【 無料公開中 】【 👍 ① 超解説 ‼︎ 】 【 ストラクチャー DRONE2編 】 アンビエント・マシン ▶︎ SONICWARE LIVEN Ambient Ø
日本の電子楽器メーカー SONICWARE(ソニックウェア)が LIVEN シリーズ第8弾としてリリースした
サウンドスケープ・シンセサイザー
『 Ambient Ø 』 (アンビエント・ゼロ)
これまでにいくつか記事を書きましたが、今回は「超解説」と題し、
「ストラクチャー」にだけフォーカス
し、より深く掘り下げ分かりやすく解説します。
Ambient Øの音作りの核心でありながら、
難解な側面もあるストラクチャー
の構造を理解することで、Ambient Ø を楽しみながら、
自身がイメージする音を作ることができ、
曲のクオリティをあげることができる
と思います。
💡 ぜひ実機を手元に置きながら、じっくりと読み進めてください。
※ 本記事は、メーカー公式の情報をもとに実機を使用しての検証と筆者自身の理解に基づいて執筆していますが、あくまでユーザー視点での解釈となります。その点あらかじめご了承ください。
▼ 初心者の方向けに、ストラクチャーを含む音作りについて書きました。
(本記事はそれをさらに深掘りした内容になっています)
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【 目次 】
・ WAVE と ハーモニックテーブル
・ 6つのストラクチャー
・ DRONE2 ストラクチャーについて
補足 :ピッチとデチューンの違い
・ 陰陽オシレーターグループの違い
▷▶︎▷ 重要ポイント
▷▶︎▷ 変化を実機で確認
・ MOD (depth) ノブについて
▷▶︎▷ LFOの仕組み
・ 実践 : ドローンの音作り
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【 WAVE と ハーモニックテーブル 】
ストラクチャーの解説に入る前に、Ambient Ø に搭載されている『 WAVE 』(オシレーター)について触れておきます。
Ambient Ø には、サイン波、矩形波(くけいは/Square wave)、三角波などを含む
32種類のオシレーターが搭載
されています。さらに、
32種類の波形はそれぞれ
128個のHARMONIC テーブルを
持っています。
▷▶︎▷ 重要ポイント
▷ WAVE ・・・ 基本となる波形(オシレーター)を選択
▷ HARMONIC ・・・ WAVEで選択した波形の「 どのハーモニックテーブルを鳴らすか 」を選択
例えば、ひとつの鍵盤を押したまま、HARMONICのノブを回すと、値が0〜127で変化(128個のハーモニックテーブル)し、音程そのものは変わらないまま、鳴り方(音色の質感)が変化します。
HARMONIC=倍音構成を変化させる
→ 音の鳴り方が変わる
→→ 音同士が重なった時にうねりが生まれる
HARMONIC テーブルとは・・・
・元の波形から倍音成分が変化した波形
・完全に別の波形ではなく、鳴り方が異なるようなイメージ
倍音とは・・・
例えば、ピアノの低音の「ド」の音を鳴らした場合、実際には「ド」だけでなく、「ソ」やオクターブ上の「ド」なども微かに鳴っている。基音以外に含まれる音成分のこと。
・・・ ・・・
【 6つのストラクチャー 】
Ambient Ø の音作りの核となるのが、以下の6つのストラクチャーです。
これらはそれぞれ、
どのような仕組みで
音を鳴らすのか
=「構造(ストラクチャー)」
を表しています。
例)DRONE2のストラクチャー
【 DRONE2 ストラクチャー 】
・中央の2つの台形・・・陽と陰のふたつのオシレーターグループを表す
・六角形・・・オシレーター(32個のWAVEのいずれか)
(*六角形すべて同じWAVE)
・M・・・MODノブで変化させるパラメーター。DRONE 2では、Mから伸びる点線の先に「H(HARMONIC)」があり、
MODノブでHARMONICの値を変化させることができます。
・H・・・HARMONIC(ハーモニックテーブル 倍音構成を変更)
・b・・・balance オシレーター1と2の音量バランス
・P・・・PITCH ピッチ(音程)
例)10で半音上昇、120で1オクターブ上
・d・・・detune デチューン(音程(ピッチ)をわずかにずらす)
【 補足 :ピッチとデチューンの違い 】
▶ ピッチ(PITCH)
ド、ド#、レ、レ#、ミ、ファ、ファ#…
▶ デチューン(detune)
例えばドの音のデチューンをプラス方向に調整すると、少しだけ高いド、もう少しだけ高いド、さらに少しだけ高いド…というふうに、「ド」の音程は変わらずに、ほんの少し「ド#」の方に近づくようなイメージ
図に描かれた六角形(WAVE/オシレーター)から伸びる点線の先にある「P」や「d」は、そのオシレーターに対して変更可能なパラメーターを示しています。
DRONE2の場合:
・陽のグループにあるオシレーター(白抜きの六角形)
→ ピッチ、デチューンは固定
・陰のグループにあるオシレーター(白塗りの六角形)
→ ピッチ、デチューンを変更可能
【 陰陽オシレーターグループの違い 】
ストラクチャーを理解するうえで、もうひとつ重要なポイントがあります。
それが、「陽」と「陰」ふたつのオシレーターグループによるモジュレーション方向の違いです。
・陽のオシレーターグループ(台形)に属するオシレーター(六角形)
→ 正の方向にモジュレーションがかかる
・陰のオシレーターグループ(台形)に属するオシレーター(六角形)
→ 負の方向にモジュレーションがかかる
*「 モジュレーションがかかる 」とは
→ 音に周期的な変化を加えること
DRONE2のストラクチャーで
MODとdepthを設定した場合
DRONE2では MOD は HARMONIC を周期的にコントロールするように設定されています。
このとき、MODとdepthの値によって、
陽のオシレーターグループは
ハーモニックテーブルが
0から127の方向(正の方向)に向かって変化
