日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(32) 5章 絶対にあきらめない精神 5
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入会拒否控訴審、大学訴訟、そしてシンポ参加拒否訴訟――3件の訴訟が同時に進みはじめた。裁判には負け続けてきた。また負けるかもしれない。だが存外に気持ちは明るかった。追い詰められているのは大内氏や全国会議のほうではないか。そんな気がした。その場しのぎの嘘を重ねているうちに嘘の地雷原に囲まれて身動きできなってきているのではないか。
大学訴訟の審理が進むにつれ、中京大学と武蔵大学の調査の実態が少しずつわかってきた。「妥当な調査がなされたか調べる必要がある」と裁判官は相手に情報開示を促した。やがて双方から調査記録の一部とそれに伴う主張がでてきた。中京大学(学校法人梅村学園)はほとんど意味のあるものは出さず、「文科省ガイドラインはあくまで研究機関運営上の指針を定めたものであり、具体的な事案において研究機関等に何らかの義務を課したものではない」などと主張した。自分たちのやり方でやるんだ、何を不正と認定するかは自分たちの勝手だ、といわんばかりの強気の姿勢だ。
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