※ネタバレ注意!※
(1)からの続きです。
◆今改めてのドラゴン族 オメガとともに、惑星ハイデリンの外からやってきたドラゴン族。惑星ハイデリン由来の生命ではない特別な存在は、今後FF14の世界観に深く関わっていくことが容易に考えられます。ドラゴン族の物語は、蒼天で一息、ではなく、物語の核心に迫る重要な存在として注目していく必要があります。
オル・ディー「魔力を乗せた竜の咆哮をクリスタルに浴びせれば、属性の力を、ががーんと活性化させられんでぃ!水も勢いよく出るようになるぜぃ!」→今現在、漆黒のノーマルレイド「エデン」で、属性の力の活性化を行っていますが、ドラゴンの咆哮もまたそれを可能にします。このような力を持つ存在はやはり特別です。
オメガ「かつて、遠い星で起きた戦争・・・」
オメガ「我らが星と敵対する、「竜の星」の赤きたてがみ」→戦争は国と国だけでなく、星と星でも起こっています。今は帝国との戦争真っ最中ですが、星と星との戦争に発展、なんてこともなきにしもあらず、なんでしょうか。
ミドガルズオルム「ハイデリンは、我らを宿命ごと受け入れた」→この「宿命」とは何なのか。素直に受け取ると、オメガとの因縁と解釈しても間違いではなさそうなのですが、その因縁はミドガルズオルムの因縁ですから「我ら」という主語では大きすぎます。「我ら」ドラゴン族の宿命とは何なのか。数ある星々の中から惑星ハイデリンを選んだ理由はその宿命と関係があるのか。また、星の意思ハイデリンは自らの目的のため、ドラゴン族を受け入れた(利用した)ということになるのか。
→ハイデリンと「交感」(EE1、206頁)できたミドガルズオルムは、当たり前のように光の戦士の「超える力」に類する力は有していると考えられます(光の戦士がハイデリンの意思と疎通できるのは「界の壁を超える力」のためだとある〔EE1、14頁〕)。一方で、ハイデリンとミドガルズオルムの関係性が、「光の加護(≒テンパード)」ではなく、「契約を交わした」とあることも(同頁)、細かい事ながら重要な気もします。
グリンブルスティ「先に空を征く者として、後に続く貴様らに感謝を!」→モーグリの蛮族クエストのちょっとしたドラゴン族の台詞ですが、とてもとても気になります。
→「征く」という言葉には、「旅に行く」「敵・罪人を討ちに行く」「征服する」などの意味があります。ドラゴン族が「空を征く者」であるというのは、翼をもった彼等の容貌から何となく納得はしてしまうのですが、問題は私たち(ヒト、モーグリ族)が「後に続く」という言い回しです。我々が後に「空を征く者」になるということは今後の展開の一つとして頭の片隅に置いておきたい点です。
→オメガ関連のクエストを踏まえると、今後我々はハイデリンの外に出る、ということも考えられる?
◆空・雲海 「空」と言われれば、「蒼天」のアライアンスクエスト「ヴォイドアーク」に登場した「空賊」達でしょう。物語の舞台も「空の上」でした。「新生」のアライアンスクエスト「クリスタルタワー」が、数年後の大型パッチ「漆黒」で話の根幹に関わってきたことを踏まえると、ヴォイドアークの「空賊」「空」「妖異」「ヴォイド」「第六星暦」「マハ」あたりは、今後の大型パッチで再び日の目を見ることになるのかもしれません。
※こんな「空の地図」にも重要なヒントが隠されているのがFF14モグリン「モーグリ族が平和に過ごしていたある日、天を揺るがす、ものすんごーい「風の災い」が起きたくぽ。雲海の大陸は、やがて無数の小さな島々に割れたくぽ」モグリン「「神様の乱痴気騒ぎ」という、天界を揺るがす大戦争が勃発したクポ」→かつて、空(雲海)には大陸があったこと、天界を揺るがす大戦争があったことは私も頭の片隅に置いておこうと備忘録。「神様」とはそもそも誰だったのか。今回の漆黒でおおよそ答えはでてきたように思います。
◆アライアンス及びレイドクエストとメインクエストの関係 先ほど、「「新生」のアライアンスクエスト「クリスタルタワー」が、数年後の大型パッチ「漆黒」で話の根幹に関わってきた」と述べたが、全てのサブクエストが、メインクエスト(物語の根幹)のためのフラグであるという考え方をしてもいい気がしてきました。
【アライアンス】
・クリスタルタワー(新生) → 漆黒メイン
・ヴォイドアーク(蒼天) → 今後のメイン?
