。事故当時、ア メリカは原発から80キロ圏外への避難指示を出したが、福島は20キロ圏内。人の命より経済優先、国の言いなりになってしまった福島県内59の市町村長の責任は重いと訴えた。(堀切さとみ)続き

東京東部労組:アミンさん労災隠し糾弾争議が勝利解決!
全国一般東京東部労組の組合員でパキスタン人労働者のアミン・モハマッドさんが会社による労災隠しを糾弾していた争議が勝利解決しました。 これまでアミンさんの闘いを支援していただいた仲間のみなさんに心より感謝申し上げます! アミンさんは2019年7月にゼネコンのピーエス三菱(現ピーエス・コンストラクション)が施工主をつとめる足立区内 のマンション建設現場で作業中にけがをしたにもかかわらず、会社側は元請け・下請け・孫請けの3社ぐるみで労災隠しを図りました。アミンさんは賃金も労災補償も得られない中で生活苦を強いられましたが、東 部労組に加入して労災申請したことを受けて労基署は労災を認定しました。しかし、その後も会社側は「事故の目撃者がいない」などと労災が起きたことすら認めず、あろうことかアミンさんを「詐病」扱いしまし た。(須田光照)続き

韓国民主化闘争連帯院内集会:戒厳令をはね返した強さに学び連帯しよう!
2月5日、参議院議員会館講堂において、韓国民主化闘争連帯院内集会が行われました。主催者あいさつで 金性済(キム・ソンジュ)さん(日韓和解と平和のプラットフォーム書記)は、「昨年12月3日の韓国の戒厳令に対し、日本で緊急記者会見を行い、民主化闘争に連帯する声明を出した。その賛同署名は140団体集ま った」と報告しました。韓国から来日した、ユン・ソンニョル即刻退陣社会大改革緊急行動共同議長のパク・ソグンさんと、韓国YMCA全国連盟事務総長のキム・ギョンミンさんから報告がありました。パク・ソグン さんは「昨年11月、ユン政権退陣を求める多くの人々がその流れをひとつにした。12月14日には200万人が国会前で集会を行い、ユン弾劾を行った」と話しました。(尾澤邦子) 続き

〔週刊 本の発見〕左だろうと右だろうと〜『「“右翼”雑誌」の舞台裏』
いわれや語源を明確に知らないまま、不断から気にせず使っている言葉がある。例を上げるなら、「だら しない」の「だらし」とは何か? 辞書を引けば〝物事のけじめ〟〝しまり〟などと説明されており、「しだら」が転じた言葉と書かれていたりもする。では、その「しだら」を調べてみると〝良くない行状〟〝好 ましくない成り行き〟などと書かれていて、すると、「ふ(不)しだら」は二重否定ということになってしまう。そこで翻って、実は「だらしない」とは「だらしが無い」ではなく「あどけない」「さりげない」と 同様の形容詞なのだ――たしかに「だらしなさ」とも使える――との説明も見かける。とはいえ、確実な定説というわけではないらしい。極めてポピュラーな政治的用語であり、我々もしばしば口にする「右・左」 「右翼・左翼」という言葉にしても、(大西赤人)続き

経団連は非正規労働者の声を聞け!〜非正規春闘2025がスタート
2月5日午前10時、今年3年目となる非正規春闘が日本経団連会館前でスタートした。実行委員会の青木耕太郎さん(総合サポートユニオン) によると、今回28の労働組合が参加し、140数社に申し入れをする。毎年参加者は拡大を続けており、日経平均株価が4万円を超える景気の中で、その恩恵が波及せず厳しい状況におかれている非正規労働者の怒り が現れているといえる。英会話学校で講師を務める東ゼン労組員は、外国語講師が期間雇用や業務委託など不安定な立場に置かれていること、物価高によって実質的な賃下げになっていることを訴えた。回転寿司ユ ニオンの吉田さん(写真)は、最近加入したメンバーからの「時給1000円で、週6日12時間も働かないと生活できない」という訴えを紹介し、10%以上の賃上げを要求した。(にわゆきお)続き動画(6分半)毎日 新聞ANN報道

