《スルーか、報道か?》「7月5日に大災害」の予言、複数の風水師が呼びかけも…「予言」をメディアはどう扱えばよいのか
配信
俗説「トカラの法則」に絡めた投稿も相次ぐように
5月の時点ではたつき諒氏は毎日新聞の取材に文書で答えていた。 「皆様が高い関心をお寄せいただいていることは、防災意識が高まっている証拠であり、非常に前向きに捉えております。この関心が安全対策や備えにつながることを願っております」 なんと「防災意識の高まり」に話をずらしていた。巧妙である。次の言葉も注目だ。 「解釈については皆様の自由な判断に委ねられるべきものと考えております。ただし、過度に振り回されないように、専門家の意見を参考に、適切に行動していただくことが大事であると思います」 いよいよ「予言」が近づいてきて社会的にも影響が出てきたら「過度に振り回されないように」と言い出したのである。 しかし、7月になってもSNS上では不安の声が。6月下旬から鹿児島県・トカラ列島近海で地震が相次ぎ、「予言」と結びつける投稿が目立った。トカラ列島近海で地震が多発すると、その後に日本の別の場所で大地震が起きるという俗説「トカラの法則」に絡めた投稿も相次ぐようになった。 毎日新聞は気象庁が2日の会見で俗説「トカラの法則」を否定したことを伝える。さらに3日夕、鹿児島県の悪石島で震度6弱の地震が発生したことを受けた緊急会見でも「トカラの法則」を否定した上で、 《「今の科学技術で、いわゆる地震の予知はできません。ちまたで言われている(予言の)話はデマです」と改めて注意喚起した。》 デマであることをあらためて伝えていた。 しかし厄介なのは「場所、時間、規模を指定して地震が起こると予知することについて、完全にデマであり、ウソ」という事実があっても、相手は自然だから常に地震は起きる可能性があるという事実もあることだ。だから不安が勝り「やはり7月に?」となる人もいる。人間の不安に付け込んだビジネスは手ごわいと痛感する。 今回の件で“ノストラダムスの大予言”を思い出した方も多いだろう。フランスの16世紀の予言者ノストラダムスの詩が「1999年7月、世界が滅ぶ」と解釈され、五島勉氏の『ノストラダムスの大予言』(1973年)はベストセラーになった。
- 59
- 133
- 49