・イヴァリース(紅蓮) → 今後のメイン?
【レイド】
・バハムート(新生) → 蒼天メイン(?)
※新生のレイドはやっていませんが(涙)、アジス・ラーのティアマットの所で話があったので。
・アレキサンダー(蒼天) → 漆黒メイン
・オメガ(紅蓮) → 今後のメイン?
・エデン(漆黒) → 今後のメイン?
【事件屋クエスト】
・新生編 → 蒼天メイン
・蒼天編 → 漆黒メイン
・紅蓮編 → 今後のメイン?(未プレイ)
ゴッドベルト「いつの日か正しき歴史が語られるよう、為政者のひとりとして、私も尽力いたします」→「偽りの歴史」というテーマは、蒼天メインの重要なテーマだったわけですが、実は新生編からそのようなフラグはしっかり立ててあったことが、ヒルディブランドのクエストをやったことで知ることができました。
→ヒルディブランド蒼天編で登場した「時魔法」なんかは、蒼天編のレイド「アレキサンダー」の話とも関わっていて、やはり考えられて構成されているなぁと改めて。
◆光ミューヌ「・・そう、君はまるで光だね。これからも、グリダニアを・・・いや、エオルゼアを照らし、導くゐ光でいておくれよ」
ダヤン「いつの日か、星の命運が・・・ひとりの戦士にゆだねられる時が来る。」「科学の神は、信じてみたかったのさ・・・彼女という「光」を」→今回の「漆黒」では、霊極性としての「光」にスポットがあたりましたが、本来「光」には様々な意味が付されています。例えば、「目に明るさを感じさせるもの」としての光、「心に希望や光明などを起させる物事」としての光。「視力」のことも「光」と表現します。視力を失ったヤシュトラは、「光を失った」ともいえるわけです。
→一方で、辞書(『大辞泉』)によると「威力・勢力のある者の、盛んな徳や勢い」も「光」だとあります。「光=停滞」というFF14的「光」とは真逆の意味です。「星極性=光」と捉えてしまうのも無理からぬことなのではないでしょうか(自己弁護です笑)。
→「光の戦士」とは、光の意思ハイデリンの加護を受けた戦士、という意味ではなく、上記のミューヌやダヤンが言っているように、人々の「希望」としての「光」、その象徴としての戦士、という意味であると結論づけることができそうです。
◆超える力クイックシンクス「ヤツには・・・時間停止が効かんのか?」
シド「ふむ・・・アルファの言葉が・・。今までは、お前の「超える力」でも、聞き取れなかったのにか」「言葉の壁を超えた先に、読むべき心がなかったからだとしたら」
ブリアルディアン「〔超える力は〕自分で制御できる力ではないと」
→本来、「超える力」もなぜそのようなことが可能なのか、をもっと突き詰めて考える必要があるわけです。
→めちゃくちゃ便利な能力で、FF14では「だいたいアラグのせい」とともに、「だいたい超える力のおかげ」というのが「あるある」になってきています。一方、「自分で制御できる力」ではないことも「超える力」を考える上で大変重要な点です。「制御できない力」の危うさたるや。
→ゲームだから、英雄だから、で終わらせない。なぜ、言葉の壁を超えられるのか。なぜ、心の壁を超えられるのか(過去視)。なぜ、界の壁を超えられるのか。の答え(理屈)が必ずあります。
テムルン「神々が囁いていたのです」→備忘録。精霊の意思を感じることのできる「角尊」と、「言葉の壁を超える力」を持つ「光の戦士」の能力の類似性は、既に指摘されており(kaedetakagaki氏「
エオルゼアの神に関する一試論」)、今回の「漆黒」で第一世界にも同様の存在(キンフォート)がいることが明らかとなりましたが、モル族の存在を忘れていました(サブクエストのおかげです)。モル族は「部族内判断を「神」に問いかけ決定する」(EE1、92頁)アルラ・ゼラの一部族です。
→彼等の存在は、「超える力(主に言語)」を考える上で重要な存在でしょう。
→さらに、「漆黒」の話をふまえると、彼等の魂は間違いなく近しい、ということになるでしょうか。
