経営者・リーダー
日本のモメンタムを上げるために尽力している企業に焦点を当て、創業からこれまでの歩み、未来の展望を深掘りする企画「モメンタムヒストリー」。
今回は、中堅・中小規模の店舗のデジタル化を総合的に支援する STORES 株式会社にフォーカス!
ネットショップ開設やキャッシュレス決済、オンライン予約システムなど、複数のプロダクトにより成長を遂げてきた同社。順調に見えていた裏で、実は“迷い”が生じていた時期もあったと言います。
「単体のプロダクトではなく、 STORES として提供すべき価値は何か、見えなくなってしまったんです」と当時を振り返るのは、取締役の佐俣奈緒子さん・執行役員CPOの井出優太さん。
STORES は“迷い”の時期をどう乗り越え、プロダクトとしてあるべき姿を見出していったのか…!?
「お店の売上成長にコミットする」という STORES の本質にたどり着くまでのヒストリーを、お二人とともに振り返ります。
以前の記事はこちら: 変化の波を一緒に乗り越える存在に。フロントオフィス業務のDX化を支援する「STORES」のすごいモメンタム
──STORES は7年前の2018年にスタートしています。改めて創業の経緯を教えていただけますか?
佐俣:STORES は事業者さま向けの決済サービス「Coiney」を提供するコイニーと、ネットショップ作成サービス「STORES.jp」を提供するストアーズ・ドット・ジェーピーが経営統合する形で立ち上がった会社です。
「Just for Fun」をミッションに掲げ、店舗運営に携わる方々がより簡単に・より効率的に事業運営できる環境を提供すべく、店舗のデジタル化を総合的に支援するサービスを展開しています。
創業時はネットショップ開設・キャッシュレス決済から始まりましたが、2020年8月にクービックをグループ化し、新たにオンライン予約システムも提供。プロダクト数を拡大することで、お店のデジタル化における課題を解決できるようにしていきました。
佐俣:コロナ禍を機に、お店のデジタル化のニーズも急速に高まり、サービスも順調に成長。一定の手応えは感じていました。
ただ、続けていく過程で「本当にこのままで良いのかな」と、今後の STORES のあり方に“迷い”を感じてしまった部分があるんです。
──“迷い”というのは…?
佐俣:複数のプロダクトを提供して成長を加速させる、いわゆる“コンパウンドスタートアップ”を掲げる企業が、ここ数年で増えてきましたよね。
“複数のプロダクトを展開する”という意味では STORES も近しいのですが、世間に認知されているあり方とは少し異なります。
というのも、多くのコンパウンドスタートアップは社内に蓄積したデータや共通基盤を活用して新しいプロダクトを生み出していくのですが、STORES は複数のスタートアップが統合する形でプロダクトを増やしてきた会社です。
元々独立していたプロダクトが集まっているので、それぞれのプロダクトで開発の歴史もデータの扱い方も異なるうえに、共通基盤もなかったんです。
──プロダクト同士の連携が取れていたわけではなかったんですね。
佐俣:初期はそれでもよかったんですが、「店舗のデジタル化を総合的に支援する」というゴールから見たら、プロダクト同士が連携できていた方がいいですよね。
そこで、私たちも共通基盤を開発してデータを連携させていこうとは思ったものの…単品のプロダクトが各々伸びていたのもあり、当初からもう少し将来的な計画としておいていました。
──なぜ、着手ができなかったのでしょう?
