先日、Red Bull Music Festival Londonの一環としてPrintworks Londonで開催されたAphex Twinのスペシャルライブを目撃した人は、本人のトラックやモジュラーシンセインプロ、オールドスクールなハードコアやジャングル、さらには最新のエレクトロニック・ミュージックまで含まれている包括的な内容だったことを知っているはずだ。
というわけで、今回は当日のセットリストを可能な限りSpotifyプレイリストにまとめてみることにした。また同時に特筆すべきスペシャルトラックを以下にいくつか紹介しておく。
Renegade Soundwave「Ozone Breakdown」
Richard D JamesだけではなくThe ProdigyやThe Chemical Brothersのような他のビッグアーティストにも愛されたロンドン出身のトリオ(Danny Briottet、Carl Bonnie、Gary Asquith)Renegade Soundwaveはハードコアレイブのパイオニアだった。
クラシックサンプラーAKAI S900を使ってダブ、テクノ、パンクの美学を組み合わせていた彼ら独特のブレイクビーツの魅力は今も色褪せていない。
Gescom「D1」
Gescomは複数のアーティストで構成されている覆面プロジェクトだが、Aphex Twinが所属するWarp RecordsのレーベルメイトAutechreのRob BrownとSean Boothが関わっていることで知られている。
覆面プロジェクトだけあり、GescomのサウンドはAutechreのそれとはやや異なり、知性よりもタフなアシッドサウンドやエレクトロビートにフォーカスしているが、「D1」が示している通り、テクノロジー的魅力とグルーヴィーなリズムを同居させることは可能なのだ。
DJ Doktor Megatrip「Joy」
DJ Doktor Megatrip名義でリリースされた「Joy」だが、実際はThrobbing Gristleの元メンバーGenesis P-Orridgeが率いるベテランインダストリアルバンドPsychic TVの作品だ。
Psychic TVの1980年代中期インダストリアルサウンドからやや距離を取っている「Joy」はレイブサウンド人気にあやかろうとした作品だが、クオリティは非常に高かった。
このトラックの効果的なアシッドサウンドと力強いリズムは、リリースされた1988年のアンダーグラウンドレイブシーンの中でユニークな変化球として重宝された。
ZULI「Trigger Finger」
Aphex Twinのセットリストの前半はハードコアレイブとテクノのクラシック&ディープトラックで構成されていたが、中盤に入るとコンテンポラリーなトラックがプレイされ、本人が今も新しいサウンドを貪欲に模索しているアーティストであることを証明していた。
当日プレイされたニューサウンドの好例がこの「Trigger Finger」だ。エジプト・カイロ出身のビートメイカーZULIのジャングルとヴォーカル、ディストーションを大胆に組み合わせたこのフュージョントラックはナーバスなアドレナリンと悪意に満ちた強烈なムードを醸し出している。
Aphex Twin「Stone In Focus」
このトラックはSpotifyでは聴くことができない。また、ヴァイナルで入手するのも簡単ではない。
これはAphex Twinのアルバム『Selected Ambient Works II』のヴァイナルバージョンにのみ収録されているトラックだ。そしておそらくそれが理由で、Aphex Twinファンの中で最もレアなトラックのひとつとして評価されている。
そのため、このトラックがライブで披露されるとコメント欄は喜びのコメントで満たされることになる。Printworksではショートインタールードとしてプレイされたが、YouTubeならフルレングスを聴くことができる。