対象となるのは1986年から2015年までリリースされていた「ザ・ブレンド」です。
余市モルトを中心にしたパワーのあるブレンド
2013年時点で、ニッカのブレンデッドウイスキーの中でも、鶴17年の次に位置するブランドでした。一般的なブレンデッドウイスキーではグレーン厳守の割合を多めにする傾向がありますが、このザ・ブレンドはモルトとグレーンの比率を2:1にする形で、モルト原酒優位のブレンドとなっていました。
キーになっていたのが余市のピーテッドモルトで、そこに宮城峡モルト、カフェグレーンがブレンドされたものでした。
スーパーニッカがサントリーオールドやリザーブの競合として存在していたのに対して、ザ・ブレンドはサントリーローヤルを対抗としていたようです。
テイスティング
同じブレンデッドウイスキーのスーパーニッカと比べると、若い余市モルトの潮の香りを持つ独特のスモーキーな香りが強く、当時500mLのボトルととしてリリースされたノンエイジ版のシングルモルト余市のようなアルコールの強さを感じられました。スーパーニッカが宮城峡モルトを中心にしたマイルドな印象があったのとは対照的な印象がありました。
ローヤルが日本人向けにさっぱりした印象にしたのに対し、ザ・ブレンドは若い余市モルトをメインにして本格的なスコッチウイスキーのような味わいに仕上げているような気がします。
ブレンデッドモルトの竹鶴12年と比べても、アルコールのきつい刺激が強いように思えます。
本格的なウイスキーの味を楽しむにしても、ザ・ブレンドよりも安価なシングルモルト余市がありますので、飲み比べてみてもザ・ブレンドの位置は微妙に思えます。
ザ・ブレンドの後継は?
2015年にザ・ブレンドが終売し、その上位である鶴17年も一般販売が終了しました。2025年現在、ザ・ブレンドに相当するボトルが「ザ・ニッカ」になります。
ザ・ニッカは2014年に12年ものとしてリリースされましたが、原酒不足に伴い、2019年にノンエイジのテイラードがリリースされて現在に至ります。
ザ・ブレンドは発売当時は3000円台でしたが、ザ・ニッカは8000円台とかなり高い銘柄になってしまっています。
<個人的評価>
- 香り B: 余市モルトならではの燻製を思わせるピート香が目立つ。その後レーズン、ドライマンゴー、バナナ。
- 味わい C: ストレートでは辛みが目立つ。加水後は酸味が主体でスパイシーさが感じられる。
- 総評 C: 比較的安価に余市モルトのパワーを感じられたボトル。
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