九州商船が「長崎-有川」の高速船運休へ…競合社への補助「極めて不当な状況」
九州商船(長崎市)は7日、長崎港と新上五島町の有川港を結ぶ高速船を8月25日から1年間、全便運休すると九州運輸局に届け出た。同社は、長崎-上五島航路の競合他社に多額の公金を投入しているとして石田信明町長を相手に複数の訴訟を起こしており「不公平な状況での航路経営はこれ以上続けられない」としている。長崎-有川航路の累積赤字は約17億円に上るという。 九州商船によると、同町に6月24日、文書で運休を伝えた。長崎-上五島航路で九州商船と競合関係にある五島産業汽船(同町)は、長崎港と同町の鯛ノ浦港を結ぶ便で、町有の高速船2隻を指定管理者として運航している。九州商船は文書で「町の所有を理由に、船舶修繕費など多額の費用に対して町が同社に補助金(指定管理料)を支給している極めて不当な状況が続いている」と批判した。 石田町長は取材に「赤字額は今回初めて知った。これまで利便性を向上させるために(競合2社による)共同運航などの協議の場を設けようとしたが、受け入れてもらえなかった」と説明。運休について「急な連絡で驚いている。町民の生活はもちろん秋の観光シーズンへの影響も大きい。一部の裁判は確定し、町の主張が認められている。不公平という運休理由は納得できない」と語った。 同町は航路の維持存続と利便性向上への取り組みを検討するよう九州商船に文書で伝えた。 九州商船は2015年10月に長崎-有川航路を就航。同年11月に使用していた船が火災を起こして一時休止したが、16年10月に新造船の「シープリンセス」で再開した。同航路の昨年の利用者数は約6万人。長崎-新上五島航路は現在、1日に九州商船が3往復、五島産業汽船が2往復を運航している。