札幌 中1女子生徒いじめ自殺訴訟で両親と市の和解が成立

4年前、札幌市で、当時中学1年生の女子生徒がいじめを訴えて自殺したことをめぐり、生徒の両親が市に損害賠償を求めた裁判は、市側がいじめの防止措置が不十分だったと認めて謝罪し、解決金として6000万円を支払うことを条件に、1日、和解が成立しました。

4年前、札幌市で当時中学1年生の女子生徒がいじめを訴えて自殺した問題をめぐっては、去年7月、生徒の両親が、同級生からのいじめ被害を訴えていたにもかかわらず、学校側が適切な対応を怠ったなどとして、市に対し、およそ6500万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

これまで札幌地方裁判所で和解に向けた話し合いが行われていて、裁判所からことし4月に示された和解案に、両親と市の双方が応じる意向を示していました。

原告の弁護士や札幌市によりますと、1日行われた非公開の協議で、市側がいじめの防止措置が不十分だったと認めて両親に謝罪し、解決金として6000万円を支払うことなどを条件に、和解が成立したということです。

生徒の両親は、和解案に応じることを決めたことし5月に、弁護士を通じてコメントを出しています。

父親は「いじめによって命を絶った娘への代償は計りしれず、今回の和解で娘への償いがすべて終わったとは思えません。元担任を含め学校の先生方、市教委、そして札幌市長には責任を自覚し、今後二度と同じことが起きないようにしっかり対策をとっていただきたい」などとしています。

また、母親は「娘の命は何物にも代えることはできません。私は、娘にもう二度と会うことはできないのです。このやりきれない思いが消えることはありません」などとしています。

札幌市教育委員会は、「和解が成立しましたが、生徒の尊い命が失われたことを改めて重く受け止めております。学校のいじめ防止措置が不十分であったことについて、おわび申し上げます。事案を受けて改定した、いじめの防止に向けた基本的な方針に基づき、二度と同じことが生じないよう、引き続きいじめの防止に全力で取り組んでまいります」とコメントしています。

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