福岡女子大(福岡市)は令和11年度から、戸籍上は男性でも自身の性別が女性と認識しているトランスジェンダーの学生を受け入れると発表した。大学ではキャンパス敷地内の建物で1年次の寮生活を義務化しているが、トランスジェンダーの学生は、隣接する建物に個室を整備して受け入れる方針。
4年5月から検討を始め、外部専門家による研修会や学生との意見交換を重ね、今年3月に決定した。
大学によると、全寮制教育はグローバル化に対応する人材育成のため、平成23年春から導入。日本人学生と留学生の4人がそれぞれ個室付きの4LDKの部屋をルームシェアする形で生活している。トランスジェンダーの学生の受け入れについて、学生側から寮生活への不安の声も寄せられたが、「個室整備の方針を説明している」という。
今後は学内のトイレ整備などについても検討を進め、令和8年秋には受け入れのガイドラインや出願資格審査の手続きについて公表する予定。大学関係者は「トイレは本人の意向を聞き取ることも大切。在学生や専門家の意見も聞きながら丁寧に進める必要がある」としている。
福岡女子大は大正12年に日本初の公立女子専門学校として創設された。向井剛学長はコメントで「建学から100年を経て、性の多様なあり方が社会に受け入れられつつある」と指摘。「志あるすべての女性に学びの扉を等しく開いていくことは、一つの使命だと考える」としている。
トランスジェンダーの学生については、平成30年にお茶の水女子大(東京)、令和元年に奈良女子大(奈良市)が受け入れを表明するなど全国の女子大で受け皿が広がりつつある。