佐俣:共通基盤の開発はあくまで「会社の中の仕組みを整える」ためのものであり、短期的に見たら事業者さまへの価値提供には繋がらないんですよね。そのため、今ではない、という状況がありました。
井出:単体で提供していたものを繋げていくことによって、新しい価値が生まれるはずだという漠然とした期待はありました。
ただ、その価値が事業者さまにとって、どんな意味があるものなのか。そこの定義がすごく難しかったんですよね。
複数のプロダクトを繋げることで、どういう状態を実現できたら事業者さまのためになるのか。それを明確に定義しないと、STORES と事業者さまの間で認識のズレが生じてしまうと思ったんです。
佐俣:「Photoshop」ではなく「Creative Cloud」を提供しているAdobeや、「Docs」ではなく「Workspace」を提供しているGoogleのように、STORES の存在意義やビジネスモデルも大きく変えていかなければいけない。
私たちは最初からプラットフォームを目指していたわけではなく、途中で統合する道を選んでいます。それぞれのプロダクトが単独で価値を提供できていたからこそ、難しさがありましたね。
井出:結果的にはプロダクト連携を進めることに決め、事業者さまにとっての価値の言語化や、プラットフォームとしての強みを磨くための開発や準備に、この2〜3年を費やしてきました。
具体的には、これまでプロダクトごとに分かれていたアカウント、事業者・店舗情報、権限管理などのデータを統合し、それらを実現するためのAPIやWebhook、ドメインやセッション、開発におけるプロトコルの定義を決めて実装してきました。
また、多くのメンバーがこれまで所属していたチームを離れて別のチームへと異動することで、隣接するシステムへの理解を深めながら、単体プロダクトの事業成長も維持していくことに。
その中で、同じような機能が二重・三重に開発されるケースも増えていき、「最初から統合されたシステムとして作った方が長期的には効率がいい」と感じる場面も多くなってきました。
とはいえ短期的な事業ニーズを考えると、そう単純にはいきません。さらに、事業の多角化が進む中で、それぞれのチームが探索的な機能開発を進めるようになり、STORES 全体で大きく投資すべきテーマが議論されにくくなる状況に…。
プラットフォームや全社視点での投資と、事業部単位での利害はトレードオフの関係にあり、議論や調整にはどうしても時間がかかってしまいます。どちらを取るべきか、試行錯誤を繰り返す日々が続きました。
井出:この数年、「STORES をひとつのものとして表すと一体何になるのか」という問いに対して抽象的な答えしか持てておらず、理想と現実のギャップにずっと悩まされてきました。この期間の取り組みは、そのギャップを少しでも埋めることができたという意味で、非常に有意義だったと思っています。
これらの動きをより加速させるために、2025年1月からは組織体制も一新しています。それまでは、プロダクトごとに組織を分ける“プロダクトカット”の形を取っていましたが、事業者さまの商売をより総合的に支援できるような“ファンクションカット”のような体制へと変更しました。
──迷いや難しさがあった中でも「プロダクト同士を連携させる」という意思決定を下したのはどうしてですか?
佐俣:資本市場の変化が大きかったかもしれません。スタートアップにおいては、数年前までは資金調達をして広告・マーケティングに投下し、認知度やユーザー数を伸ばす戦い方が一般的でした。
しかし、ここ数年で資金調達のコストが上がり、単に資金を使ってトップラインを伸ばすのではなく、資本効率を高めて利益を生み出すことが求められるようになっています。
他社も資金の使い方にシビアになっている状況だったので、内部環境を整えるには良いタイミングだと考え、この2〜3年は“外部”ではなく“内部”に向き合ってきました。
──“内部”に向き合う期間を経て、STORES にはどんな変化がありましたか?
佐俣:組織体制を一新したことで、プロダクト開発のあり方や、事業者さまとのコミュニケーションが大きく変わりました。
事業部門制から、機能部制に近い形へ転換していく中で、ひとつの STORES としての柔軟な開発・包括的な提案が可能になり、複雑かつ多様な課題にも向き合えるようになってきました。
実際の組織運営の変更に関しては、AppleやAirbnb、Shopifyといった海外のプレイヤーの経営手法からも学びました。権限を委譲しすぎると意思決定者が増えるだけで、思った以上にビジネスが進まなかったという点も参考にしながら、STORES では、自分たちが現段階で取るべき形を模索して組織づくりを進めています。
井出:具体的な施策のひとつとして、毎週開催している「OC (Open Critique)」と呼ばれるプロジェクトのレビュー・フィードバックの場があります。
これは STORES におけるすべての重要なプロジェクトの進捗と課題を、経営陣がレビューするというもの。毎週朝から夕方まで費やして実行しています。繰り返すことで現場と経営陣の目線が合ってきて、良いリズムで開発サイクルを回せていると感じています。
また、体制変更前は単体のプロダクトごとに個別のタイミングでアップデートをしていましたが、それだと散発的かつ回数も増え、事業者さまからすると何が変わっているのかよくわからなくなってしまうんですよね。
そこで体制変更後は、STORES として外部にリリースを出すタイミングを春と秋の年2回に絞ると決めました。細かいアップデートは適宜重ねつつ、然るべきタイミングでしっかり価値を伝え、届けていくことを意識しています。
佐俣:国内で同じようなやり方をしている企業がほとんどないので、このやり方が上手くいくのかは正直まだわかりません。
ただ、プロダクト連携によって創出できる価値を最大限に高め、それを事業者さまに届けていくという覚悟を持って、今は全力でこのやり方に取り組んでいます。
──理想の未来を目指すために、さらなる改善ポイントなどはありますか?
