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第42回「外天楼」

いや、ホンマは他にやらなあかん事あんねん…



でもな、それをすっげえやりたくないから他の事すんねん…



ああもうやだやだ。
やりたくない事リストがしずしずと溜まっていくよう…


今月いっぱいにやらなあかん事が溢れているの。
一ヶ月ぐらい戻りたい。若しくは二ヶ月進みたい。

こう…人生ゲームで支出ばっかりのゾーンに踏み込んでしまった様。
大学時代はテスト一週間前は基本こんな心境だったでよ。




みんな大好き石黒正数。この人の短編集or一冊完結モノは外れた事がない。


さて今作は。外天楼(げてんろう)と呼ばれるクーロン城みたいな違法建築マンションに住む人々を中心に
展開されるサスペンスギャグ。


相変わらずくっだらない事件に対して不必要に推理して逆に混乱してしまうような、
ギャグ推理ミステリーのような展開が前半は続く。


「このエロ本を捨てたのはだれだ?」
「戦闘員が一人多い?!」


みたいな、いつもの石黒テイスト満載な「無駄推理」で本作は展開していく。




ところが、中盤ぐらいから突然様子が一変する。


おや?と思って読み進んでいたら…





うっそん!そんなとこに着地すんのかい!?

っていうストーリー展開。





前半のギャグっぽい展開に登場する小さなアイテムや人物が、後半こう処理されるんかい…
という驚きの連続。


この突然の路線変更が始めから予定されていた事ならば、石黒さんホンマ凄い。
あんなギャグ書きながらそんな伏線を虎視眈々と敷き続けたんかい…と驚愕する。



ただ、あまりにも突然方向が変わるので、どっちかっていうと「気まぐれ」か、コミックス一冊で
この短編をまとめたかったが故の着地点創作なんかもしれん…と勘ぐった。

それぐらい伏線の利用の仕方が…無理があるって言ったら言い過ぎなんやけど。
こう、自分で読み返しながら
「あ、じゃあこのいつも食べてたアイスを~だったから、って事にしよう!」
みたいな使いかたするもんで。



ただ、だとしても。
ここまで上手に利用したんだったらそれもまた一興。
少なくとも興ざめするような事は一切ない。保証する。



ホント見事に方向転換するよ…

一読の価値あり。







そーいや、こういう展開はネムルバカに通ずるものがあるな。



ヘラヘラ展開してるのに、いつのまにやら真摯になっている。


ネムルバカの方が徐々に進行していったのに対し、こっちはホント突然。


明らかに「えっ?」って声に出してしまう瞬間がある。




俺個人としては後半のシリアスな展開の方が好みだから、最初からそこを狙って話を進めて欲しかった。
もしくは全二巻にして、一巻と二巻で最早違うマンガやん、ってして欲しかった。


一巻の巻末の次巻予告で「嘘予告」みたいなんをシリアス展開にしといて。
実際に二巻の一話目で「えっ?」を持ってくる。


こいつ、嘘予告実行しやがった!っていうのも新しいと思うのだがいかがか。




どんな風に話が展開したのかはここでは書かないが、是非読んでもらいたい一冊。

「すきな人には」オススメ、とかではなく「誰にでも」オススメできるよこれは。


ネムルバカの方がギリギリ好きだが、そこらへんに食い込んで行けると思う。


もうちょっと読みたかった。突然すぎんだよ、色々…


奥付のページに登場人物がカーテンコールみたいに並んで笑ってる絵が地味にキツい。

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