ドキュメント鳩山内閣

首相「アジア外交」を始動

 【ソウル時事】鳩山由紀夫首相が重視する「アジア外交」が本格的に始動した。初訪韓した9日の李明博大統領との会談では北朝鮮核問題で連携強化を確認。「東アジア共同体」構想でも韓国の協力を取りつけた。ただ、両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題がくすぶるほか、日韓経済連携協定(EPA)交渉が停滞している状況には変わりはない。具体的な外交成果を上げるには、なお時間がかかりそうだ。
 「前向きに結論を出していきたい」。首相は首脳会談後の共同記者会見で、韓国側が期待する永住外国人への地方参政権付与問題で一歩踏み込んだ。この問題では民主党内にも反対論があり、政権の火種となりかねないテーマだ。それでもあえて積極姿勢を示したのは、首相の韓国重視の表れで、韓国側も「評価したい」(高官)と歓迎している。
 首脳会談で首相は「私の政権は歴史にしっかり目を見開いて物事を進める勇気を持っている」と大統領に伝え、「未来志向」の関係強化で一致。会談は友好ムードに終始し、所期の目的である「首脳間の信頼関係構築」(首相同行筋)は果たした。
 一方で、両国間の微妙な問題については「棚上げ」した印象が否めない。2004年11月を最後に交渉が中断している日韓EPAや、天皇訪韓などの話題が首脳会談で取り上げられることはなかった。懸案事項の解決は先送りされた形だ。
 「友愛」を掲げる鳩山外交。韓国ではおおむね好意的に受け止められたが、来年は日韓併合100年という節目の年に当たる。韓国では歴史問題への関心が高まるのは必至とみられ、「なごやかな雰囲気が漂うのは年内まで」(外務省筋)との指摘もある。次回以降、首相の手腕がまさに問われる。(2009年10月9日配信)

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