◆モーグリ族、シルフ族、妖精族モグクル「モーグリ族にとって、イタズラはとっておきの愛情表現くぽ」
先輩レターモーグリ「普通のヒトは、モーグリ族の姿が見えないクポ!」→これも自身の備忘録。妖精族と似た存在としてシルフ族がいることを前の記事(「
とある光の戦士の予言と答え合わせ」)で指摘したのですが、モーグリ族の存在を忘れていました(サブクエストのおかげです)。
→「イタズラ好き」、「姿を隠せる」などは、第一世界の妖精と同じです。
◆伝説・伝承タンガ・トンガ「サラオスっていうのは、女神リムレーンが解き放った伝説のシーサーペント、「ペリュコスとサラオス」の1体さ。」
ヤシュトラ「角笛の正体は、「シールロックの宝」と呼ばれる秘宝・・・環境エーテルを操作する力を秘めた、古代文明の遺物」
セシー「祖母が残した、古い絵巻物に記されていたのよ。伝説の「光の四戦士」の神器と、「大魔法」についてね」→FF14世界の伝説や伝承に関わる話は、今後のストーリー展開に大きく関わってくるか、FF14の世界観に根底に関わる重要な要素であることは間違いありません。神々の時代、神話の時代、すなわち世界が14に分かたれる前の時代の「事物」が、現在のFF14世界の根源であることが今回の漆黒で示唆されておりました。
→『EE』では様々な「謎」や「伝承」が意図的に記されています。それらの「謎」は、神々の時代、古代人達の時代に答えがあります。一応、備忘録的に以下羅列しておきます。
・「三大陸は、常に肩を組み合うほど強い絆で結ばれた兄弟であったとする古い伝承も残されている」(EE1、12頁)
・「古ララフェル語が、「うた(歌、詩)」と深く結びついた言語」(EE1、85頁)
・「神が大地に放った巨大甲虫」(EE1、92頁)
・シーソング石窟「私は支える波であり、私は導く風である。私は夜の星であり、私は朝の空である。私は海で生を受け、そして、海で死に向かう」(EE1、106頁)
・「戦神「ハルオーネ」の使いから賜ったと伝えられる群青のサファイア「氷の涙」が据えられている」(EE1、151頁)
・ランドロード「モーグリ族は「地上人の王」と考えているらしく」(EE1、165頁)
・「伝説上の景勝地「ヴール・シアンシラン」」(EE1、166頁)
・「かつて貝は永遠の時を生きる存在だと信じられていた」(EE1、168頁)
・シャーレアン「ある「目的」のために、あらゆる知識を集積して「世界図鑑」に登録することを目的に掲げている」(EE1、168頁)
・ロウェナ「苗字についても知る者はいない」(EE1、173頁)
・ウヌクアルハイ「出征や目的など、謎が多い」(EE1、212頁)※クエストやってません
・「謎めいた獣人種族、マタンガ族」(EE2、97頁)
・「星の海にほど近い深淵では、星の法則が乱れ、重力の縛りが緩くなっているらしい」(EE2、163頁)→その他、ミコッテ族の「男女比に偏りがあり、女性の数が圧倒的に多い。この不可思議な現象がなぜ起こるのかについては、未だに明確な答えがでていない」(EE1、86頁)については、「全ての生命が元は一つであった」ことが要因であると考えらえます。ミコッテ族は女性の数が圧倒的に多いですが、サハギン族においては「人口の9割以上が雄であり、雌は非常に少ない」(EE1、253頁)ということになっており、全種族総体で捉えるとバランスが取れているのかと。さらに言えば、ヒューラン族とエレゼン族の個人名には似た綴りのものが少なくないことから「両種族は元々、同じ種族だった」(EE1、83頁)とまで『EE』では言及されていました。こういったフラグが色んな所に丁寧に立てられているんですよね。
→また、事件屋クエストにおけるセシーの台詞(上記参照)に「神器」とあったのが、個人的には大変ひっかかりました。神器とは「天つ神などの力が込められた物品」(EE2、17頁)であり、「天つ神」とは「古の時代、天から地へと降り立ったとされる神々」(EE2、16頁)のことです。「光の四戦士」が神扱いされていることが、ヒルディのクエストからは読み取れます。「英雄=神」という捉え方。だからこその「英雄信仰」であると。
