絶望という言葉にはちょっとポップな響きがあるじゃないですか。そうではなく、心のブレーカーがパチンと落ちた感じなんですよ。無になった。
この数年、世の中の嫌なことや次々と襲いかかってくる悪意に対して、うわ、最悪だと思いながら、自分なりにポジティブな方向に変換できるんじゃないかって一生懸命やってたけど、パチンって。「あ、もういいや」と。
世間に対して心が醒める感覚がありました。絶望というよりもあきれたという感じで。
…最低なことがあって、本当に辛くて、悔しくて仕方ないのに、ご飯を食べたらおいしくて「うま」って言ってしまう。
さまざまな感情が常に混在している、そういうのが人間だと思うんです。
最悪なニュースに接して、人間なんてクソだと思った次の瞬間に、身近な人の優しさに触れたりとか。世の中をみても、人を見ていても、いろいろな側面が同時に存在している。
……全く本当に、とてもそう思う。