大阪府守口市の学校法人吉川学園「早苗幼稚園」(吉川歩実(あゆみ)理事長)の園児らが7日、大阪・関西万博でタンザニアの関連イベントに出演し、ダンスを披露した。同幼稚園の園児らは1970(昭和45)年の大阪万博でもタンザニアのバンドと共演しており、55年ぶりの交流。還暦を過ぎた卒園生らも駆けつけ声援を送った。
イベントはフェスティバルステーションで開催された。トップバッターで法被姿の園児約40人が登場。「ジャンボ」(スワヒリ語でこんにちは)と元気にあいさつし、万博の公式テーマソング「この地球(ほし)の続きを」に合わせてダンスを披露した。演技後は保護者や教職員、タンザニア政府関係者らもステージに集合し、記念撮影した。
70年の万博では太陽の塔がある「お祭り広場」で、タンザニアのバンド演奏にあわせて園児約240人が両手に日の丸やタンザニアの国旗の小旗を持ち「旗体操」を披露したという。
当時参加した元園児の尾寺(おのでら)裕子さん(61)は「バンドのすぐそばにいたので演奏の音の大きさにびっくりした。もう一度万博でタンザニアの人たちと再会できるなんて夢にも思わなかった」と感激していた。
約2年前、70年当時の園長だった故・吉川三郎さんの遺品から出演を記したメモが見つかった。幼稚園側から駐日タンザニア大使館に55年ぶりの交流を打診し〝再演〟が決まった。
交渉を仲介したタンザニアの在大阪名誉領事の鴻池一季(かずすえ)氏(鴻池組元会長)は「時間と距離を飛び越えて交流が実現できて素晴らしい。園児らが懸け橋となり日本とタンザニアの絆がさらに強まった」と話した。