佐俣:“内部”に向き合う期間を経て、ようやく「店舗のデジタル化を総合的に支援する」という STORES の目指す世界を実現できる環境が整いつつあると感じています。
一度足を止めてでもプロダクトの連携に大規模な投資をすると決めた結果、今では逆にスピード感を持って開発できるようになり、2024年には新規プロダクトを4個リリースできました。
とはいえ、まだまだ解決すべき課題はたくさんありますし、今年はさらに多くのプロダクトをリリースするつもりでいます。
井出:複数のプロダクトをまとめて提供できるようになったことで、さまざまなシーンで STORES を活用しやすい状態にはできたと思います。
ただ「どういう業態の事業者さまが、どう使うとベストなのか」という具体的な答えはまだ見つけられていません。
今年は業態ごとに最適なプロダクトの価値の届け方を見つけ、事業者さまの売上成長にさらに寄与できる存在になりたいですね。
佐俣:いまの STORES の雰囲気は、言わば“第二創業期”。特にこれからの1年が、すごく面白いタイミングになると思っています。
──今の STORES に入る面白さは、どこにあると思いますか?
井出:STORES の面白さは、事業ドメインそのものにあると思っています。自分の暮らしに寄り添うお店の成長を、総合的にサポートしていく。そこにはすごく“手触り感”があって、お店に貢献している実感を直に得られるのが大きな魅力です。
佐俣も申し上げた通り、この1〜2年が STORES の“勝負の年”になると思っていますし、プロダクト開発においてもまだまだチャレンジの余地がある状況です。
事業者さまの売上の成長にコミットし、社会に良い影響を生み出していく。そこにやりがいを感じられる人にとっては、 STORES はまさに面白い環境だと思います。
佐俣:昨今は物価高や人口動態の変化など、そして、AIによる技術進化という新たな課題も次々と生まれてきています。今後さらに増えていくであろう課題に向き合い、中堅・中小規模の店舗を運営する方々がこだわりや情熱、たのしみを持ちつづけられるようにしていきたいですね。
また、STORES は長年どのサービスでも決済機能を提供してきたことにより、店舗事業の商流に入り込むことができています。その強みを活かし、新たに事業者さまの資金繰りにご活用いただけるサービスを展開してくことも予定しています。
今後もそうした強みを活かしながら事業者さまの困りごとを解決していきたいですし、解決すべきイシューはまだまだあるので、タイミングとしては今が非常に面白いと思います。
────最後に、未来の STORES の仲間に向けてメッセージをお願いします!
佐俣:STORES のミッションは「Just for Fun」です。日々暮らす街の中が多様な商売で溢れ、誰もがこだわりや情熱をもって働き、そして賑わいが続く。「豊かである」ということは、生活の中に多くの選択があることだと思っています。
一方で、国内の労働人口も商圏人口も減少が続き、商売環境はますます厳しい状況になっていくことが予想されます。時代に応じて変わりつづけなければ、生き残れない世界になっていくでしょう。
そうした状況において、STORES は事業者の方々が生き残るための“武器”となるようなソリューションを提供していきたいですし、「STORESがあったから商売を続けられた」と言ってもらえる存在でありたい。少しでも共感してくれる方と、ぜひ一緒に働きたいです。
井出:お店と顧客をつなぐ“フロントオフィス”という領域で事業を展開しているプレイヤーは多くないですし、その中でも STORES ほどの規模感の会社はほとんどありません。
ここから STORES は、さらに成長を加速させるフェーズに入っていくため、これから仲間になる方にも「あの STORES の成長期を支えていた人なんだね」と言われるような成果を収めてほしいなと思っています。
大きな変化を迎えるタイミングでご自身の経験値を積みたいという方はぜひ、ご応募お待ちしています。
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