するのに対して、
陰のグループでは、逆に
127の方向から0に向かって、
127→126→125…と負の方向に
ハーモニックテーブルが変化
していきます。
▷▶︎▷ 重要ポイント
▷▶︎▷ 変化を実機で確認
以下の設定で
実際に陰陽グループの違いを聴き比べる
ことができます。
この状態で balance ノブを左右いっぱいに振り、それぞれの音をしばらく聴いてみると、
音の出だしの違い
がはっきりと分かります。
▶︎ balanceノブ
・左に振り切った状態・・・ウィーンーーーーブープーーーーの繰り返し
・右に振り切った状態・・・プーーーーウィーンーーブーーの繰り返し
6つのストラクチャーのうち、オシレーターが「陰」と「陽」のグループに分かれているのは、DRONE2、PAD1、PAD2の3つです。
この 『 陰陽オシレーターグループ がどの方向にモジュレーションされるのか 』 を理解することで、音作りの際に
『 どこに耳を向ければよいか 』
が明確になります。
その結果、より繊細な音作りが可能になり、
楽曲全体のクオリティが上がる
ことにつながります。
【 MOD (depth) ノブについて 】
MOD(depth)ノブは、
ストラクチャー内に組み込まれた
LFOとして機能
します。
LFO とは、音に対して
『 自動的 』 に 『 周期的な変化 』 を
与える機能
です。
その変化の仕方は、LFOの波形(サイン波・三角波など)によって異なります。
先ほどの設定を図に表すと以下になります。
・MOD・・・13
・depth・・・127
この場合、サイン波形のLFOが、
「速度13でゆっくりと」
「深さ127で大きく」
HARMONIC の値を周期的に変化
させます。
つまり、HARMONICの値は、
0 → 1 → 2 → … → 127
→ 126 → 125 → … → 0
→ また1 → 2 → … というように、
なめらかに増減を繰り返す動き
になります。(これはLFOの波形(SHAPE)がサイン波の場合)
Ambient Ø にはLFOが2基搭載されていますが、MODもそれに似た周期的モジュレーションの役割を担っています。ただし、MODノブはひとつで
アサインされるパラメーターは
ストラクチャーごとに固定
されており、2基のLFOにはあるTRIGのパラメーターは変更できません。
(実質、TRIGはINFに設定 → 鍵盤を押し続ける間、ずっとモジュレーション(音の変化)が繰り返される)
DRONE2のストラクチャーの場合、MODには HARMONIC がアサインされています。
MODノブ → ストラクチャー内のLFOの役割
・MOD・・・LFOの速度つまりRATE
・depth・・・値が変化する深さ
・SHAPE・・・MODで変化させる際のLFOの波形
例えば、DRONE2のストラクチャーの場合、以下のような設定にするとMODを使うことでHARMONICノブを手動で動かすような音の変化が可能になります。
MOD・・・30
MOD(depth)・・・127
ただし、手動でHARMONICノブを操作するのと違う点は、DRONE2のストラクチャーのように陰陽のオシレーターグループがある場合は、
陰のオシレーターグループは
負の方向にMOD(モジュレーション)が
かかり、両グループの音がずれて、
重なることで、うねりが生まれる
点です。
これがMOD(モジュレーション)を使って音を変化させる際の、非常にユニークなポイントです。
・・・ ・・・
▷▶︎▷ここまでのまとめ
Ambient Øには、
・32個のオシレーターが搭載(WAVEノブで選択)
・1つのオシレーターは128個のHARMONIC テーブルをもつ
・HARMONIC テーブルの違いは倍音構成(HARMONICノブで変更)
・ストラクチャー図における台形は「 オシレーターグループ 」、
六角形は「 オシレーター 」
(32個のWAVEのいずれかで、六角形すべて同じWAVE)
・モジュレーションとは「 音を変化させること 」
・陽のオシレーターグループ:正の方向にモジュレーション
・陰のオシレーターグループ:負の方向にモジュレーション
・赤色のMODノブは、ストラクチャー内に組み込まれたLFOとして機能
2基のLFOと違う点:
▶︎ TRIGが設定不可(ずっと音が変化し続ける)
▶︎ 陰のオシレーターグループは、負の方向にモジュレーションがかかる
【 実践 : ドローンの音作り 】
一例として、以下のような設定で、
トラック1にサイン波でドローンの音を
作ってみます。
上記の設定が終わったら、下記の図のように鍵盤を弾いてみてください。
▶︎ 操作手順
オレンジ色で示された鍵盤を押し続ける
↓
「 ①の鍵盤 」を8秒間押す
↓
①の鍵盤から指を離し、「 ②の鍵盤 」 を8秒間押す
上記の操作を繰り返す
※単音しか音が鳴らない場合
下記画像を参考にボイスモードを『 POLY 』に変更してください。
ゆったりと音の鳴り方が変化していくのが感じられると思います。
これは、
MODノブによって
HARMONICの値が
周期的に変化している
ためです。
トラック1では4つの鍵盤しか使用していないにもかかわらず、それだけでも十分に心地よい雰囲気のドローン音が作れます。
さらに、以下のような設定を加えると、より深みのある音になります。
・shimmerの値:10
→ 高音が加わり、音に広がりと煌めきが出る
・CUTOFFの値:35
→ 音の輪郭がやわらかく、優しい印象に
など
以上が、DRONE 2ストラクチャーの仕組みと実践的な音作りの一例です。
この考え方を応用すれば、他の5つのストラクチャーについても理解が深まるはずです。
次回は、DRONE1やPAD1など他のストラクチャーについても深く掘り下げていく予定です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
▼ DRONE1のストラクチャーについて『 超解説 』しました
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