◆英雄オリアヌ「この監視哨の名の由来となった「フロランテル」はね、グリダニア建国初期に活躍した英雄なの」
モグリン「モグのご先祖である、初代の長老さまの名前も「モグルグ」くぽ。モグルグ様は「風の災い」の時に、一族をまとめた英雄くぽ」→漆黒を見た後は、各地・各世代の英雄たちの魂は誰に受継がれたのかが気になってしまいます。ヒルディブランドが光の四戦士の神器を扱えたことに関しては、あのクエストではコメディタッチになっていて、そういうもんかで結論づけちゃいそうになりますが、漆黒後にプレイすると、ヒルディブランドと光の四戦士が同じ魂の持ち主であったというもっともな答えを導き出せてしまうという。ヒルディもまた「英雄」であったのか。
◆霊災関係マルセット「霊災で過酷さを増した森での生存競争を生き抜くため、飛散させる胞子の数を、増したのに違いないわ!」「「生命の危機」を感じたキノコちゃんが、通常よりも早く、多く、育つはずよ!」→霊災を経るごとに、魂の統合が図られて、生命がどんどん強くなっていることが明らかとなった今回の漆黒メインストーリー。実はそのヒントが、このようなちょっとしたサブクエストでも示されていたという。凄い!
◆思い出キキブ「お客も、お金も・・・確かにこの集落には何もない。でも、ここには「思い出」があるの。私たち住民が暮らした、たくさんの思い出が・・・」→漆黒クリア後に、シルバーバザー(西ザナラーン)のこのクエストをやると、どうしてもエメトセルクと重なってしまいます。
エメトセルク「普通にいたさ。太古の昔、真なる世界に・・・家族も、友も、恋人だって」
エメトセルク「私たちは・・・確かに生きていたんだ」→それを見据えての、序盤のサブクエスト(ムービー入るタイプのサブクエスト)だったら本当に凄いなと。
◆踊りとマムージャ族心高める踊り手「そして踊り、もマムージャ族、が誇る伝統な、り!」→今後の展開としては、マムージャ族の国家が存在しているという西方の「新大陸」に遅かれ早かれ赴くことになるのでしょうか。
→漆黒からの新ジョブ「踊り子」のフラグも、コスタデルソルでの「踊り子ちゃん」の存在だけでなく、マムージャ族の伝統であることも加味していれば、可能性の高いジョブであったといえたのかもしれません(後付けですが)。
◆先祖返りアガンボルド「奴はかつて、物好きな貴族が愛玩用に飼っていたモルボルだ。先祖返りしたとかで飼い主のもとから逃げ出し、あのとおり凶暴化してたってわけさ」
邪気に満ちた声「貴族と平民を隔てる壁は、先祖の行いなのか、運命なのか・・」→「先祖返り」という言葉自体も、早くから出ていたことに驚きました(新生のレヴナンツトール)。
→神学院クエストの「先祖」云々も、漆黒後だと「元々は一つの生命であった古代人」にまで遡れてしまうという。漆黒前後で、意味合いが変わる言葉も多いこと多いこと。
◆世界の下からマーギット「世界の下からでも、上を変えられる。」
サントレルモ「「下」が「上」を変える日」→FF14は、民衆をひたすら国家の論理によって統合され抑圧される対象とみなす視座(国民国家論の視座)とは異なる視座にたっていることがよくわかる蒼天のサブクエスト(クルザス西部)でした。「下からのナショナリズム」とか「下からのメディア史」など、近年の歴史学の研究潮流を知っているかのよう。
◆生きていくこととはシド「生きていくことは、きっとそれ自体が、ままならない運命と戦い続けることなんだ」
シド「傷つけられて、傷つけて。その傷口と向き合ってこそ、選べる道がある」→『ローゼンメイデン』の真紅が言っていた「生きることは、闘うことでしょう?」が、真っ先に思い浮かびました。本当にドキッとする言葉です。
→日々を戦い「続ける」ために、FF14のプレイヤーはFF14をプレイしているんだと思います。
◆おわりに 以上、雑多でしたが、サブクエストの感想でした。
いつかメインクエストについても、同じように再体験したいですね。