増えた消費税収4兆円は誰のもの? 強まる「医師の賃上げ」圧力
4兆円に上る消費税の増収分を医師らの賃上げに充てようと、医療界や厚生労働族議員が気勢をあげている。「消費税は社会保障財源」との原則を強調し、減税での国民への還元は難しいものの「医療分野には回せるはず」と主張する。年末の2026年度診療報酬改定に向けた争点の一つになる。
確かに消費税の税収は伸びている。税率が8%から10%になった効果が通年で出た初年度(20年度、国税分)は21兆円だった。財務省が...
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(更新)- 小黒一正法政大学経済学部 教授分析・考察
政府が2023年12月に閣議決定した「こども未来戦略」では、脚注ながら、医療・介護の社会保険料率の上昇を最大限抑制することが明記されています。これも正式な閣議決定ですから、政府方針として尊重されるべき内容です。もっとも、詳細は省きますが、医療の社会保険料率に上限を設けることは、医療費を中長期的な名目GDPに沿って伸ばすことにも相当し、この仕組みは基本的に「医療費成長率調整メカニズム」(医療版マクロ経済スライド)の導入でも実現できます。仮にこの仕組みが実現すれば、名目GDPの成長に伴い税収も自然に増加するため、その範囲内なら、診療報酬の水準を維持・引き上げる余地も生まれるのではないでしょうか。
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(更新)
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