[B! 表現の自由] 本当の表現の自由を守る候補者を教えてほしい
hiroujin id:segawashin 頭の中が2010年代で止まっている大先生。共産党は2021年に表現規制派に転向し、石原都条例と同じものを公約にした。社民党も表現規制派に転向。福島瑞穂が何度も、漫画やアニメ規制の請願を国会に出してる
しかし共産党が2021年に転向したという根拠がよくわからない*1。都条例と同じ公約とはいったい何のことだろう。
同時期の出来事として、ABEMAに出演した時の吉良よし子氏を表現規制派あつかいする動きがあったが、性暴力をともなう表現への対応として市場で淘汰される方法がいわゆる「表現規制」にあたるとは思えない。
政党の姿勢でいえば、性的少数者を漫画などの悪影響とみなす支持団体は軽視され、表現の自由市場にまかせる表明が表現弾圧あつかいされることが不思議 - 法華狼の日記
特に、“儲からないよね”という言葉に引っかかる表現の当事者が当時から少なくなかったらしいことが不思議だ*1。仮にも共産党が資本主義的な市場の論理を肯定しているのに。
実際の発言を見れば、いわゆる自浄作用やゾーニングによって法規制をふせぐという提案であって、現在は自民党の赤松健氏らも歓迎していたような表現規制に抵抗する方法論のひとつだろう。
一応、どれほど加害的な表現でも市場に淘汰させないという立場も原理的には存在するし、ゾーニングもまた表現規制の一種ではある。
しかし新型コロナ禍においてライブハウスを守ろうと国会で動いたりした吉良氏を表現の自由に対立する議員とあつかう根拠になるとは思わない*2。たとえアニメや漫画やゲームだけを表現と想定しているのだとしても、現代日本ではライブハウス文化と無縁ではありえず、作り手も受け手も複雑に支えあう関係だろう。
他に共産党は政党として、2024年に制作現場で実際に性行為をおこなうことを規制すべきという案を出したが、それは性行為をおこなう表現そのものの規制ではないし、架空表現への法規制などには明確に反対していた。
アダルトビデオにおいて実際に性交することが、他の人権侵害解消より優先されるべき表現の自由であるかのような主張がよくわからない - 法華狼の日記
実際に日本共産党の政策集を確認すると、表現の自由については「文化」で論じられ、文化予算の少なさや助成金の恣意的な打ち切りを批判したり、虚構に対する法的規制の反対を明言している。
71、文化 | 日本共産党―――「児童ポルノ規制」を名目にしたマンガ・アニメ・ゲームなどへの法的規制の動きに反対します。青少年のゲーム・ネットの利用について、一律の使用時間制限などの法規制に反対します。
上記エントリでも書いたように長時間労働などの「規制」が消費者にとっては自由の制限に感じられる可能性はあるだろう。しかし制作者の人格権や健康権に消費の自由が絶対的に優先するとは認めがたいし、持続可能な消費を望む消費者のひとりとしても妥当な「規制」ではないかと思う。
この共産党の「規制」をこばむくらい表現の自由を原理主義的に要求するなら、その基準にかなう政党や政治家はたぶん日本の政治家で当選可能な範囲には存在しない。
他方で、hiroujin氏は共産党に要求するほど表現の自由を原理的に望んでいるかというと、必ずしもそうではないように見受けられる。その一例として、2023年の東京都による非差別表現への弾圧があった。
精神病テーマの映像作品に関東大震災の朝鮮人虐殺を組みこんだところ、東京都から奇妙な理屈で却下された件についての反応をふりかえる - 法華狼の日記
id:hiroujin id:sink_kanpf 私は地方自治に国会議員は介入出来ないという常識も知らないマヌケですと自白してるのかな? 東京都なと各都道府県には地方自治権があるから、国政は干渉できないんだよ。東京都都政は都議の管轄だ。
たとえば香川県のゲーム条例に国会議員は介入してはいけないという主張だろうか……
表現規制反対をかかげていても自民党議員は被差別表現弾圧には反応しないという予想から批判するsink_kanpf氏*3に反論するのは良いとして、反応しないことを肯定してsink_kanpf氏の予想を現実化していることが本当にきびしい。
またhiroujin氏は、暇空茜こと暇な空白氏がのりこえねっとという団体の著作権を侵害した時、暇な空白氏の主張する陰謀論にくみしたこともある。著作権者を軽んじるふるまいに一貫性があるとはいえるが。
反差別団体のりこえねっとに敗訴した著作権裁判の前後を見ると、暇空茜こと暇な空白氏の情報発信は無批判に信じるべきではないことがわかる - 法華狼の日記
hiroujin こうもあからさまにナニカグループが自ら実在を晒してしまうとは。
なお念のため、ナニカグループなる陰謀論を信じたコメントは2022年12月の段階のものなので、当時のインターネットの熱狂にあおられてしまったのだろうと同情したいところはある。
とはいえ、暇な空白氏のふるまいを追認したひとりとして、リーガルハラスメントやスラップ訴訟と呼ばれても過言ではない表現への攻撃に加担した反省はしてほしいとは思う。表現の自由をたいせつに思うならば。