俳優、山田裕貴(34)が7日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で主演映画「木の上の軍隊」(25日公開)について世界各国の記者から取材を受けた。沖縄出身で脚本も務めた平一紘監督(35)と会見した山田はまず「この映画はどちらが敵か味方かを描いたものではなく、生きようすることを何より大事にする祈りのような作品です」と紹介した。
父、山田和利氏(60)がプロ野球の広島に在籍していた子供時代を振り返り、「広島に住んでいたときがあったので、原爆資料館で見た写真が今でもそのまま思い浮かびます。沖縄戦については詳しく知らなかったが、今回の映画で知ることがたくさんあった」と戦争の悲惨さと後世へ伝える大切さを訴えた。
同作では沖縄・伊江島で日米の激しい攻防戦が繰り広げられる中、堤真一(61)演じる上官とともに木の上に身を潜め、終戦を知らずに2年間も生き延びた沖縄出身の新兵を熱演。
実話だったことから、「僕は虫が大っ嫌いなんですけど、どんな気持ちだったんだろうと実際にウジ虫を食べました」と撮影で極限生活を体感したことを告白した。
外国人記者から同じ世代の若者や子供たちにメッセージを求められると、「家に帰りたい、食事したい、海を見て友達とぼーっとしているのが幸せだという気持ちを思い返してもらいたい」と熱弁。
続けて「若い子供たちにも伝えられる映画。日本人が悲惨な目にあった物語ではなく、人間の心のお話。世界の子供たちにハートの話が伝わってほしい」と力説すると、海外メディアから拍手が起こった。