【解説】うわさ広まる“7月の大地震”“トカラの法則”との関連は? トカラ列島で600回以上の地震 震度4多発
■トカラ列島の地震が「巨大地震」につながる可能性は?
こうした地震がさらに大きな地震につながることはあるのでしょうか。
地震の専門家である環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは「この地域で、マグニチュード6程度の地震がおきることはあり得る」としています。
実際に過去の地震を見てみると、
▼1960年5月 マグニチュード6.2
▼2021年12月 マグニチュード6.1の地震が発生していて、震度5強の揺れを観測しています。
一方で、トカラ列島は、懸念されている南海トラフ巨大地震の想定震源域からは離れています。草野さんは「他の地域の地震活動に影響を与えることはないと言って良い」としています。
■“7月の大地震”の噂はどのように考えれば良いのか
こうした中、SNSを中心にいま「7月に巨大地震がおきる」との情報が拡散され、実際に観光業などに影響が出ています。こちらの噂は「私が見た未来 完全版」という書籍がもとになっていて、その帯には「本当の大災難は2025年7月にやってくる」と書かれています。ここから、7月に大きな地震がくるのではないかという噂が広がりました。ただ、地震予知については気象庁が明確に否定をしています。
気象庁の野村竜一長官は会見で、「現在の科学的知見では、日時と場所、大きさを特定した地震予知は不可能」として、「予知の情報はデマと考えられるので、心配する必要は一切ない」と強い口調で話しています。
“トカラ列島で地震が多いと他の地域で大きな地震が発生する”という「トカラの法則」も最近話題となっていますが、こちらも科学的な根拠はありません。気象庁の地震の担当者も「こんなにも噂を信じる人が多いとは思わなかった」と驚いていました。
一方、日本はいつどこで大きな地震がおきてもおかしくない国です。不安なときほど信頼できる情報を確認して、備えを怠らないことが重要となります。