枡子DXⅢ～そして伝説へ～

花見てみた。

大学近所の公園にて。

最初は静かに飲む気だったんだが、人が集まりすぎてBBQになってしまった一日。

全部後輩が手配し、自分は参加するだけで楽だわ～
とか思っていたんだが。

ああもうしんどいしんどい。

何せもう僕五回生。
最年長グループの一員になってしまい、この日三時間しか寝てない事もあり。

ぜんぜん飲めない。

なので食ってばかり、セクハラしてばかりだった。


肉焼いたり。サッカーしたり。音楽聴いたり。編みタイツ眺めたり。


大学の存在意義を、金出して買うモラトリアムだって捉えるありきたりな言い回しがあるが、
僕の場合は延長戦の更にロスタイムの最中にいる。

同級生達の大半は、社会にエントリーし活躍をしてたり、始めたりした。

そんなど平日の真昼間。
まるで夢のように平和でのんびりと時間を費やす僕。

こんな生活もあと一年か…


僕がこの先、一生懸命働いたり、苦しんだり、悩んだり、沢山の面倒があるんだろうが。

そういったものは全て、こんなどーでもいいような日常を獲得する為の努力に繋がっていくんだと思う。


何よりも何よりも、僕は日常が大好きである。

みんながいて、僕が居て、喋ったり笑ったりして。
時間を消費するのを楽しむ、そんな日常。

大金持ちにも、プレイボーイにも、権力者にも別に興味はない。

時間と、僕が好きな人々と、僕を好きな人々がいればそれ以外何もいらない。



これは多分、恐ろしく贅沢な要求だと思うので、それ相応の努力をしていこうと思った。



桜とみんなを眺めながら、そんなことを誓った。