万博さんぽ 第2回 共同館(コモンズ)の魅力を探る

大阪で55年ぶり、日本で20年ぶりに開かれる大阪・関西万博。

半年間の開催期間中、その時々で話題になることがあったり、さまざまな交流が生まれたりするのが万博です。

私・小山は、それを散歩という形で継続取材して回ることにしました。

(大阪放送局 アナウンサー 小山径)

実は人気“コモンズ”

参加国が自前で立てたパビリオンは独特の建築から“万博の華”とも呼ばれますが、大阪・関西万博ではたくさんの国が同じ建物の中でブースで展示を行う“共同館(コモンズ)”も人気を集めています。

2025年6月11日 17時17分 更新

その魅力を関西大学の岡田朋之教授と一緒に巡りながら探りました。

岡田さんはメディア研究が専門で、ミラノ万博やドバイ万博など8つの万博を回ったスペシャリストです。

向かったのはいろんな国が共同で出展している「コモンズ」という建物です。

大阪・関西万博では5つのコモンズがあり、あわせて90以上の国が入っています。

岡田さんによりますと、すべて見ようとすると、3日か4日はかかるということです。

ミクロネシア連邦

最初に入ったのはミクロネシア連邦のブースです。

中にはカヌーが展示してあります。

何に使うか聞いてみたところ…

ミクロネシア連邦のスタッフ
「交通手段としてバスとか電車と同じように使っています。607の島があるんですが、4つの地域に分かれていて、そこにそれぞれ名前があって、それらの地域をまとめてミクロネシア連邦になっています」

話しを聞いているうちに一生に一度は訪ねてみたいなという気持ちになってきます。

ドミニカ共和国

ミクロネシアを出たところで、「よかったらドミニカ共和国に来ませんか」と声をかけられました。

誘われるままドミニカ共和国のブースに入ります。

展示してあったのは色鮮やかな衣装。

何に使うかというと、

ドミニカ共和国のスタッフ
「カーニバルのコスチュームです。ドミニカでカーニバルという祭りがあります。こちらはそのコスチューム」

おもわず「コスチューム着てみることは出来ますか?」と聞いてみると…

ドミニカ共和国のスタッフ
「私としては着てほしいんだけど、ちょっと難しいんです」

困らせてしまって、ごめんなさい。

フィジー

特産の品々を売っているブースもありました。

フィジーのブースに置かれていたのは木の皮で作った首飾り。
私たちもフィジーにやってきた気分になりました。

フィジーはどんな国かたずねると、「熱帯の国で、暖かくて、人々は親切、いつも笑顔です」とにこやかに答えてくれました。

ツバル

こちらはツバルのブースです。

地球温暖化による海面上昇が危機的な国です。

訪れた方がメッセージを書いていました。

「温暖化を止めて、ツバルを守ろう」というメッセージもありました。

笑顔のすてきな男性スタッフに「ツバルの風のような笑顔ですね」と伝えると、「これがツバルスマイルです」とのことでした。

魅力はスタッフとの”距離の近さ”

万博会場に共同館は5つ。一瞬で他の国に移ることが出来、担当者の方と距離感が近いというのが印象的でした。

関西大学 岡田朋之教授
「片言でもコミュニケーションできれば、そこから得られるものはあるでしょう。4月の段階で、これだけ展示が揃っているのは上出来です。これからもっと充実していくでしょうし、もし複数回来るのであれば、その変わり方を見に来るのもおもしろいですよ」

(4月24日「ほっと関西」5月1日「列島ニュース」で放送)

第1回 マルタ館 160年ぶりに帰還したのは…

1回目の場所として選んだのはマルタパビリオン。

海外の国が自前で作るパビリオンは建設の遅れが指摘され、マルタは最後に着工した国でした。

見つけたのは日本との意外なつながりでした。

マルタのパビリオンは、万博会場の南側、ウォータープラザの近くにあります。

正面の壁はスクリーンになっていて、幾何学模様がどんどん変わっていきます。

2025年6月5日 19時04分 更新

パビリオンの中に入ると目に飛び込んでくるのが、甲冑です。

西洋と日本の甲冑が並んでいるのです。

甲冑は江戸時代末期、福沢諭吉も参加した遣欧使節団が当時のイギリス領だったマルタに滞在した際に、寄贈したものです。

およそ160年ぶりの里帰りなのです。

甲冑という戦いを象徴するものが、友好関係にある感じで仲よく並んでいる様子がおもしろく感じました。

案内してくれたグレック館長によりますと、地中海に浮かぶ小さな国マルタにとって、万博で自前でパビリオンを出すのは初めてのことで大変だったそうです。

それでも出展したのは日本との関係をとても重視しているから。

実はマルタは養殖マグロの生産地で、多くが日本に輸出されています。

万博をきっかけに日本と経済的、人的交流を加速させたいと話していました。

マルタパビリオンの屋外にはレストランが併設されています。

注文したのは、ユネスコの「無形文化遺産」に登録されたマルタの庶民のパン、「フティーラ」です。

丸いパンで外はカリっとして、中に具材をサンドしたものもありますが、このまま食べてみました。

中はすごくふっくらとして、少し塩味がきいているシンプルな味でしたが、香りも含めておいしくいただきました。

そして、ウサギ肉のシチューのスパゲティ。

ウサギ肉はマルタで一般的に食べられている食材なんだそうです。

シェフのシクルーナさん
「それぞれの家庭がウサギ肉料理の秘密のレシピを持っているんです。このパスタは私の母のレシピです」

ウサギのお肉は白身魚みたいにとても淡泊でやわらかくて、口の中ですぐほろほろと溶けていきました。

青い空と海を見ながら食事をしていると、まるで地中海にいるような気分になりました。

各国が趣向を凝らす海外パビリオン。

それはその国の文化を知るとともに、日本とのつながりを再確認する場所でもあるようです。

(4月17日「ほっと関西」4月18日「列島ニュース」で放送)

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