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「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

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加藤陽子・評 『追跡 公安捜査』『内調 内閣情報機構に見る日本型インテリジェンス』

 ◆『追跡 公安捜査』=遠藤浩二・著(毎日新聞出版・1870円)

 ◆『内調 内閣情報機構に見る日本型インテリジェンス』=岸俊光・著(ちくま新書・1540円)

監視すべき権力に向き合うスタンス

 金曜の夜などに東京有数の繁華街の渋谷を歩こうものなら、ごった返す人波に抗して進む強い意志を必要とする。逆に、喧噪(けんそう)と雑踏の中に身を委ねてしまえば、急速な少子化も、長期国債の金利上昇も、心配ご無用に思えてくるから不思議だ。

 だが、ふと、あの報道は結局なんだったのだろうか、との疑念が頭に浮かんだりして、すっと正気に引き戻される。読者は憶(おぼ)えているだろうか。2021年11月27日に「毎日新聞」が報じ、他紙も報じた不可思議な事件を。東京地検特捜部の建物で同年7月と8月、別々の階で火災が発生するが、火元は実のところ同一の事務官が配置換前と配置換後に居た部屋であって、現場からはその事務官の手で変造された捜査書類が見つか…

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