コメ平均価格5キロ3672円に 通販サイトで新米の予約注文が増加

全国のスーパーで先月29日までの1週間に販売されたコメの平均価格は、5キロ当たり税込みで3672円でした。およそ5か月ぶりの水準で、農林水産省は割安な随意契約の備蓄米の販売が進んでいることが背景にあるとしています。

また、通販サイトやふるさと納税の仲介サイトでは早くもことし収穫される新米の予約注文が増加しています。

農林水産省は全国のスーパー、およそ1000店でのコメの販売価格をまとめ、毎週、公表しています。

それによりますと、先月23日から29日までの1週間に販売されたコメの平均価格は、5キロ当たり税込みで3672円で、前の週から129円値下がりしました。

値下がりは6週連続で、3600円台となるのはことし2月2日までの1週間以来、およそ5か月ぶりとなります。

このうち、備蓄米を含む「ブレンド米等」は、平均で3213円と前の週から133円値下がりしました。

全体に占める販売割合は3ポイント上昇して57%となり、農林水産省は、値下がりの背景には割安な随意契約の備蓄米の販売が進んでいることがあるとしています。

一方、産地と品種が単一の「銘柄米」は4290円と、前の週より51円の下落でブレンド米に比べると値下がりのスピードに差が生じています。

通販サイトで新米の予約注文が増加 前年比455倍に

農産物を扱う通販サイトでは早くもことし収穫される新米の予約注文が相次いで寄せられています。

野菜や果物などを農家から直接買うことができる通販サイトでは、先月の時点で全国の24のコメ農家がことしの新米の予約注文を受け付けています。

去年は予約での販売を行う農家は8軒だけでしたが、ことしは、コメの需要が高まっていることなどを背景に、3倍に増えました。

販売価格は産地や銘柄によって異なりますが、10キロ当たり税込みで1万1000円から1万2000円のものが多くなっているということです。

ことし1月から先月までの半年間の新米の予約注文の数は、去年の同じ時期と比較して455倍に増えているということです。

運営会社によりますと、例年は利用者の間にコメを予約して購入する動きはほとんどみられませんでしたが、去年、令和6年産のコメの価格が高騰したり、不足感が強まったりしたことで、ことしの新米は前もって確保しておこうというニーズが高まっていると分析しています。

サイトの運営会社 秋元里奈 社長
「スーパーで売られるコメの価格自体が高くなったことで、少し高くても生産者から直接買おうという消費者が増えている」

ふるさと納税でも新米の需要高まる

ふるさと納税の仲介サイトでは、ことしの新米を返礼品とする自治体への寄付の受け付けが例年より早く始まっていて、寄付の件数は去年の同じ時期を上回る水準となっています。

コメの価格高騰を背景にふるさと納税を活用して新米を早めに確保しようという動きが広がっているとみられます。

ふるさと納税の仲介サイト「さとふる」によりますと、ことし1月から5月までに自治体が新たに新米を返礼品として登録した件数は、去年の同じ時期のおよそ4倍に増えていて、例年より早く寄付の受け付けが始まっています。

また寄付の件数は去年の同じ時期に比べ、およそ1.6倍に増えているということです。

運営会社では、コメの価格高騰などを背景に利用者の間でことしの新米を早めに確保しようという動きが広がっているとみています。

自治体のなかには、確実に返礼品の新米を届けられるよう、予測している収穫量の一部だけを返礼品に充てているところもあるということです。

広報の坂平由貴さん
「自治体の間では、例年、6月以降から新米を返礼品とする寄付の受け付けが始まっていたが、ことしは2月ぐらいから始まっている。寄付する側も、早くからおいしい新米を予約をしようとする人が増えていると思う」

新米を返礼品とするふるさと納税の寄付をめぐっては、仲介サイトの「ふるなび」でことし1月から5月の寄付の件数が去年の同じ時期の1.2倍になっているほか、「楽天ふるさと納税」ではことし4月から6月の寄付額が去年の同じ時期のおよそ2倍に増えていて、いずれも新米への需要が高い状況となっています。

ことしから新米の予約販売始めた農家は

通販サイトに出品する農家のなかには、消費者の間でコメの需要は高いと見て、ことしから新米の予約販売を始めた人もいます。

千葉県旭市の平山拓也さんは、およそ0.35ヘクタールの田んぼでコメ作りを行っていて、例年、2トン余りを生産しています。

平山さんは消費者の間でコメの需要は高いと見込んで、ことし初めて、通販サイトを通じて秋に収穫する新米の予約販売を始めました。

サイトには、10キロのコシヒカリを税込み7800円で出品しています。

平山さんによりますと、先月中旬に販売を始めてから3週間ほどで、およそ60件の注文が入り、すでに想定している出品量の7割ほどの販売先が決まったということです。

平山さんは去年まで収穫量の40%余りを地元のJAを通じて販売していましたが、ことしはこの分を通販サイトで売り切ることを想定していて、来年以降もJAを通さずに販売することを検討しています。

ヒラヤマファーム 平山拓也さん
「想定以上の注文をいただいている。ことしの新米はまだ相場感が全く出ていないが、利益を最優先にしながらも、去年の価格などを参考にしてあまり高くなりすぎないように価格設定した」

福島 大玉村では令和6年産米の限定セール

福島県大玉村では新米の入荷が来月から始まるのを前に、去年収穫されたコメを販売するセールが直売所で行われ、多くの客でにぎわっています。

福島県大玉村の直売所で、7日限定で行われたセールでは去年収穫された「天のつぶ」が、相場より1割ほど安く販売されています。

午前8時半の開店と同時に多くの客が訪れ、用意された77袋は次々に売れていきました。

今回のセールは来月から早場米の入荷が始まるのに合わせて、手元にコメが残る農家に協力を求めて実現したということです。

本宮市から訪れた70代の女性は「家族と相談しながら大事にいただきたい」と話していました。

直売所の矢吹吉信 店長
「コメがないと売り上げも伸びないので、危機感に駆られて企画しました。やはり大玉のコメはおいしいんだということをPRしたい」

あわせて読みたい

スペシャルコンテンツ