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Conversation

国連サイバー犯罪条約(新サイバー犯罪条約)について、懸念されている「留保なしで締結(発効)される」ケースは具体的にどのようなものか、について具体的に触れられている投稿はあまり見なかったので、本条約はこれからどのようなプロセスで審議されるのか、その流れを文献等に基づいて見てみたいと思います。 昨年末、同条約は国連総会本会議で採択されました。これから日本を含め世界各国が検討を進め、40カ国が批准等、条約に拘束されることに同意手続きをした日の90日目に効力を生じます。(資料1外務省HPより) 今年の10月にはベトナムのハノイで本条約について署名が始まります。アメリカがトランプ政権の意向などで揺れており、不測の事態が起こる可能性もありますが、これまでの経緯からすると日本も署名をする前提かと思われます。署名というのは「条約の趣旨・内容についての基本的な賛意の表明」です。一般的に条約を締結するためには「この条約を締結しますがいいですか?」と国会に諮る「国会承認」のプロセスが必要になります。(資料2:外務省HPより) 条約(国際約束)には、「国会承認」すら必要が無いとされるものもあり、本条約がこれらのどちらにあたるか外務省は現段階では答えられないとしておりますが、今回はブダペスト条約(旧サイバー犯罪)と同様、国会承認が必要というケースで考えてみます。 署名してから国会承認が行われるまでどれ位の時間がかかるか。これも明らかにされてはいないものの数年間かかる可能性があります。条約と国内法との整合性を精査し、国内法で対応できない点がある場合には、法改正についても検討しなくてはいけないからです。実際にブダペスト条約については署名から国会承認まで2年以上の時間がかかっています。(資料3外務省HPより) 政府が国会に承認を求めるにあたって、「必要な法改正をいつ行うか?」ということもこれまでの国会の歴史の中で議論されてきた点ですが、同じタイミングで行うことが最も妥当である(資料4 1977衆議院外務委員での答弁より)というのが政府見解であり、(政府が考える)必要な法改正案も、国会承認とセットで出てくる可能性があります。(続
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