コンニチハ ! 日本館
日本館総合プロデューサー・佐藤オオキのつぶやき。
日本館の状況や、日々の気づきなどを発信します。
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日本館観察記
思いを凝縮させたスツール
「火星の石」や「藻類キティ」などが注目されがちな日本館ですが、ぜひ気にとめて頂きたいのが、スツールです。「ファームエリア」で育成されるものと同じ種類の藻類を粉末状にし、これをバイオプラと混ぜたあと、「ファクトリーエリア」の3Dプリンターで成形されたもの。
色が美しいグラデーション状になるように工夫されていたり、日本の伝統建築の継ぎ手をモチーフにすることで簡単に組み立てと分解ができたり、実は3つのパーツが日本館の3つのエリアを表現してたりと、日本館の思想やメッセージがギュギュッと凝縮されたプロダクトなのです。
館内のあちらこちらに置かれているので、ちょっと疲れたら自由に腰掛けてみてください。
そして、オシリ越しにその魅力を少しでも感じてもらえたら幸いです。
日本館観察記
ぜひ、お立ち寄りください
ここだけの話。
(って言ってる人のことを決して信用してはいけない)
実は日本館内の展示室以外に、オススメの空間があるんです。
日建設計さんが並々ならぬ熱量で設計し、自分が思わず歓喜の声をあげてしまったのがこちら。トイレです。
屋外に1か所と、屋内に3か所あるのですが、いずれも非常に快適な仕様となっております。
4月頭のテストランの直前に、個人的にこっそりとテストラン済みですのでそのクオリティは保証致します。
デザインよりもトイレへのコダワリのほうが強いデザイナーとして知られている自分が言うのだから間違いありません。
展示のことは嫌いになってもトイレのことは嫌いにならないで下さい、とはよく言ったもので、
騙されたと思って是非ご利用ください。
月刊日本館に想う
月刊日本館第12号目
月刊日本館の完結編となる12号。
今号はお恥ずかしながら、自ら日本館について語っているインタビューが掲載されております。
伸び伸びとボヤかせていただいている「コンニチハ ! 日本館」と違って、少々マジメな内容となっていますが、時間潰しにご一読いただけたら幸いです。
個人的に注目してほしいポイントは、挿し絵的にところどころに使用されている
初期のコンセプトスケッチでしょうか。
よくよく見ると中庭の水盤が幾重にも重なるリングのようなデザインになってたり、メタン発酵槽のインスタレーションはアップダウンの激しい動線計画になってたりと、様々な変遷をたどった結果として今のカタチになっていることがわかります。
そして、こうしたスケッチたちを眺めているだけで疲労感がぶり返してくるので、自分は極力見ないようにしてます。笑
日本館観察記
開館式
とうとうこの日を迎えることができました !
日本館の開館式 !
いや、実に濃密な4年間でした、、。
ご協力頂いた皆様にはどれだけ感謝しても感謝しきれません。
信号待ち中とかに、不意に涙が頬を伝っちゃうくらい、心身ともに猛烈な脱力感です。
いざ開館式当日。
開始数分前に関係者から段取りの説明を受けます。
「ここで、くす玉を割るセレモニーとなります」
(ほうほう。こう見えて(どう見えて ? )人生初のくす玉割りです)
「今回のくす玉は球型ではなく長方形となります」
(いきなりイレギュラーな展開。できることなら、くす玉デビュー戦はスタンダードな球型であってほしかったです)
「そして、ヒモは縦ではなく、横に引いていただきます」
(こうなってくるといよいよ実物を見ないと状況がイメージができない、、。えっ、どういうこと ? )
「そして、決してヒモは引かないでください」
(これは「一休さん」的なアレなのか ? ヒモを引かずに引いてみよ、的なアレなのか ? 、、っていうか、それって本当にくす玉と呼べるのか ? )
「その後、、」
(え、まだあるの ? )
「大型のバズーカ型クラッカーが左右で破裂します。大変大きな音が鳴りますので決して驚かないよう、ご注意願います」
(いや、「驚かないで」って言われるほうが余計に怖くなるやつ ! )
そして案の定、本番は想像のはるか斜め上をいく爆音に登壇者全員がしっかりとビックリした直後の写真がコチラです。
大阪・関西万博開幕まであと少し !
皆さんのご来場をお待ちしております !
日本館観察記
ダブルラッキー
この日は日本館の外観のライティングの調整です。
日没後の作業のため、午後遅めの新幹線で大阪へ。
車内でカツサンドを食べようと紙箱を開けたところ、フタの側面に「おみくじ」という文字が。
しかもその結果は「大吉」ではありませんか。
普段は占いの類いは全く興味のない自分ですが、決して悪い気はしません。
ヨシ、今日のライティングはきっと上手くいく。そう確信した次の瞬間、、
そのさらに左下あたりをよくよく見ると、小さな文字で「今日のラッキーミート」と書かれてる。
ラッキー「カラー」でも「アイテム」てもなく、「ミート」ですか。
そしてどうやら私のラッキーミートは「ロース肉」らしい。
ロース肉に衣をつけて揚げてパンで挟んだものを覆う箱が、自らそれを言いますかね。
いずれにせよ、今日はダブルでラッキーデーらしいので、日本館のライティングは間違いないと思います。
日々のあれこれ
日本館公式グッズのサンプル
ずらりと会議室のテーブルに並べられたのは、日本館公式グッズのサンプル。
これでもまだ全然ほんの一部なんです。
日本館内の公式ショップで販売されるこうしたグッズ類は、単なる商品ではなく、展示体験の一部という大切な位置付けです。
膨大な数のサンプルをひとつひとつ丁寧にチェックと修正を繰り返さないといけません。
日本館と同じか、それ以上の熱量を込めて、今日もサンプルチェックに取り組む総合プロデューサーの佐藤なのでした。
いや、さすがに「それ以上」ってことはないか。
展示を覗こう
館内をウロウロ
建築工事の仕上がりのチェックをしながら館内をウロウロ。
このとき、頭の中では展示物やライティングや音響など、完成した空間をできるだけ高い解像度でイメージしようとします。
それにしても、円形の空間をグルグル歩き回っていると脳内が適度にバグってきて、自分がどこにいるのか段々とわからなくなる、、。
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バイオガス発電施設
ここが「生きているパビリオン」を目指す日本館の中枢とも呼べる「バイオガス発電施設」。
万博会場内から1日約1トンごみのを譲り受けて、微生物のチカラで水や電気、CO₂などに分解する場所なのですが、これがまたなんともカッコいいですよね。
中の展示空間よりもコッチのほうが良かったってなっちゃうと少し困りますが、、。汗
いや、別にそれはそれでいいのかな ?
