富士通に英政府の独立調査委が勧告、郵便局会計システム欠陥による冤罪被害の救済で
【ロンドン=中西梓】富士通子会社の会計システムの欠陥が原因となった英国の郵便局での冤罪(えんざい)事件で、英政府が設置した独立の調査委員会は8日、英政府と郵便局の運営会社、富士通に対し、冤罪被害者や家族に対する幅広い救済措置を設け、対応を急ぐよう求める勧告を発表した。救済措置の概要を今年10月末までに公表すべきだとしている。
委員会は勧告で、既存の補償制度は不十分で、郵便局の運営会社が補償の実施に後ろ向きなケースも多く見られたと指摘。直接の冤罪被害者だけでなく、影響を受けた家族に対する補償の実施や、補償に向けた常設の公的機関設立など、幅広い救済措置を取ることが喫緊の課題だとしている。
委員会は来年までに最終報告書を公表する予定だが、適切な救済措置ができるだけ早く実施されるべきだとして、被害や補償の調査結果を先行して発表した。
英政府は昨年5月、冤罪被害者の有罪判決を一律で取り消し、1人あたり最大60万ポンド(約1・2億円)の補償金を支払う救済法を制定。法制定前の支払いも含めると、今年6月末までに7900人以上に総額約11億ポンド(約2200億円)の補償金が支払われた。富士通は、政府が支払った補償金の一部を負担すると表明している。