農家からコメ「買い取り」、JAの47% 小泉農相が概算金から転換促す
小泉進次郎農相は8日、各地の農業協同組合(JA)が農家からコメを集荷する際に、農家がすぐに収入を確定できる「買い取り」方式の実施は約半数だったと明らかにした。2023年度にコメを取り扱う全国472のJAのうち47%にあたる222のJAが買い取りを実施していた。
小泉氏は8日の閣議後の記者会見で「すでに約半数が買い取りになっていて、これからは農家がリスクを負うのではなくJAがしっかりリスクをとって売っていく」と言及した。小泉氏は「あと4%で過半数になる」と述べ、買い取り方式の採用拡大を期待した。
小泉氏は6月20日に全国農業協同組合中央会(JA全中)や全国農業協同組合連合会(JA全農)の幹部と会談し、代金を仮払いする概算金の仕組みからの転換を促した。概算金だと農家の所得の安定につながらないとみている。
農林水産省によると買い取りのみなのは全体の11%にあたる53のJAで、169のJA(全体の36%)は概算金による委託販売か買い取りかを選べる仕組みだった。
概算金は例年8〜9月に水準が決まり、農家はJAに販売を委託する形で仮払いの概算金を受け取る。JAはコメが高く売れれば、経費などを差し引いて農家に追加で支払う。農家にとっては収入が概算金から増えるか否かが1年以上分からないリスクがある。
近年は民間業者が概算金より高い金額を農家に提示してコメを集め、JAが想定した量を集荷できない状況も発生しているとされる。小泉氏はJAに農家から適正な価格で買い取ったうえで、自ら販路を広げる一層の努力を要求した形だ。
実際に買い取り方式に移行する動きが出始めた。
主産地の宮城県や岩手県では県単位のJA全農みやぎ(仙台市)やJA全農いわて(盛岡市)が25〜27年産の主食用米を毎年同じ価格・同じ量で買い取る方針を決めた。契約後にコメ価格が上昇した場合は差額を追加で支払う仕組みも設ける。
県単位で買い取り方針が決まれば、実際に農家の窓口となる地域のJAにも概算金からの転換が広がる可能性がある。地域単位のJA常陸(茨城県常陸太田市)は25〜29年産で5年契約の買い取りを始める。
2024年に表面化したコメ価格の高騰を受け、農林水産省は備蓄米放出などの対策に乗り出しました。その過程で、政府の農業政策や流通経路における目詰まりなど、コメの生産・流通を巡る課題が顕在化しています。最新ニュースや解説記事をまとめています。
【ビジュアル・キーワード解説】