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水を使って絵を描く
これは、水を使って絵を描く装置。
水だから徐々に消えて無くなる、儚いアートなのです。
絵だけでなく、水滴が落ちてくるときの音がまるでパーカッションの演奏のようにも聞こえる、五感を刺激する作品となる予定です。
テクニカルディレクションやエンジニアリングには、nomenaの武井さん、ルフトツークの遠藤さん、そしてegaoの三谷さんという、日本デザイン界が誇る最強メンバーが集結。
この人たちがいなかったら今頃どうしていいかわからずに、自分が「儚く消えて無くなる」ところでした、、。
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中央の大きな中庭
日本館の目玉のひとつでもある、中央の大きな中庭です。
工事も最終段階に突入し、これからいよいよ水盤に水が入れられる予定。
中庭に立つ自分は、施工状況を厳しい目でチェックしている、、
、、のではなく、シンプルに疲れてぼーっとしているだけです。
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〇〇の正体
以前もご紹介した「骨組みの上に並ぶ、謎の細長い棒」の正体が段々と姿を現してきています。
ひとつずつ手作業で角度を調整することで、「波打つ海面」のような起伏を生み出します。
この展示空間は、あえて映像や色彩を使わずに、白い光だけによる演出です。
ここから細心の注意を払いながら仕上げていかなくてはいけません。
視点を変えてみたり、歩きながらどう見えるかを確認したりと、ひたすら動き回りながら現場作業を行うことになりますが、今から整体の予約を済ませておかないと足腰が持たないという、、アラフィフの哀愁。
日本館観察記
流れる光の球
以前、確認していた「流れる光の球」ですが、その舞台となる空間がいよいよ出来上がってきました。
昨年、倉庫で一度実際の空間を組み立てて検証しているため、「はじめまして」というより「またお会いしましたね」というカンカク。
作業用の足場を解体したら、また光の動きや音響の細かい調整作業がはじまります。
やってもやっても全然時間が足りない、、。汗
日本館観察記
「日本館」の一部
「本館」と「分館」のサイネージ、、、、、ではなくて「日本館」の一部です。
色部さんと一緒に、文字のエッジの見え方や光り加減などを細かくチューニング。
次は夢洲の現場で「a館」「b館」「c館」のサイネージ、、、、じゃなくて「Japan / 日本館」の一部ですね。
ここでも文字の仕上げや厚み、取り付け方法などを実際の外壁に当ててチェック中。
そして、、綺麗にサイネージが取り付けられました ! (光るほうはまだこれから)
外壁の木材は会期後に再利用しやすいように薄化粧です。
浜風と日差しによって、早くも色味や風合いが変化しつつあります。
10月に閉幕する頃には日本館がどんな表情になっているのか、今から楽しみです。
こうした、時とともに優しくうつろいゆく様子からも、日本館のテーマである「循環」を感じちゃいますね。
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グリッドまみれのシミュレーション現場
今回もまた大型の倉庫の中に展示室をまるごと作って、映像のシミュレーションを行ってます。
グリッドを床と壁に投影しながら行うのですが、関係者が多すぎて、オジサンたちがグリッドまみれに、、笑
映像同士が重なる箇所の馴染み具合や、投影しにくい場所の映像の歪み加減を確認して、そうした「急所」をできるだけ避ける、もしくは目立ちにくくなるように映像の内容を調整していきます。
とあるキャラクターがこの空間内を縦横無尽に飛び回る予定ですが、、
もし、やたらと派手な動きをしているシーンがあったら、それは何かからみなさんの目を逸らすために頑張っている可能性が高いので、どうか温かい目で見守ってあげてください。笑
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原寸大「藻類×ハローキティ」が出現 !
事前に3Dプリンターで出力して確認していても、原寸大になると形の印象がガラリと変わることがあります。
この日は、「藻類×ハローキティ」の展示のためのオブジェの確認会です。
まだ白いものは形状のチェック。
スベスベと手で触りながら曲面どうしのつながりが自然かどうかを確認します。
次は何種類か塗り分けた状態で、塗装色と光沢の度合いを決めていきます。
マットになりすぎるともっさりと重たい印象になるし、ツヤ感が強すぎるとスポットライトの反射が邪魔してしまいます。
特にキティちゃんの目の色とツヤ感は何度も繰り返し試しながら、もっともイキイキとした表情を探る作業となります。
(いや、こう見えてちゃんと表情、、あるんですよ !)