消費税のよくある詭弁について。
こういうのにもいい加減うんざりしてくるが………
「輸出企業は消費税の還付を受けてるけど、それは損も得もしてない。国内で消費税払って、輸出で消費税かからないけど還付されるだけだから、利益に関係ない。」
これは“表面だけ見た浅い話”
【それは間違いだという反証】
❶ 輸出企業は最終消費に課税されない
消費税は**「国内の最終消費」に課税される税なので、輸出取引には課税されない(=ゼロ税率)。だから輸出企業は売上に消費税を上乗せしない。
でも国内で仕入れる原材料やサービスにはフルに消費税が課税されている**。
❷ 仕入れにかかった消費税は「全額還付」される
この還付が問題。例えば仕入れに10%かかってたとする。
輸出企業は売上には税かけないのに、仕入れで払った税は全部取り返す。
つまりこうなる
売上:1000万(税ゼロ)
仕入:500万(税込550万)→ 支払った消費税:50万
還付:50万
→ 結果として、売上には税かかってないのに、支出側の税は国が肩代わり=50万円の実質的補助
❸ 実質、これは国からの「収入(キャッシュイン)」
売上には反映されてないけど、キャッシュフローとしては+50万。
これを「利益に影響してない」とか言うのは明らかに誤認。
【国内取引と比較すれば一目瞭然】
● 国内取引
売上:1100万(税込)
仕入:550万(税込)=500万+50万
消費税納税額:売上の100万 − 仕入の50万=50万納税
結果:利益=売上−仕入−納税=1100−550−50=500万
● 輸出取引
売上:1000万(税なし)
仕入:550万(税込)=500万+50万
消費税還付:+50万
結果:利益=売上−仕入+還付=1000−550+50=500万
→ 一見同じ500万だけど、輸出は税がかかってない売上で「仕入税分が戻ってきている」。
ここがミソで、「還付されてる」という形で売上以外の"非課税な収入"が生まれている=利益に影響してる。
💣【本質:還付は課税対象じゃない“利益上乗せ”の補助構造】
税務会計上は「還付=収益」ではなく「仕入控除」かもしれないけど、実質的には国からの返金であり、キャッシュであり、経済効果的には補助金と等価。
還付された消費税は「費用に含まれる税を帳消しにする」のではなく、そもそも費用には税込価格が入り、そこに国が一部金を戻す=支出原価の実質的圧縮になる。
これは企業側の実質利益率を押し上げている構造。
【つまり何が間違ってるのか?】
「輸出も国内販売も、最終的に利益は変わらない」←これは計算上の嘘。
税抜価格で売る輸出では、仕入税が還付されて「利益が維持される」ように政策的に設計されている。
一方、国内販売は税を上乗せする必要があり、最終消費者がその税を負担して利益が守られる。
つまり、輸出企業には還付という「国からの金銭的移転」がある時点で、それは間違いなく補助金的であり、利益に影響している。
✅結論
「還付がある=国からの返金がある=支出が実質圧縮されて利益が上がる。これは補助金構造そのもの。
少なくとも「中立」なんてものじゃない。
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