宮城県白石市は、2019年3月に閉校した旧白川中学校の利活用事業者として、「(仮称)学校法人地球共創学園準備委員会」を選定した。2025年2月に同委員会から大学院大学の開校を目的とした事業計画書が市に提出され、3月に白石市が選考委員会を開催して選定を決めた。

大学院大学提案者による「本学の精神」(出所:白石市)
大学院大学提案者による「本学の精神」(出所:白石市)
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説明会のチラシ(出所:白石市)
説明会のチラシ(出所:白石市)

 (仮称)学校法人地球共創学園準備委員会は、耕作放棄地の再生を軸に農業体験や教育などを手掛ける農業ベンチャー、マイファーム(京都市)の西辻一真代表取締役が立ち上げに参画し、代表も務める組織だ。同委員会では、今年10月に大学人設立の認可を文部科学省に申請し、翌年に認可が下りれば2027年4月に開校したい考えだ。学生数は1学年50人程度を想定する。このプロジェクトは西辻氏個人として関わっているが、将来的にはマイファームの教育事業との連携も視野に入れている。

 大学院大学では、農業や森林といった地域資源を活用しながら「地球環境時代における『自然と人の暮らしの良きあり方』を研究し、これまでの常識にとらわれない付加価値の付け方を学び、社会に新たな提案を行う「創造的人材」を育成すること」を目的とした教育を行う。企業とアライアンスを組んでコースをつくることも検討しており、西辻氏によると既に一部協議を進めているという。そのほか、地元の小中学校、高校との連携や「未就学児童」の自然体験教育、森と農に関心の高い社会人の「リカレント教育」の併設も検討している。

 整備地である旧白石市立白川中学校および周辺施設の面積2000m2。JR東北本線の北白川駅から徒歩で約12分ほどの場所に位置する。大学院大学開校のための施設改修に際しては、「民間企業へのインセンティブ付与によるPPP型の投資スキームをとりたい」(西辻氏)という。

 白石市の山田裕一市長は4月30日の記者会見で「今回大きな期待を抱いている。例えばこちらで起業をしたり、もしくは地元企業に就職したりする人材を育成する教育機関ができるということは非常に大きなこと」「学びなおしも含めて、市民の皆さんの教育の機会がさらに充実していくことにもつながる」と大学院大学設立への期待を寄せた。

 白石市では5月27日、白川小学校体育館で市民向け説明会を開催。事業者から直接説明を行う予定だ。