青柳 渡米半年「正直、イメージしていたよりも、しんどい」厳しい現状も「来て良かった」「挑戦は続けるつもり」
元阪神でフィリーズ傘下2Aレディングに所属する青柳晃洋投手(31)がデイリースポーツ読者に向けて、さまざまなテーマをもとに本心を明かす「青柳SOUL」。アメリカ特別編として、渡米して約半年がたった現状や、日本野球との違い、メジャー昇格を目指す今後への意気込みなどリアルな思いを語る。新たな挑戦として、株式会社の設立も発表した。 【写真】本人提供!海を渡った青柳は自炊にも挑戦中 お手製焼うどんがおいしそう ◇ ◇ 読者のみなさま、Hello!青柳晃洋です。 渡米して半年近くがたちましたが、正直、イメージしていたよりも、しんどいです。僕はメジャー出場の前提となる40人枠にも入ってない選手だったので、起用や優先順位の違いは感じました。メジャーに上がろうと思ったら、球団は40人枠の選手を誰か放出しないといけない。自分は1人をはじき出さないといけないので、だいぶ難易度が高い現実がありました。 でも、今すぐ帰りたいという思いはないです。はたから見れば「行かなきゃ良かったのに」と思うかもしれませんが、自分は来て良かった。知らなかったことをたくさん知れて楽しいです。 野球も全く違います。日本だと「球を低めに集めて」と言われることが多いですが、こっちの打者はスイング軌道が下から入るので『もっと高めに投げて』って言われることが多い。日本では低めのツーシームで抑えていたものが、ちゃんと捉えられたり。ストライクゾーン自体も高めですが、横のゾーンはすごく厳しい。3Aには「ABSチャレンジ制度」というのがあって2回だけストライク・ボール判定の検証ができます。ストライクと言ってもらったものが、チャレンジでボールになることもありました。2ストライクまでは、捕手がどの球種でも真ん中に構えるのが主流だという点も違います。日本では捕手のミットを見て投げていましたが、自分で狙って投げないといけない難しさもあります。 今は2Aで先発としてローテを回っています。中継ぎだった3Aでは、ブルペン陣の枠が8人のところに13人いたので、枠を空けるために誰かが順番に育成などを目的とした「ディベロップメント・リスト」に入っていました。自分が入った時は1週間でリストを外れる予定でしたが、復帰が不透明になったので、首脳陣と相談して試合への出場機会を求めて2Aに行くことにしました。 厳しい現状ですが、アメリカでの挑戦は続けるつもりでいます。今の球団をクビになって、どこも拾ってくれる球団がないとか、環境的にできないとなるまでは、こっちにいたい。苦戦しながらも頑張っています。 日常生活でも、何でも自分でやろうと頑張っています。一人でコーヒーの注文ができるようになりましたし、スーパーで買い物もできるようになりました。野菜をとれるよう自炊も頑張っていますよ。チームメートとは普通にしゃべりますし、食事にも行きます。マイナーでは基本的に僕が最年長ですが、誰も年齢は気にしてない。20歳くらいの選手が「ヘイ!アオヤギ!」みたいな感じで来ます(笑) 日本の人気も感じますね。日本に新婚旅行へ行く選手、3AではNPBに行きたい選手も多かったです。アニメも人気が高くて、「ポケモン」に登場する「サトシ」が海外では「アッシュ」という名前だったのにはビックリしました(笑) 阪神の情報も毎朝チェックしてますよ。「頌樹(村上)勝ったんだ」とか。誠志郎(坂本)とは、たまに連絡を取ります。YouTubeの動画に僕が出てくるらしく、「ベースカバーちゃんと行けよ」っていきなり連絡が来たこともありました(笑)。晋太郎(マリナーズ傘下タコマから自由契約となった元阪神・藤浪)とも近況や今後について連絡を取ります。阪神を離れて見え方も違いますし、いちファンとして応援するのが楽しい。このまま優勝に向かって頑張ってくれたら、うれしいなと思います。