【独自】熊本県警、検察に事件送致せず 玉東町で強制捜査も 刑訴法規定に抵触か
玉東町発注工事を巡り、2022年11月に官製談合防止法違反の疑いで熊本県警が強制捜査に乗り出して関係先を家宅捜索して以降、捜査結果の書類を熊本地検に送致していなかったことが1日、複数の関係者への取材で分かった。
刑事訴訟法246条は、警察官らが犯罪を捜査した時は原則、「速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない」と規定。微罪などを除いた「全件送致主義」の根拠となる条文で、同志社大の宇藤崇教授(刑訴法)は「捜査が終了したら嫌疑がなかった場合でも送致しなければならない」と指摘。複数の検事経験者は「強制捜査までして送致しておらず、刑訴法に抵触する可能性がある」としている。
関係者や町の説明によると、県警は20年度のJR木葉駅前の高層賃貸マンション建設と22年度の役場庁舎建設の事業者選定に関し、官製談合防止法違反の疑いで調べていた。
22年11月から職員6人を任意で事情聴取し、担当課のパソコンデータなどの任意提出を受けたという。このうち管理職の男性については13回にわたって聴取。さらに裁判官が発付した捜索差し押さえ令状で家宅捜索し、男性の私用パソコンやスマートフォン、複数の預金通帳を押収した。
町によると、23年2月に県警から捜査の終了を伝えられた。管理職の男性は、押収品目録の捜査書類で自身が容疑者とされていたことから今年6月17日、熊本地検に処分の有無などを照会。地検の担当者は「事件そのものが送られていない」と回答したという。
管理職の男性は「自分はまだ容疑者のままなのかもしれないと思い、不安な日々が続いている」と話している。
熊本日日新聞の取材に県警捜査2課は「個別の事案には答えられない」としている。(地域報道本部取材班)
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