朗読の世界

★湯本香樹実「夏の庭 The Friends」（全２５回）　朗読：渡辺裕太 町外れの古い家に暮らすひとりの老人を、ぼくらは「観察」することにした。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごとに高まるけれど、不思議とおじいさんは元気になっていくようだ――。いつしか少年たちの観察は、老人との深い交流へと姿を変え始めてゆく…喪われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。（新潮文庫より） 少年たちはこの老人との交流をきっかけに、様々な人間の生き方や裏面を感じ、体験してゆくが、或る日老人との別れがやってくる。老人は亡くなり、老人の家の庭にはみんなで撒いたコスモスの花が咲いていた。そして、三人にも別れの時がやってくる。小学校生活が終わり中学生となって、少年たちは、それぞれの地で新しい生活を迎える。 「夏の庭 The Friends」は、1992年に刊行（福武書店）されて、1994年に映画化公開された。 ★朗読：渡辺裕太（わたなべゆうた） 1989年生まれ、東京都出身。俳優・タレント。近年は落語家・天狗連俳遊（てんぐれん はいゆう）としても活動している。日本テレビ「ｎｅｗｓ ｅｖｅｒｙ．」や「所さんの目がテン！」でレポーターやナレーションを務める。野菜ソムリエの資格を持ち、2025年4月からはＮＨＫ Ｅテレ「やさいの時間」のレギュラーを担当している。全編を熊本県人吉市で撮影した出演映画「囁きの河」が2025年7月11日より全国で順次公開予定。 ★湯本香樹実（ゆもとかずみ） 1959年東京生まれ。東京音楽大学出身で作家、脚本家として活躍している。「夏の庭 The Friends」は1992年福武書店から刊行、1993年日本児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞を受賞。1994年相米慎二監督で映画化され、舞台化や１０数カ国で翻訳出版されて海外の賞も受賞している。2009年「くまとやまねこ」で講談社出版文化賞受賞。他に、「ポプラの秋」「春のオルガン」「西日の町」「岸辺の旅」、絵本に「わたしのおじさん」「魔女と森の友だち」などの作品がある。