ルート(√)を使って表された数のおよその値をご存じですか。
「√2=1.41421356…(一夜一夜にひとみ頃)」のように、語呂合わせで記憶している方もいるでしょう。
ただし、すべての数について語呂合わせを覚えている人は少ないはずです。
今回は、ルートを使って表された数の大小を比較する問題に挑戦してみましょう。
問題
次の数を小さい順に並べなさい。
3√5、2√7、√31、5
これら4つの数を、小さい順に並べていく問題です。
3√5というのは、3×√5を意味します。文字式と同様に「掛ける(×)」が省略された形です。
このようにルートがある数とない数が混在している場合、比較しにくく感じるかもしれません。
そこで、数の「形を揃える」ことがポイントとなります。
解説
今回の正解は「5、2√7、√31、3√5」です。
4つの数は、それぞれ以下のように表現し直せます。
3√5=√45
2√7=√28
√31
5=√25
このように、すべてをルートの中に入れる形に統一することで、大小を比べやすくなります。
一般的にはルートを外す計算に慣れている人が多いかもしれません。
しかし、数の大小を比べる目的であれば、あえてルートの形に統一するという方法が有効です。
また、整数をルートで表すときは以下のように計算します。
※整数をmとした場合
mが正の数のとき
m=√(m^2)
例えば次のように表せます。
2=√(2^2)=√4
3=√(3^2)=√9
今回の問題における計算は以下の通りです。
3√5
=√9×√5
=√45
2√7
=√4×√7
=√28
このような変形により、「5、2√7、√31、3√5」という順序が導き出せます。
まとめ
ルートがついた数では「ルートを外す」ことに注目しがちですが、比較を行う際は「ルートに入れる」という手法も重要です。
数の大小を判断するためには、「形を揃える」ことがカギとなります。
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」