【ボートレース・競艇】令和の大誤審~徳山6R
18日の徳山6Rで、競走の根幹を揺るがす大誤審が発生した。
1周2M、3北川敏弘が4加藤政彦と接触し転覆。上位は2号艇ー6号艇ー5号艇の順で航走していたが、3周目に入るところでなぜか事故とは関係のない外を回っていた5山口広樹に妨害失格のコール。結果、2西野翔太ー6森野正弘ー1大塚康雅の順で確定し、3連単は2-6-1の5,250円で確定した。
しかし、全レース終了後の夕方にボートレース徳山公式サイトで当該レースの舟券は捨てずに保管するようアナウンスがあり、その後ボートレース公式サイトで正式に徳山6Rの判定が誤審であることが発表された。
徳山レース場における失格判定の誤りについて
https://www.boatrace.jp/owpc/pc/site/news/2025/04/42490/
このアナウンスの中で、払戻金については以下のように発表されている。
なお、当該レースは既に確定しておりますことから5号艇に関する勝舟投票券の払戻については行えないことになりますが、払戻金相当額のお支払い等の対応を現在検討しております。
もちろんすでに確定している2-6-1の舟券をハズレとして回収することはできないので、事故が発生した時点で3番手を走行していた5番を3着とした2-6-5も「的中」として相当額を払い戻す、という対応を検討しているようだ。
事故が発生していなければ「誤審でした申し訳ございません」で済む話だったが、事故が発生、なおかつ本当なら失格にならない選手が舟券圏内を航走していた(つまり、着順がほぼ確定していた)ことで、補償問題に発展してしまった。
ちなみに3連単2-6-5のオッズは64.9倍で、的中票数は4,232票。この分も払戻を行えば、3連単だけでも単純計算で27,465,680円余計な出費が増えることとなる(実際はネット投票分の約70%~80%にあたる約2,000万円は確定。後は紙の舟券がどこまで増えるか)。
公営競技の誤審で記憶に新しいのは、2018年に門別競馬場で開催された「北海道2歳優駿」。1着馬と2着馬の鼻先を間違え、本当なら1着入線だった馬を2着、2着入線の馬を1着として一度確定してしまった。翌日ホッカイドウ競馬は誤りを認め、後日2着馬として確定した馬を1着とした馬券(単勝、馬単、3連単、トリプル馬単)も追加で払い戻した。追加出費は約2億円。
この例に倣えば、今回のボートレース徳山の件も2-6-5の分を追加で払い戻すことが想定される。
なお、ボートレースにおける同様の誤審は今回が初めてではない。2003年5月16日のボートレース津でも、事故に全く関係のない3番手を航走していた艇を失格として決定してしまい、納得のいかないファンがしばらく抗議でレース場に残る事件が発生していた。
この時はネット投票も未発達だったこともあり、誤審は認めながらも3番手航走艇を3着として舟券を払い戻す等の措置は行われなかった。
しかし、今はネット投票全盛の時代。払戻を行わなければ当然ファンが納得するはずもないだろう。ボートレース徳山を始めとした関係団体には、誠実かつ迅速な対応が求められる。
【追記】今の所思いついた問題点は4点
①本当に2-6-5の的中分を支払うのか
懸念としては、厳密にいえばレース中の段階で「2-6-5で航走していただけ」で、「2-6-5で確定ではなかった」という点。事故艇が出ても反対側の1Mで順位変動があった可能性はゼロではない。これを隠れ蓑に支払わない、という決定も事実上できなくはないが、そんなことをしたら本当に暴動に発展する可能性があるのでおとなしく支払った方が良いだろう。
②山口広樹への対応は
とんだとばっちりを食らうことになった山口広樹。あのまま3着でゴールしていれば、得点率で準優勝戦に進むことができていた。まあこれについては明日の出走表も確定してしまっているので今回どうこうという話ではないが、選手・ファン心情的にも何かしらの補償があってほしいというのが正直なところ。
③審判経緯に関する説明は
単に「再発防止に努める」だけでは、昨今の情勢からファンが納得しないのは自明の理。今回どのような審判体制で、なぜ誤審が起こったのかを明確に説明した上で、今後の対策を具体的に提示する程度の誠実さはあってしかるべきだろう。
④いよいよ加速しそうな審議制導入
今回の誤審が速やかに失格の判断を下さなければならなかったことと、着順をすぐに決定しなければならないボートレース界の「こだわり」に端を発するものなら、いよいよ審議制導入の議論が加速してもおかしくない。
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