被ばく問題に朗報!原発関連労働者ユニオンが「竹中工務店」に勝利命令
福島第一原発の収束作業に従事して白血病の労災認定を受けたあらかぶさん(仮名/50歳)が、元請業者の 竹中工務店に求めた団交要求に関して、1月29日東京都労働委員会は団交に応じるように命令を出した。命令文には「就労時における被ばく労働管理などの作業環境に係る事項について、誠実に応じなければならな い」としている。原発労働で下請労働者が元請に求めた団交が正当と認められたのは、初めてのことで画期的な命令だった。2月4日午後、この問題で記者会見が厚労省で開かれた(写真)。出席したのは、原発関 連労働者ユニオンの川本副委員長、池田書記長、そして当該組合員のあらかぶさんだった。川本さんは「私たちの要求は,実際に浴びた放射線量の資料を出してほしい、元請として協力してくれというものだが、そ の一歩が進んだことは大きい」。(M)続き東京新聞

サンケン尾澤裁判 : 「ふざけるな!恥を知れ!」最高裁判事ビルに怒りぶつける
2月3日午後1時、最高裁正門前には「サンケン弾圧-尾沢裁判 最高裁上告棄却 弾劾!怒」のプラカード をもっと人々がずらりと並んだ。正門前は、判事が入っているビルにもっとも近くスピーカーの声が届くところ。わずか3週間で上告棄却する最高裁の姿勢に、約60人の支援者は怒り心頭で、判事のビルに向かって 「ふざけるな!恥を知れ!」の怒号が響いた。サンケン尾澤弾圧事件は3年半前にさかのぼる。2021年5月10日、サンケン電気と警察は結託して、支援運動のリーダーだった尾澤孝司さんを「暴行・威力業務妨害」 容疑で逮捕した。尾澤さんが会社に要請書を手渡そうと構内に入ろうとしたとき、警備員に行く手を阻まれ、尾澤さんが路上に押し出されたのだが、その「押し合い」を一方的に尾澤さんの「暴行」とされた。会社 の狙いは運動つぶしだったことは明らかだった。(M)続き動画(11分)

韓国クーデター未遂事件を深掘りするフランス・メディア
1月29日、日刊紙ル・モンドはフィリップ・メスメル記者の「韓国での練り上げられた戒厳令」という記事を掲載し、内乱罪で起訴された韓国 大統領(職務停止中)の尹錫悦(ユン・ソンニュル)被告が1980年の全斗煥による軍事クーデターをモデルに、数年前から戒厳令のシナリオを練り上げていた事実を暴露した。フランス発グローバルニュースNO.16 (2025.1.20)で、フランス月刊紙ル・モンド・ディプロマティーク2月号に掲載されたルノー・ランベール記者の記事「韓国でのクーデター未遂事件〜ひび割れた民主主義」を紹介した。この記事では、尹被告が 「北朝鮮の脅威や反国家勢力から韓国を守る」ため用意周到にクーデターを準備していたことを明らかにしているが、これに呼応するかのようにル・モンド紙はクーデター計画を実行するにいたった内幕を白日の下 にさらしている。(土田修/グローバルニュース番外編)続き

米国労働運動 : トランプの対メキシコ・カナダ関税発動と労働組合
【解説】トランプ大統領は2月1日からメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を掛けようとしている。現行の米国・メキシコ・カナダ協定 USMCAでは原則関税ゼロだが、一律に25%を掛けることで三か国の労働者は甚大な影響を受ける。レイバーノーツ2月号の記事は、トランプの関税発動に対する三か国の労働組合の対応と国境を越えた連帯について伝 えている。(レイバーネット国際部 山崎精一)・・ベン・ヒンジーは9年間自動車産業で働いているが、見当違いの非難をたくさん見てきた。人員削減の危機はいつも迫っている。ヒンジーはオハイオ州トレドに あるステランティス・ジープ工場で現在の仕事に就いたが、それはその前に働いていたクライスラー・トレド・マシニング工場が2017年の人員削減で消滅したためだった。続き

