特集

ウクライナ侵攻

ロシアのウクライナ侵攻から3年。現場では今、何が起こっているのでしょうか。トランプ米大統領が意欲を示す停戦の行方はーー。

特集一覧

トランプ氏、防空支援の意向伝達か ゼレンスキー氏との電話協議で

トランプ米大統領=2025年6月25日、ロイター 拡大
トランプ米大統領=2025年6月25日、ロイター

 ロシアの侵攻が続くウクライナのゼレンスキー大統領は4日、トランプ米大統領と電話協議した。米国はウクライナに対する一部の兵器供給を一時的に停止しているが、ゼレンスキー氏は協議後にX(ツイッター)で、両国がウクライナの防空態勢強化のために取り組むことで一致したと明らかにした。双方の担当チームで会合を設けることでも合意したという。

 ロイター通信によると、トランプ氏は協議後、記者団に対し、供給を停止しているとされる防空システム「パトリオット」用のミサイルについて「ウクライナは防衛のために必要だ」と言及した。3日に電話協議したロシアのプーチン大統領が停戦に向けた取り組みを拒んだとして「非常に不満だ」とも述べたという。

 米ニュースサイト「アクシオス」によると、ゼレンスキー氏とトランプ氏の電話協議は約40分間行われた。トランプ氏は供給停止となった兵器があれば確認するとし、防空面で支援する意向も伝えたという。ウクライナでは米国による兵器供給の停止で防空態勢が脆弱(ぜいじゃく)になることに警戒感が広がっている。

ウクライナのゼレンスキー大統領=2025年7月3日、Henning Bagger/Ritzau Scanpix・ロイター 拡大
ウクライナのゼレンスキー大統領=2025年7月3日、Henning Bagger/Ritzau Scanpix・ロイター

 ゼレンスキー氏はXへの投稿で、トランプ氏と「防衛産業と(防衛関連分野での)共同生産について詳細に会話した」とも説明し、無人航空機(ドローン)関連の技術が重要になると指摘した。「我々は米国との直接的なプロジェクトへの準備ができている。安全保障のため非常に重要だと信じている」と強調した。

 米メディアによると、米国が一時的に供給を停止しているのは、パトリオット用のミサイルのほか、精密誘導弾やF16戦闘機に搭載する空対地ミサイルなど。国防総省は備蓄不足への懸念や、防衛面での政権の優先事項と供給状況が合致するかを見直すための措置だとしている。

 米政治メディア「ポリティコ」は、中国に対する抑止を最優先する主張で知られるコルビー国防次官(政策担当)が供給停止を主導したと報道している。一方、米NBCニュースによると、供給停止はヘグセス国防長官による「一方的な措置」で、コルビー氏はこれを支持したという。

 ヘグセス氏は過去に2度、議会や政権内での調整を経ずに兵器の供給を停止したが、いずれも数日後に撤回されている。さらに、軍幹部による分析では、一部の兵器の備蓄は減少しているものの、最低限必要な水準は下回っていないとされる。

 米連邦下院軍事委員会のメンバーで野党・民主党のスミス議員はNBCに「備蓄に関しては、(2022年2月に)ウクライナでの戦争が始まって以降で比較して、これまでよりも低い水準にはなっていない」と指摘。「供給停止の本当の理由は単にウクライナ支援を削減するということであるように思える」とした上で、「軍事面での備えを理由に正当化することは不誠実だ」と批判した。【ベルリン五十嵐朋子、ワシントン松井聡】

【時系列で見る】

【夏得】2カ月無料で読み放題キャンペーン実施中!

関連記事

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月