「台湾侵攻なら北京を爆撃」トランプ氏、習氏に伝えたと説明 献金者向け会合の音声を米報道

トランプ米大統領(ロイター=共同)と中国の習国家主席(新華社=共同)
トランプ米大統領(ロイター=共同)と中国の習国家主席(新華社=共同)

【ワシントン=坂本一之】米CNNテレビは8日、トランプ大統領が就任前の2024年に開かれた献金者との非公開会合で、中国の習近平国家主席に対して台湾を侵攻すれば「北京を爆撃する」と伝えたことを披露する音声を報じた。この発言により中国の台湾侵攻を抑止したと強調。自身の外交成果としてアピールした。

音声によると、トランプ氏は会合で、習氏やロシアのプーチン大統領とのやり取りを紹介。トランプ氏が「北京を爆撃する」と脅したのに対し、習氏は「北京?」と聞き直し、トランプ氏は「他に選択肢はない」と畳み掛けたという。トランプ氏は、習氏が自身のことを「狂っていると思った」とし、爆撃発言を「習氏は10%しか信じなかった。10%、いや5%でも十分だ」と述べ、台湾侵攻を押さえ込んだと主張した。

トランプ氏はプーチン氏にも「ウクライナに侵攻したらモスクワを爆撃する」と圧力をかけたことを会合の参加者にアピールした。習、プーチン両氏とのやり取りは大統領1期目のものとみられるが、こうした発言を実際にしたかどうかは明らかになっていない。

CNNは音声に関し、再選を目指していたトランプ氏が東部ニューヨークや南部フロリダで開いた献金者らとの会合での発言としている。

トランプ氏は昨年10月の米紙インタビューで、中国が台湾に侵攻した場合の対応を巡り「150~200%の関税を課す」と指摘。「習氏は私がかなりクレージーだと分かっている」と語り、米国の軍事力行使が必要な事態にはならないとの考えを示している。

現在のトランプ氏は習氏との良好な関係を強調し、批判を抑え首脳会談を模索している。

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