専門家でつくる検討会は7日、気象庁で定例の会合を開き、南海トラフの想定震源域やその周辺で観測されたデータを分析しました。
その結果、巨大地震の想定震源域では6月、目立った地震活動はありませんでした。
一方、陸側と海側のプレートの境界付近では、「深部低周波地震」と呼ばれるごく小規模な地震が、紀伊半島西部で6月29日から7月2日まで観測されたほか、四国西部から中部では6月7日から続いていて、ほぼ同じ時期に周辺の複数の「ひずみ計」などでわずかな地殻変動が観測されました。
いずれも想定震源域のプレート境界が数日から1週間程度かけてゆっくりとずれ動く「短期的スロースリップ」が原因とみられ、これまでも繰り返し観測されていたということです。
これらを踏まえ、検討会は「大規模地震の発生の可能性がふだんと比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする評価結果をまとめました。
南海トラフ巨大地震検討会“トカラ列島近海の地震の影響なし”
南海トラフで巨大地震が起きる可能性を評価する、気象庁の定例の検討会が開かれ、「特段の変化は観測されていない」とする評価結果をまとめました。トカラ列島近海で相次いでいる地震との関係について、平田直会長は、「四国や本州まで影響を及ぼすとは考えられない」としています。
南海トラフ巨大地震の評価「特段の変化観測されていない」
「どこでも地震は起きると考えてもらいたい」
トカラ列島近海では6月下旬から地震活動が非常に活発になっていますが、南海トラフ巨大地震との関係について、検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は「トカラ列島近海で起きている地震の規模では、四国や本州まで影響を及ぼすとは考えられない」と述べました。
その上で「日本はふだんから地震がたくさんあるところなので『どこでも地震は起きる』と考えてもらいたい」と呼びかけています。
去年8月「巨大地震注意」日向灘震源の地震の分析結果を報告
一方、7日の定例会では、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」が発表された去年8月の日向灘を震源とする地震に関して、国土地理院の分析結果が報告されました。
国土地理院によりますと、地震の前に、震源周辺のプレート境界の深い場所が年単位でゆっくりとずれ動く「長期的スロースリップ」が発生していたということです。
この場所ではおおむね2年ごとに「長期的スロースリップ」が起きていますが、今回の間隔はおよそ1年だったということです。
これについて国土地理院は「シミュレーションではスロースリップの発生間隔が短くなって大きな地震に至ることは予想されていたが、実際に観測されたことは世界でもほとんどなく、今回の結果は、地震が起きるメカニズムの理解に生かすことができる」としています。
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