スマッシュヒットしたTVアニメ1期をひさびさに視聴。
完全にテンプレートだが嫌味なくハイクオリティな映像でやりきったことは、2011年の時点では突出した作品だと思う。『マクロスフロンティア』の延長にあるORANGEの3DCGアクションも良いし、歩行シーンがあるからと原作のメカデザインに足首を追加したようなアニメスタッフのアレンジもうまくいっている。
当時はキャラクターが良いだけと評されていたが、ストーリーも意外と悪くない。まんべんなくキャラクターを順繰りに登場させつつ、以前に登場したキャラクターの出番が極端に少なくなるわけでもなく、バランスよく配置されている。基本的に専用機をもつキャラクターが前面に出る世界観でありつつ、興味本位に学生生活を楽しむサブキャラクターが存在感をもって主人公たちのドラマをとりかこみ、けっこう世界観が広い。
決戦の前半にあたる第11話でまぎれこんだ民間人の安全のため戦闘を中断しようとするのが主人公側で、しかもその民間人が密漁をおこなっている犯罪者なところは感心させられる。どの国籍の密漁船かはまったくわからないが、それでも当時から現在まで拡大しつづける権威主義的順法主義や排外主義を正面から否定したヒロイックな世界観は現在に見ると心がふるえた。
最終的にすべてが天才の掌の上とにおわすオチは感心しないし、OVAやTVアニメ2作目こそつくられたものの原作の続刊が絶望的な現状では単独で完結した最終回にしてほしかった感もあるが。