2025春闘によせて:「労働者にはストが必要だ」東海林智
彼女は地面を何度も蹴り、自らを鼓舞するようにして、震える声で叫んだ。「私たちがなぜストライキに立ち上がったのか。何の力にもならない、 仲間を増やしてからやればよいとも言われた。私たちは1年ごとの契約更新があり、不満があってもそれが怖くて声を上げられなかった。でも、声を上げたい」。2013年3月18日。ストライキに立ち上がった地下鉄 の売店で働く労働者の組合「全国一般東京東部労組メトロコマース支部」の後呂良子委員長(当時)の発言だ。寒風の中、支援の労組が掲げる組合旗やプラカードに囲まれ、わずか6人の非正規の仲間が、声を上げ た。その感動的な場面は今でも鮮やかに思い浮かべることができる。今から12年前の出来事を持ち出したのは、今月、医療労働者の京都医労連の中央委員会で講演したのがきっかけだ。(東海林智)続き

アリの一言:皇室典範改正を勧告した国連への報復は何を意味するか
政府・外務省は29日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に拠出している資金の使途から女性差別撤廃委 員会を除外することを決め、国連に通告しました。「(同)委員会が昨年10月、男系男子に皇位継承を限る皇室典範の改正を勧告したことへの対抗措置」(30日付京都新聞=共同)、すなわち報復です。これは日本 の天皇制がいかに非民主的であり国際的人権感覚からかけ離れたものであるかを示す象徴的な出来事です。記者会見した北村俊博外務報道官は日本政府の見解として次の2点を挙げました。①「皇位につく資格は基 本的人権に含まれない。男系男子に限定されていることは女性差別に該当しない」②「皇位継承の在り方は国家の基本に関わる事項。女性差別撤廃委員会で取り上げることは適当でない」(アリの一言)続き

 
明日のイベント
ここをクリック

劇映画「生きがい IKIGAI」& ドキュメンタリー「能登の声 The Voice of NOTO」公開(7/11~ 東京ほか)

生配信 映画「生きがい IKIGAI」から考える能登の声とわたしたちの未来(7/11 19:00~ YouTube)

娘なことは、罪ですか? 彼女の「人生」を許さない「社会」とは? 映画『それでも私は』公開(7/11~ 神奈川、栃木)

この町で、この国で、果たして民主主義は生き残れるのか ドキュメンタリー映画「能登デモクラシー」公開(7/11~ 長野、宮崎)

大田昌秀と翁長雄志、二人が相剋(そうこく)の果てに辿り着いた境地とは-「太陽(ティダ)の運命」公開(7/11~ 宮城、山形、福島)

「どうしたら人は分かり合えるのか?」という問いへの一筋の希望 ドキュメンタリー映画「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」公開(7/11~ 山形)

香港民主化運動の壮絶な記録「灰となっても」公開(7/11~ 神奈川)

7/10までに申込み オンラインセミナー「強制動員被害者の人権回復を阻んだ日韓請求権協定」矢野秀喜さん(7/11 19:30~ オンライン)

日本政府はイスラエル製殺傷ドローンを導入するな!イスラエルに永久停戦をもとめろ!名駅前街頭宣伝(7/11 12:00~ 名鉄名古屋駅前)

経産省抗議行動(毎週金曜夕刻)

戦争・治安・改憲NO!総行動 トランプ来日反対実 7・11アメリカ大使館抗議行動

前田朗・反差別連続講座第2回「1998年のヘイト・クライムー千葉朝鮮会館強盗殺人放火事件(浦和)

黒い雨訴訟をテーマとした演劇「Pica」(劇団 ハトノス)東京公演 6/19-22 広島公演 7/11-12

7/11までに申込み 座標塾第21期第3回「フェミニズムの現在」本山央子さん(7/18 18:30~ 東京・文京区民センター&Zoom)

ドキュメンタリー映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』上映会(7/11 大阪市)

 

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について