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「100円朝食」「100円ごはん」大学で増えている背景は? #エキスパートトピ

なかのかおりジャーナリスト、早稲田大参加のデザイン研究所招聘研究員
物価高や米不足は大学生にも厳しい写真:イメージマート

100円朝食や、100円ごはんを提供する大学が増えている。長く続けてきた大学もあるが、物価高や米不足により近年、注目されている。メニューはカレーやおにぎり、定食など様々だ。

総務省統計局が2025年2月に行った「家計消費単身モニター調査」によると、単身世帯の1ヶ月の食費の平均は男性が約4万7千円、女性が約3万5千円。平均すると、1日3食で1食あたりおよそ455円。コロナ禍や物価高で、材料費も外食も高く、お弁当も400円で作るのは難しいと言われている。一人暮らしの大学生も、厳しい状況にある。

ココがポイント

100円カレーDAYは、物価高や米の価格高騰などの影響で昼食を取らない学生が増えているため3年前から開催しています。
出典:khb 2025/4/25(金)

学生に栄養バランスの取れた食事を1食100円で提供することで、経済的な負担を減らそうと山梨大学がおととしから行っています
出典:NHK 2025/5/12(月)

安く食事を提供するこの取り組みは企業からの運営費で賄っているのが特徴で、食堂のモニターに企業を紹介する動画を流したり
出典:NHK 2025/6/17(火)

学生の皆さん、たくさん食べて、たくさん学び、大学生活を思い切り楽しんでください。保護者会の皆さまとともに、応援しています
出典:浦和大学 2025/7/4(金)

エキスパートの補足・見解

大学の学食で400円程度はするものを、様々な人たちからの寄付により100円で食べられるようになっているという。

財源は、保護者や卒業生からの寄付、学校が出している場合もある。企業が提供して、食堂でモニターの動画を流し、企業のことを知ってもらう取り組みもある。

物価高や米不足などの影響で、「昼食を食べない生徒が増えている」と説明する大学もあり、衝撃だった。確かに、スマホ代は必要だけれども、他にお金がかけられないという話も聞く。今までとは違う価値観もあり、100円ご飯の取り組みが必要なのかもしれないと思った。

様々な背景はあるにせよ、経済的に厳しい学生がバランス良い食事を安く食べられる試みはありがたい。コロナ禍以降、地域によっては、子ども食堂などで大学生がボランティアをしてご飯を一緒に食べたり、フードバンクの支援を受けたりしている。少ないが、若年女性の駆け込み寺もある。大学生は支援される側になりにくく、孤立しやすい。地域との連携が必要だ。

まず、大学の学食が身近で、利用しやすい。そこでフードバンクをしたり、備蓄米を活用したり、食堂を手伝ったり、お互いがプラスになるような取り組みも増えるといいと思う。

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ありがとうございます。
ジャーナリスト、早稲田大参加のデザイン研究所招聘研究員

新聞社に20年余り勤め生活・医療・労働の取材を担当/ノンフィクション「ダンスだいすき!から生まれた奇跡 アンナ先生とラブジャンクスの挑戦」「ルポ・子どもの居場所と学びの変化『コロナ休校ショック2020』で見えた私たちに必要なこと」「読者が参加するメディアのいま」「子ども第三の居場所というプラットフォーム(日本財団協力)」「3.11から10年の福島に学ぶレジリエンス」「社会貢献活動における新しいメディアの役割」「家庭訪問子育て支援ホームスタートの10年」「障害者の持続可能な就労に関する研究 ドイツ・日本の現場から」早大大学院社会科学研究科/講談社・日経・Forbes等寄稿/英検準一級・FP三級

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