賃上げしたはずなのに「年収が50万円減った」32歳女性の嘆き。“若手優遇の給与体系”に納得できない
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“ゾンビ企業”が相次ぎ倒産
一方、同社の調査によると、賞与の増額に踏み切った中小企業の割合(45.3%)が、大企業の数値を8.8ポイントも上回ったという。 「中小企業は基本給を大きく動かすのが難しい分、賞与で調整する傾向があるからです。一方、大企業は制度改定の時間軸が長く、賞与も制度設計の一環として硬直化しやすい。規模の違いによって、賞与額の動かしやすさが分かれます」 そして今危ぶむべきは、コロナ禍の助成金で延命した“ゾンビ企業”の相次ぐ倒産だという。 「助成金を食いつぶしてしまった企業は、もともとガバナンスが悪く倒産率も跳ね上がっています。今、国の支援は『売り上げ100億円企業を目指せる会社』にある。いわゆる資金繰り補助から生産性支援へのシフトです。そこに気づけない経営者から脱落していくでしょう」 賞与という制度の中に、企業の体力・方向性・危機意識のすべてが透けて見える。 【東京商工リサーチ 原田三寛氏】 同社情報本部・情報部長。大学卒業後、横浜支店調査部で企業信用調査に従事。’15年から現職。帝京大学元非常勤講師 取材・文/週刊SPA!編集部 ―[不祥事&リストラ企業[夏のボーナス]大調査]―
日刊SPA!
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